今更だけどブログでのカスタマー・コミュニケーションについて語っておくか。


面白い視点でブログを書いているululunさんのブログ煩悩是道場で、
ネットでお客さんのハートをがっちり掴むたった一つの冴えたやり方
というエントリを読んだので、今更気味に僕もブログでのカスタマー・コミュニケーションについて語ってみたいと思う。


それは「有用だ、参考になった」と思う事が書かれている場所に担当者自らが出向いていって「参考になりました」とか「改善します」と自分の言葉で書くこと。


・・・という事が書かれていて、ブックオフオンラインの中の人が個人ブログにコメントをくれることや、同社社外取締役の河野さんがコメントに対してのレスポンスコメントをされたことについて書かれている。

こういった企業と個人の「双方向な」コミュニケーションがネット上(ブログ上)で行われていることは興味深い。



ところで、ちょっと前にマーケティング系・広告系のブログ界隈で話題になったのが、貝印の製品やサービスについて書かれた個人ブログに、本当に貝印の社員の方がコメントを書いていくカイタッチ・プロジェクト!っていうのがあるんですけど、この取り組みの何が凄いかっていうと、炎上を恐れないことでも手間のかかることを実行していることでもない。

語りつくされたことかもしれないけれど、カイタッチ・プロジェクト!やブックオフオンラインの取り組みの凄いところは『双方向であることこそコミュニケーション』という視点を持っていることに尽きると思う。

意外と企業はコミュニケーションが双方向でなくてはいけないということに気づかず、一方的に自分の伝えたいことを伝えて、消費者の(購入などの行動で)アクションにつながることがコミュニケーションなんだと信じていたりする(ような気がする)



ちなみに、カイタッチ・プロジェクト!は、河野さんのブログsmashmediaで書かれた「本当のカンバセーショナル・マーケティング」というエントリで紹介されてたんですけど、最初に知った時は、僕は『ふーん』って程度に感じた程度だったんですよね。

だって、それを紹介している河野さんは何年も前から、そういった取り組みをしているんだもの。

コメントやトラックバックしなくても、リファラ分析や検索を駆使して、自分のことや著書、自分が関係したサービスについて書いているブログを見つけて、コメントしているんだよね。
(河野さんヲッチャーの僕としては、それを追いかけるのも結構楽しかったりして)

「カンバセーショナル・マーケティング」というキーワードの初出は知らないけれども、河野さんはそんな言葉を知る前から、それを実行していたんだと思う(考えいた、ではなく既に行っていたのが凄ぇっす)。

このブログだって2007年末に誰も見ていないと思って(いや本当に1日に数件しかアクセスがない頃だったんだよ)「告白。河野武さま」というエントリを書いたら、何の通知もしてないのに河野さんがコメントとトラックバックをしてくれた。
それのお陰でこのブログも続いているようなものですよ。河野さんに感謝です。




カンバセーショナル・マーケティングといえば、河野さんがブックオフオンラインの社外取締役になる時の話が書かれた「ぼくとブックオフオンライン」というエントリのコメント欄。

エントリ内容とは関係なく、ブックオフオンラインの利用者からサービスについての意見が書かれていたりするのだけれど、河野さんは決して『ブックオフオンラインのサイトへどーぞ』なんて言わず、丁寧に対応されている。

対応できる量を超えてないから何とかできる、みたいなところもあるんだろうけれど、これはなかなかできることじゃないよ・・・。

やったことのない人には想像つかないかもしれないけれど、顧客とのコミュニケーションで、逃げない・面倒がらないってことを実践するのは凄く大変なんですよ。でも、河野さんはしっかりと対応されている。

さすがコールセンター出身。
お客様相談窓口の責任者もやっている僕が見ても流石と思うような対応もしていたりして、うむむと唸ってしまうのです。うむむ。


それを考えれば、冒頭で書いた煩悩是道場の「お客さんのハートをがっちり掴むたった一つの冴えたやり方」を実行したいと思った企業があっても、企業側に高いリテラシというか作法みたいなものを理解している高いコミュニケーションスキルとかリスクを見通す能力みたいなものを持った人材が必要なので、なかなか実行に移せる企業が少ないのかもしれないなあと思ったりするのです。