弊社では今のところ最高のサービスを提供しておりません。


※ 雑文注意。脳内たれながし自分語り系が苦手な方は読まない方がいいよ><






企業でのマネジメントを一言で言い表している 『任して任さず』 という明言をのこしたのは、かの松下幸之助さんですけども。


ぼくは、ちょっと前まで300名くらいの組織運営やってたんですけど、 ダルくて 組織変更とか色々あって、いまは直属のチームだけマネジメントしてます。多いのも少ないのも、それなりに大変なんだけども。

ちなみに、いまのチームメンバーは20名くらい。
ぼくの部下になっちゃうなんて可哀相。まあでも運命だと思ってあきらめろグヘヘ(←いつもとキャラ違う)




まあ、このブログをご覧になっている皆さまはご存知だと思うのですが、いつもいつも僕は、ホスピタリティがどうだとか、最高のサービスがあれだとかこのブログにわかったようなふりをして脳内たれながしで書いてるんですけども。
ぼくのチームも「多くのお客様に最高のサービスを」といった感じで日々しごとしておりますです。



この「最高のサービス」と「任せて任さず」が死ぬほど矛盾してて反吐が出そうだよバカって話を今日は書きます。



お客様に最高のサービスを提供したいと思ったら、(自分の言うのも何だけど)ぼく自身が対応するのが間違いない。チーム内での経験もスキルも一番だから。それが難しければ、ぼくと同じくらいの経験値がある、実務の責任者がいるから、彼女にやってもらうのが良い。


でも、現実には、そんなことしていなくて、未熟なスタッフが実務にあたっている。
もちろん、自分がやったときと、ほぼ同じか、それ以上のクオリティになるよう、仕組みやマネジメントを駆使しているわけだけども。


特にヤバイのは重度のクレームやトラブルが起きたとき。

ぼくと実務の責任者が話し合うんだけど、たいていの場合、実務を任せている女性リーダーは自分が対応すると言い出すけれど、それをぼくが止める。

このときのジレンマたるや、脳が沸騰しそうになる。

ぼくや彼女が対応すれば、間違いなく、その時の選択肢の中では、ほぼ最高の対応になるだろうけれど、そんなことばかりしていたら、僕らは、いつまでも重度のクレームやトラブル対応をできる人材を育てることができなくなる。


目的は「人を育てることなのか?」それとも「お客様に最高のサービスを提供すること」なのか?それは間違いなく後者だ。後者に決まっている。前者は手段でしかないから。でも、じゃあ、僕が対応することが我々の手札では最高のカードなんだから、その方が正解か?いやちがう。対応できるのが僕と現場のリーダーだけしかいないチームでは最高のサービスを多くのお客様に提供なんてできないからだ。でも、今回のお客様にとっては、その1回が全てなんだから、多くの人に提供できるかどうかなんて何の関係ないに決まってんだろう俺のバカ、なんで最高のサービスを提供できる人材だけそろってるチームを作らなかったんだ。だ から今やってんだろうが。
任せて任さずって言ったって、やらせてみて、そのスタッフが失敗したらどうする?ただのミスならぼくが責任とればいいだけだけど、ただのミスじゃないんだぜ。お客様にご迷惑をおかけするんだぞ。最高のサービスを提供すること、ホスピタリティが目的の我々が。お客様をご不快にする可能性をわかっているのに、スタッフの経験のためのトライアルにお客様を使うなんて、そんなことしていいはずがないんだ。ああ、でも、そんなこと言ってたら以下略。(ここまで脳内で0.2秒)


こんな感じで、ちょっとパラノイア的な脳内会議があって、口から内蔵をブチまけそうな気持ちになりながら 「○○くんに任せるから、やってみてくれ。」 と僕は言うわけです。もう、本当に清水の舞台から飛び降りるような気持ち。精神的な飛び降り自殺だけど、何回死ねばののっていうくらい、何回もこれをやっている。こんな気持ちになりたくなんかないのに。


こんな葛藤の後には、祈るような気持ちで、対応者にできるだけの武器を渡すというか、上手くいく方法論を綿密に伝えて、落ち着いて対応できるように精神的なケアをするんだけど、そのあいだも心中では「あー、これから自らした判断によって、わかっていて、お客様にご迷惑おかけするんだぞ」と、自分の下した判断に対しての自己批判がぐるぐる回ってる。


そのうち、腹が決まるというか、もうお客様にご迷惑をおかけする覚悟というか、そういうものが自分の中で完全に固まる。
もちろん、その決断のなかでご迷惑をおかけしないための最大限の方法論をもって対応はするわけだけど、わかっていてお客様に最高の対応をしなかったことに対してのモヤモヤしつづける。

それは対応が上手くいっても(大抵は上手くいくし、そういう風にする)同じで、「最高のカードを切らなかった」という後味は残りつづける。
それでも、ぼくは最高のカードを切らない。




実務を任せている女性リーダーは、もう長いこと僕と一緒に働いているから、よくわかっていて、

「そんなに吐きそうな気持ちになりながら任せるくらいなら、自分でやっちゃえば?都度都度、その場だけを見れば、貴方か私が対応したほうが、対お客様としても現場としてもストレスもないし、スムーズなのに・・・」

とか何とか言うんだ。


わかってるよ。
これは、ぼくのエゴなんだと思う。

「多くのお客様に最高のサービスを」の"多く"の部分を削って、常に身の丈にあった小さな範囲で組織を考えれば、こんな気持ちにはならないで済むんだと思う。

ぼくのエゴでしかないけれど、うちのチームは利益を上げたら、その利益をより良いサービスにしていくことを目的にしている。
そのゴールのために、目的と相反する経験が必要なんだとしたら、僕がゲロ吐きそうな気持ちになって、心に重荷を感じるくらい安いもんじゃない?

僕も辛い思いしたいわけじゃないから、こんな思いしないでゴールに行く方法があれば知りたいけど、いまのところ自分がタフになるしかないのかなあと思ってます。



だからさ、そろそろチームの皆は、ぼくに楽な思いさせてくれると良いと思うよw (いちおう、これがオチ)