念じたら売れるようになったときの話をする。

突然ですが昔話を書きます。

僕が仕事を初めて2年目だか3年目くらいのときに、社内でも凄いやり手と評される先輩と一緒に出張に出かけたことがあって、そのときのこと。

僕らのいた会社は、小売りだったってこともあって、洗練されていない雑で原始的な感じではあったけど、みんなワイワイガヤガヤと仕事の話をする連中が沢山いて、僕はその雰囲気がとても好きだった。

そのときも、その先輩と仕事の話になった。

たしか「もっと売上あげてえ」みたいな話をしていたんだと思う。

先輩はニヤニヤしながら僕にこう言った。

「ユウジ、俺もお前くらいのときにそう思ってたことがあってさ、」

へー、こんな出来る男でも、そんな時期があったんか、と素直に思いつつ、話の続きを聞いた。

「そのときに『うれろーうれろー』って思いながら店を掃除したり、商品をきれいにしたりすると売れるって言われたんだよ」

なにそれ せいしんろん 怖いれす^q^

と、若者だった僕は思ったのだけれど、ひきつった作り笑いをしながら「そ、そうなんすかー」と答えてお茶を濁そうとした。

「あ、お前、信じてないだろー。マジだって。マジに売れるようになるんだよ。試してみ?な?」

その先輩がジョークで言っていないことは明らかだった。うわなにこのひと仕事できる人と思ったけどアレ系だったの。

ちなみに、先輩にその言葉を言ったのは、当時勤めていた会社の創業者。商売人として超リスペクトしてしまうような方ではあったものの、当時の僕は半信半疑どころか、精神論こわい竹槍じゃB29は落ちないようんこうんこー、と心の中で思うばかりだった。

でも。
実のことを言えば、それは僕の心の片隅にずっと残っていて、それ以来、僕は店内を掃除するときや、仕入れた商品を展示するときに「うれろーうれろー」と念じてしまうようになるのであった。なんというか素直だったんですな。

そしたらですね

なんということでしょう。

本当に売れるようになるんだこれが(笑)

賢明なる読者の皆様はもう理解されていることと思いますけども、掃除のときやら商品の陳列時やらに、漫然としなくなるというか色々なことに気をつけるようになるんですわ。

「うれろーうれろー(掃除してる)...お、ついでに、ここらへんにも気を使っておくか(と、商品の展示を直す)。おや、ここも気になるな...」

みたいな感じで。

これがまた効果抜群。

いや、

うん、

なんてゆうか、

普通に「掃除してるときでも細かなことに気をつかえるようになれ」って言ってくれれば、それで良かったような気もしますよね、先輩。(←身も蓋もない)

ま、それはともかく。

こんなんで上がる数字なんて少々でしかないし、マネージメント側が部下に精神論を迫るようになったら色々とアレでしかないんですけども、割とこれのおかげで漫然と仕事をしないクセがついたような気がしまふ。

なので今日も今日とて「うれろーうれろー」って思いながら仕事をしているフジイなのでした(本日はオチなし)