行動ターゲティング広告、あるいは企業はプライバシーポリシーをどう扱うべきかについて

今日はみんなも大好きなGoogle  Adwords のリマーケティング広告とか、行動ターゲティング広告について話をします。

正確に言えば広告の話ではなく、プライバシーポリシーの話なんですけども、Adwords とか行動ターゲティングあたりと絡めた話にしておくと アクセス稼げる みんな楽しいかな、と思ったのでそうします(この出だし使うの今年2回目)

さて。
Adwordsの強力な機能としてリマーケティング広告というものがあります。

これは、サイトを訪問したことのある人に対してのみ広告を表示する機能です。

例えば、サイトを訪れて商品情報を見ただけ(まだ購入はしていない)という人に、再訪や購入に繋がるような広告を表示したりするわけですね。

たぶん、「最近、同じバナー広告が出まくる」とか「チラ見したサイトの広告が他のサイトで出続ける」って経験されたことのある方は、多いのではないでしょうか。
こんな感じに行動を追跡して広告配信するのが行動ターゲティング広告です。

マーケティング広告に限らず、行動ターゲティング広告の問題として『自分の知らないうちに行動が追跡されていることに対する気持ち悪さ』があります。 これって、割と単純な話なのですけども、「追跡されていること」が気持ち悪いのではないですよね。
「自分の知らないうちに」追跡されていたってことが気持ち悪いわけで。

Google 様は「プライバシーポリシーに明記せよ」と仰られている

「自分の知らないうちに」追跡されていた ってことが気持ち悪いのであれば、そういう広告を出しているって知らせたり、解除する方法を企業がちゃんと明示しておけばいいんですよね・・・!
実は、Adworsでは「プライバシー ポリシーに記載する必要がある情報」として広告を出稿しているサイトはプライバシーポリシーに下記の内容を書くように定めています。

  • マーケティングをオンライン広告にどのように活用しているかについての説明。
  • 広告主様の広告が、Google を含む第三者配信事業者により、インターネット上のさまざまなサイトに掲載されていることについての説明。
  • Google を含む第三者配信事業者が、Cookie を使用して、ウェブサイトへの過去のアクセス情報に基づく広告配信を行っていることについての説明。
  • Ads Preferences Manager にアクセスして、GoogleによるCookie の使用からオプトアウトできる旨の説明(略)

プライバシーポリシーに記載する必要がある情報 Adwordヘルプ

んあー。
色々なサイトのプライバシーポリシー見まくっている僕ですが、こんなの明記してるの見たことないなあ・・・。

あ、べつに僕は重箱のスミを突いて、Adwordsガイドライン違反発見m9(^Д^)プギャーって言いたいわけではないです。誤解なきよう(理由は後述します)

「プライバシーポリシー」は「個人情報保護に関する法律に基づく表示」じゃない。

こういう配慮があまりされないのは、日本のWebサイトにおける「プライバシーポリシー」が「個人情報保護に関する法律」に定められた要件を満たすためだけに作られたものばかりで、サイトの訪問者・お客様のプライバシーに配慮して作られていることが少ないからです。

上述の「プライバシー ポリシーに記載する必要がある情報」も『必要』とか書いてるわりに、Adwordsヘルプにひっそりと書いてあったりして分かり難さ満点なので、プライバシーポリシーに書かれていなくても仕方ないかなあと個人的には思ったりもします。

しかし、ですよ。

サイト来訪者が「やたら広告が出て気持ち悪い」と思ったときに、『どうして広告が表示されるのかを説明しておくこと』や『どうしたら表示されなくなるのか』を明示しておくって、 広告を表示させている者として当然に気にしておくべきことだと思うのです。

これって凄く大切なことですよね。

ちなみに、Google Adwordsでは他にも個人の政治的な思想に合わせたリマーケティング広告とか、相手の経済状況に合わせたリマーケティング広告、健康状態に合わせてリマーケティング広告を配信することなどが禁止されています。
全てプライバシーへの配慮ですね。

ベンチャー企業がプライバシーへの配慮の足りないビジネスをして、セキュリティ専門家に  凸られて 指摘をされて大きな問題になる、なんてことが実際に起きています。

今までは日本の法律で定められた「個人情報」について書いておけばOKという感じでしたが、今後はより「プライバシー」への配慮が必要となってくるのは間違いありません。
そこへの配慮不足になっていないか、自社の考えを見つめ直すキッカケとしてAdwordsのリマーケティング広告についての必要事項の明記あたりから始めてみるのが宜しいかと思います。

おまけ:
例えばの話ですが、「当社の広告が何度も表示される方へ」ってページにアクセスすることでリマケ除外の対象になるとか、そういう配慮があっても良いと思うのですよね。

おまけ2:
Google Analytics規約違反について、あるいは企業はプライバシーポリシーをどう扱うべきかって話など。
この記事もよかったら読んでね。

追記:
なんと、こんなエントリ書いたら、リマーケティングやインタレストカテゴリー広告で、ユーザー側から気に入らない広告を消すための「×」印のアイコンが表示されるようになるって発表が出てました。
(それはそれとしてプライバシーポリシーにわかりやすく書くべきって話が薄まるわけではないのですが)
SEMラボさんの解説が分かりやすい感じですので、読むといいと思うよ(参考リンクされてる過去記事も必見ですお)