南極点と「世界で最も有名な求人広告」の話。

Googleの今日のdoodleが12月14日、人類初の南極点到達105周年でした。

人類初の南極到達105周年doodle

Google Doodleアーカイブより

今日は、1911年12月14日 ロアール・アムンセンの探検隊が南極に人類初到達した日なんですね。

アムンセンに限らず、南極点到達の冒険競争の話を読んだりすると、当時の探検家たちがどのように困難に果敢にチャレンジしていたかを知ることができてとても面白いです。

その、南極探検の英雄のひとりであり、人類初の南極点到達をしたアムンセンの3年前に南極点に向けてアタックをしたアーネスト・シャクルトンをご存知でしょうか。

2ヶ月以上かけて南極点まで後たった180kmというところまで到達し、そこで残りの食料が限界と判断して引き返した、その当時の最南端到達の記録保持者です。

今日のdoodleはアムンセンですが、それを見て「シャクルトンの広告」を思い出したのでブログに書こうと思います。
そのシャクルトンが出したと言われる「世界で最も有名な求人広告」というのがありまして。

MEN WANTED for Hazardous Journey.
Small wages, bitter cold, long months of complete darkness, constant danger, safe return doubtful.
Honor and recognition in case of success.Ernest Shackleton


―――求む男子。至難の旅。
僅かな報酬、極寒、暗黒の長い日々、絶えざる危険―――生還の保証無し。
成功の暁には名誉と賞賛を得る―――アーネスト・シャクルトン

かっこいいいいいいいい。かっこいいですね、かっこいいですね。

僅かな報酬、極寒、暗黒の長い日々、絶えざる危険。 生還の保証無し。

心が揺さぶられますね。
この男子の冒険心を揺さぶる求人広告は1914年頃にシャクルトンが新聞に掲載した乗組員募集の求人広告で、応募が殺到。

約50年後に「100 Greatest Advertisements(広告100選)」という本で、最も成功した広告として紹介され……………………………………されたんだけど………………………………………………

実際にはシャクルトンがそんな広告を出していた事実は見つかってないんだってさ
( ゚Д゚)y─┛~~

以前どこかのセミナーで聞いて「うおおおお、すげええええ!かっこいい!どこかで僕も使いたい!!」って思って心に残ってたのに。ネットメディアにも結構紹介されているのに。僕のピュアな心を返してほしい。くそう。

「100 Greatest Advertisements」に掲載されたことから広まっただけで、断定はできないものの「世界で最も有名な求人広告」は実在しない都市伝説的な逸話だろう、というのが定説みたいです。実在していてほしかったなあ…。

ちなみにそのシャクルトンさん、南極点到達レースが終わった後も次なる冒険の計画を立て、航海に出るも途中で流氷のせいで座礁。大きな氷の上でキャンプしたり、小舟で1500kmも航海したりと1年半以上にわたって「ワンピース」みたいな冒険をして生還したりしています。南極海で1年半以上とか1500kmとか、なんなんだよ漫画みたいな人だな!マジで悪魔の実の能力者なんじゃねーの

他にも仲間のために残ったビスケットを渡すなど極限状態でのリーダーシップが後世に評価されるなど、超人エピソードが沢山あるみたい。

そんな「このビックリ人間が求人広告だしたら応募が殺到してもおかしくない」ってキャラクターから生まれた逸話なのかもしれませんね。ぐぬぬ。

おまけ: ここらへん読むと面白いよ

ニムロド遠征
https://ja.wikipedia.org/wiki/ニムロド遠征

南極探検の英雄時代
https://ja.wikipedia.org/wiki/南極探検の英雄時代