人工知能はフルカラーの夢を見るか? または非エンジニアの僕が如何にしてニューラルネットのお気持ちを考えるようになったか

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人工知能、AI、ディープラーニング、ニューラルネットワーク……ここらへんの単語を聞かない日はないくらいAIブームきていますね。

人工知能やディープラーニングなんかのことをよく知らないが故にSFなどフィクションの世界にありがちな万能な人工知能を想像しがちだと思います。「原理はよくわからないが人間にはできない判断ができる」みたいなね。

しかし―――少なくとも2017年時点で我々が触れることのできる―――人工知能って、そういうものじゃないと思うんですよね。もちろんトップレベルのものまで含めれば人工知能も色々ではありますが、僕ら一般人が触れられる普及しつつある人工知能がどのように動いているのか知る機会があってもいいと思います

今回のエントリは、人工知能が何を感じ取って答えを出しているのか人間が「人工知能のお気持ち」を知るべく歩み寄ってみよう(笑)という実験です。

ほら、人間同士でも相手のことを理解する努力してこそ分かり合えるわけじゃなですか。

(僕は今のところ仕事ではAI扱っていないのでこれは趣味です。もし間違いなどありましたらすぐに修正しますので詳しい方はご指摘くださいませ)

イラストに自動着色する人工知能 PaintsChainer

とはいえ、エンジニアでもない素人がいきなりディープラーニング環境を用意したり、動かしたりするのは難いですよね。

そこで、無料で公開されていて誰でも触れる、手軽に人工知能のお気持ちを理解できそうな人工知能を使ってイラストに自動着色するPaintsChainer(ペインツチェイナー)を使わせていただきます。

PaintsChainerについては、BuzzFeed Japanのこの記事がわかりやすいかと思います。

(非エンジニアでもわかるやすいようにBuzzFeed Japanの記事を紹介しましたが、このエントリの末尾に作者の taizan さんが書いた記事へもリンクしておきます)

pixivのお絵描きコミュニケーションアプリ「pixiv Sketch」にも着色機能を提供していたりと「人工知能を使えば自動でここまでできるのか」と話題になっているサービスなのです。

この記事は作者さんや運営会社のPreferred Networksさんの許可を得ていないので怒られたら修正するか消すかします(引用の範囲で、利用規約にはたぶん違反していないはず…)

実際に人工知能に塗ってもらいます

さて。PaintsChainerを使うにあたりイラストを用意する必要があったのでマンガやイラストの仕事をお願いしているいしださんにお願いして線画を提供してもらいました(ご協力感謝)。

これをPaintsChainerに塗ってもらうことにします。

それがこんな感じ。

線画をアップロードして待つこと0.5秒くらいでパッと着色されたものが表示されます。

うおおおおお、すごい魔法みたい!!

いきなり当初の目的ガン無視、人工知能のお気持ちを無視した発言しちゃうけど画像アップロードした瞬間に自動で着色されるのは「原理よくわからない凄い機械」としか思ってしまいますねw

(後半まで読んでいただければ人工知能のお気持ちが少しわかるようになると思います

PaintsChainerにはモデルが2種類用意されていまして、それぞれ「たんぽぼ」と「さつき」という名前がついています。

この2つのモデルは色塗りのクセが違うんですね。
人間みたいにモデルによってアウトプットが違うのが面白いところ。

これが「さつき」が塗ったもの。

「たんぽぽ」の方がフンワリした塗りをして、「さつき」は割とカッチリした塗り方をしてくる特徴があるみたいです。
人間みたいに個体差があるんですなあ。

んでは、一気に色々と塗ってみます。

PaintsChainerすごい……しかし、なんとなく特徴というか塗りの癖があるのを見つけられませんか?

たぶん、髪の色は色々あるのでとりあえず金髪か茶髪にしておくと怒られない(ってのも変だけど)と思っていそう。

「たんぽぽ」はオッドアイ気味にしたり碧眼っぽくするのが良いと思ってる節がある。ちょっと偏って学習してるのかな?というのが見受けられます。

「たんぽぽ」と「さつき」の2モデルを比較しただけでも特徴のある色の塗り方をするから性格というか仕事の癖とか特徴みたいなものが見えてきて面白いですね。

あと、たぶんだけど洋服と違って着物は苦手そうな感じもする…。塗れてるけど、ちょっと迷いを感じませんか(笑)

ここから、もう少し人工知能のお気持ちを知るための実験をしていってみます。

ちょっと意地悪してみる

次にこれを塗ってもらいましょう。

結果はこれ。

さすがPaintsChainer。上手く塗れている……けど猫……猫が…

あああああ、もしかしてお前ら女の子のイラストばっかり塗ってるから、人型じゃない対象を何色にしていいのか知らないんか…!?

だいぶ人工知能のお気持ちが分かるような気がしてきましたね。
PaintsChainerのような素晴らしい人工知能でも、学習していない(あるいは学習量が足りない)ことはそうなるのかーと。

人類にはできない判断をしてくれるAIのイメージが崩れて、現実的に動いているAIのお気持ちが少しわかるような気がしてきます。

猫を何色にしていいか分からない(というか猫だと認識していないと思われる)のなら、じゃあ「画像の向きが横になったら」どんな反応するんだろうか試してみます。

えいやっアップロードぉぉぉ

「たんぽぽ」は、まだ正しい向きの時に近いけど「さつき」はゾンビみたいな色にしてきましたね。たぶん眼とか輪郭の特徴をつかんで顔を認識していたんだろうけど横にしたことで顔だと認識できなくなったのかな。

ここらへんまで見ていくと「人工知能って勝手に考えて答えを出してくれる万能なやつ」って考えをもっていた人も「コイツらも苦労して学習してるんやなあ…」って優しい気持ちになってくるはず。
(え、優しい気持ちにならない?おかしいな…)

髪を金髪や茶髪にしがちなのも、そりゃそうだなーという気持ちになりますね。
服の色とか正解ないのによく判別してるなあ。君たち頑張ってるよ…すげえよ…

人間(人型)じゃない対象物はどうなる

推測ですが、恐らく女の子のイラストばっかり塗っていて、人型じゃない対象を何色にしていいのか経験値がないのであろう人工知能たち。

色々と試させていただきます(怒られないか不安になってきたけど…)

君たちは猫が何色か分からないフレンズなんだね…ってことで、これならどうだろ。
サーバルちゃん。

おお、意外にサーバルキャットも塗れてるーたーのしー。
スカートもそれっぽーい!!!! PaintsChainer すっごーい!!

ならば、これはどうでしょう。
サーバルキャット単体のイラスト。

んー、やっぱり見たことないものを塗るのは苦手だよね(そりゃそうか)

推測でしかないけど「たんぽぽ」は何色にしていいか分からないものを今まで学習してきた肌の色に近くして、「さつき」は、何色にしていいか分からないときに暗い色(線の近似色?)にする癖があるような気がする…。

黒い林檎…。芸術的な薔薇…。

林檎的な形をしたものが何色なのか、わからないんですね。

ごめんな…あんまり見たことないもの塗らせて…僕が悪かった……

お気持ちが分かるにつれ、つい謝りたくなってきますよね(僕だけ?)

「たんぽぽ」も「さつき」も、できるだけ自分の経験の中から答えを出そうと必死に塗っているんだと思います。薔薇やひまわりは経験値の中から見たことある色に塗ったりしてるっぽい気がします。
どうしてこの色にしたのかとか想いを馳せると面白くありませんか?(あれ、やっぱり面白いと思うの僕が変なの?)

これからのAIビジネス・AIサービスを考えるにあたり

PaintsChainerのようにユーザーと対話するように新しい体験を提供しているサービスは本当に素晴らしいですね。

人工知能ってビジネス向けの業務改善とかの方向性で語られることが多いけど、個人向けのエンターテイメントととして成り立ってるもんなあ。

人工知能(AI)であろうと天然知能(人間)であろうと、経験則や向き合っている課題に問題があったら良いアウトプットにならないのは同じなんですが、PaintsChainerが対話的な自動着色を提供してくれたお陰でニューラルネット・機械学習を使った人工知能は経験則で動いているという当たり前のことを体感として理解することができました。

「原理は分からないが人間には出せない答えを出す魔術」…ってわけではなく、苦労して学習して答え出してるのだなあと理解すると、人工知能(あくまでも僕ら一般人が触れることのある機械学習型のAIに限った話ですが)の使いみちがなんとなくですが見えてきますよね。

僕は今のところ仕事ではAIに関わってはいないのですが、実際に触れてみるって大事だなーと思った次第です。

いやホントおもしれーな人工知能!(興奮)

ここらへんも読むと良いよ

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