支払いだとか操作の「たかが数秒とか1分くらいくらいの違いでしょ?」についてのお話。

できるだけコンビニやファーストフードなどの支払いは現金ではなく電子決済系にしています。

小売の出身で、特にEC関連の仕組みのことを考えるのが大好きなので決済についても考えるのが大好きなのですが、とはいえ日本においては現金って便利だよなとも思うので急進的キャッシュレス派ってわけでもないんですけどね。

Twitterとか眺めてると、たまに現金使ってるやつ馬鹿なのアホなの死ぬの的なことを言っている人を見かけますけど、日本においては現金払いの便利さがあるわけですし、そこまでキャッシュレス至上主義的にならなくてもいいのになーと個人的には思う、ゆるふわキャッシュレス派です。

僕は、横浜にある自分の会社での仕事と、渋谷の会社での仕事がそれぞれあるので横浜~渋谷を行き来することが多いのですが、都内のタクシーって交通系ICが使えるの普通なんですよね。
横浜だと、まだ一部のタクシー会社しか使えなくて、現金以外だとクレジットカードしか駄目だったりすることも多いです。

急いでる時は特にですが、クレジットカードでタクシーを支払うと現金より明らかに遅い。

運転手さんが決済用端末を出して、運転手さんがカードを通して、通信を待って、印字を待って、サインをしてレシートを受け取って………20秒で終わるはずの支払いが下手すると3分くらいかかったりします。

その点、交通系ICの決済は、タッチしてレシートもらうだけ。現金より早い。
こういう体験を積み重ねているうちにタクシーだとクレジットカードってイマイチだなーと思うようになってしまいました。レストランだとそうは思わないから支払い体験の感覚に違いがあるんだなあ。

あくまでも僕の視点ではありますが、タクシーの体験から振り返ってみると電子決済系の良いところって、キャッシュレスなのが良いというよりも支払いアクションを減らすことにあるわけですよね。

ここらへんは異論はないと思うのですが、交通系ICで改札を通ると、いちいち切符を買うのが異常に面倒な行為だと感じるようになりますし、自動車でETCを使うと料金所のおじさんにお金渡す手間が煩わしくなります。
(料金所のおじさんとのハートフルなやりとり体験が好きって人もいるとは思いますが、それはまた別の話かと)

「たかが数秒とか1分くらいくらいの違いでしょ?」って思ってしまう人がいるのも分かるのですが、決済ではないアクションで例を出すとテレビのリモコンがなくて本体を操作しないといけなくなったら数秒の違いでもストレスですよね。だから数秒だから関係ないとかそういうことじゃないと思います。

自動車の鍵のキーレスとかもそう。
「こんなワンアクション減らしたところで…」と思っていた人がキーレスの日常に慣れると元に戻れなくなるw

少し話はズレるけど、友人から「そんなに使ってるの」と言われるくらいスマホ(Android)の音声操作を多用しています。

「ここから自宅まで 終電」とか「明日の11時に○○さんとミーティングって予定入れて」とかめちゃくちゃ便利。「朝7時に起こして」とかも便利すぎて死ねる。他の人に聞こえないくらいの声で動くから街中で歩きながら音声操作したりしちゃう。

もう慣れるとポチポチ画面をタップして操作する気が起きない。
もちろん画面を見ながらの手入力の方が便利なこともあるから、音声の方が楽なことを見つけては使い分けて操作するようにしています。

Amazon echoは招待メールが来ないのでお預け食らってますが、Google Home(mini)は購入して便利に使っていますし(機能がまだまだの点が多いですけどね……Googleがんばってくれ…)。

あ、それから一年くらい前にニュースになったコンピュータービジョンやディープラーニングを使ってレジをなくした(商品を手にとって店外に出るだけで自動決済される)スマート食料品店 Amazon Goも、レジある店に戻れなくなるくらいのインパクトがありそう。

オープン準備も進んでるって報道もあるみたいだし楽しみですね。

決済の話から少し離れてしまいましたが、使っていない人が「こんなワンアクション減らしたところで…」って思ってしまうのは仕方ないことと思いつつも、テレビのリモコンがなくてワンアクション増えることが不便なように慣れてしまえば手放せなくなるようなワンタッチ操作って、ここ数年で増えたし、これからの5年くらいの間に爆発的に増えそうだよねと思っていたりします。
(Amazon Goの場合はワンアクションどころじゃなくレジに並ぶところから支払いまで全てがなくなるわけだけど)

なお、ここまで読んでもらって何ですが本記事に特にオチはありません(何)
それにしても、単に何でも行為を減らせば快適感があるってわけじゃないし、「このアクションが減った体験をしたら元に戻れなくなる」に気がついて機能や製品に落とし込んでる人ってほんとすごいよねえ。