こんにちはこんにちは。
今年になって初めてブログを書きますフジイです。あけおめ令和。
昨日ですね、日本語インターネットを良くするを標榜する(そして実際にご自身の専門領域でインターネットをより良くする活動をされている)辻正浩さんがこんなブログ記事を公開されました。
ブログを書きました。Google Maps関連のスパム対策が強化されていますので、悪質な業者には注意してください。 / 1件のコメント https://t.co/jVvwTMXPCr “悪質なGoogle Maps最適化(MEO)への依頼は大きなリスクがあります - 株式会社JADE” https://t.co/d0mdpSWqgP
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2019年6月25日
下記に辻さんの記事から一部を引用しますが、端的にいうと
Google Maps 上の店舗情報に過剰な最適化を施すとそれはスパムである。スパム業者に依頼することでスパムと知らなくても簡単に Google Maps 上から抹消される。
また、Wikipediaがユーザーの集合知で作られているように各ユーザーが Google Maps 上の情報に編集提案することで良質な店舗へのアクセスがスパマーに奪われるのを防ぐことができる
という記事です。
非常に多くのGoogle 検索結果にGoogle Mapsが差し込まれるようになりました。
Androidであれば趣味趣向に合わせてGoogleがおすすめの店を知らせてくるような機能も追加されています。
多くの人がスマホを活用するようになり、Google Mapsの地図情報が行動に与える影響が強くなってきています。
それを背景に、スパムを行う人がどんどん増えていったのです。
僕は辻さんのMEOスパムへの警鐘、インターネット上の情報汚染をインターネットユーザーで抑えようとする活動を強く支持します。
単にスパム良くないという話をするだけではなく、インターネット上の情報エコシステムを消費するだけではなくインターネットユーザー各自で守ろうという考え方自体がインターネット的で、僕個人も微力ながら何かできることをしようと胸が熱くなるブログ記事でした。
僕の観測範囲でも、「情報編集、今日だけで20件した」とか「これユーザーが編集できるのか!!やってみよう」なんて声が上がっています。
インターネット上の情報エコシステムをインターネットユーザー各自で作り、守っていこうという動きに繋がっていて、本当に素晴らしいなと。
そんなことを思った当日、僕にMEOスパム業者からDMが届いた
そんな風に胸が熱くなる思いをした当日。
当日にですよ。
Googleローカルガイドでインフルエンサーになれることをご存知ですか? 突然のオファーで驚かせてしまい、申し訳ありません。 私は株式会社■■■■■■と申します。弊社は港区■■■■にオフィスを構えております。(移転したばかりですが・・)現在、高レベルローカルガイドの方々に限定して、モニターを募集しております。 内容は■■■■■■■■でサービス体験とそのクチコミのみになります。サービス料金はもちろん、交通費まで弊社でご負担致します。さらに高レベルのローカルガイドの方には最大で5万円の謝礼をご用意しております。
クチコミでインフルエンサーになれる事をご存知でしたでしょうか? グーグルマップが日々進化しており、日増しにローカルガイドの影響力も強くなっています。弊社では高レベルローカルガイドの皆さまとインフルエンサービジネスをしたいと考えております。ご興味がございましたら、ご連絡ください。
■■■■ 社長室 ■■■■(ローカルガイド レベル7)
※■は筆者による修正
辻さんの記事がTwitter・はてなブックマークで話題になって業界人はみんな読んでるよってときに 2019年にもなってペイパーポストの依頼って…
ペイパーポストというのは、お金をもらってクチコミを捏造する仕組みであることが多く、いまはステルスマーケティング、ステマなんて呼ばれることが多いですね。
言うまでもありませんがローカルガイドは評価を操作する目的でコンテンツを投稿することは禁止されています。
この依頼をしてきた人物のTwitterアカウントを見てみるとMEOの責任者なのだそうで、「今日もローカルガイドのレベル○の方とレベル○の方ににクチコミを書いてもらいました!!」みたいなツイートをしています(無邪気だな…)。
インターネット上の情報汚染を進める側の人間ということですね。
辻さんの素晴らしい警鐘エントリが話題になった当日にこんなのを送ってくるとは良い度胸だ。お前も蝋人形にしてやろうか。
と、いっても個別にこの会社がクソですって話をしても仕方ない
このクソDMのTwitterアカウントや会社を晒して、個別に炎上していただくことは本意ではありません(ので社名とかは伏せました)
僕の思いは(下に引用した辻さんのブログ記事にもあるように)インターネットのエコシステムを構成する利用者の協力が広がることで、2019年にもなってステマを頑張る雑魚が炎上することではありません。雑魚め。
インターネットのエコシステムを構成するのはプラットフォーマーだけではなく、その利用者も含まれます。有益なエコシステムを成り立たせるには、企業だけではなく利用者の協力も必要です。
そして現在、この中にはエコシステムに寄生する悪質な業者も含まれてしまっています。飲食店経営者などインターネットに詳しくない人を騙してリスクを負わせて利益を上げようという悪質なGoogle Maps最適化業者はその一つです。
いまのままだれも警戒しなければ、今後更に被害者は増えていくことでしょう。
僕はインターネットの情報エコシステムを愛する個人として、良いお店の情報が得られるはずのアクセスをスパマーに奪われるような不健全なインターネットは少しでも改善されて欲しいと願っていますし、善良だけれど無知なお店の人がスパマーにお金を貢ぐこともできるだけ減らしたいと思っています。
辻さんのようなスペシャリストに比べれば僕にできることなど微力極まりないのですが、それでも今回DMを送ってきたようなスパム事業者が「身近に」存在することを少しでも広められたら(悪質な業者が悪質な行為をするのを止めるようなことがなくても)、悪質な行為を許容する人や騙される人が減るのではないかと考えています。
こんなことしても無駄、という悲観的な見方もあるかもしれません。
でも僕らインターネットに生息している人たちは、インターネットを利用する個々ユーザーの行動がエコシステムを作り・守ってきた事例を知っています。
少しずつだけでもインターネットの情報をより良くする動きをする人たちを増やせたら良いなと思い、このブログエントリーを書きました。
そのためには僕の言葉よりも業界では半分冗談、半分は本気の敬意をこめて「神」と呼ばれているスペシャリストである辻さんの言葉の方が刺さると思うので引用して、このブログエントリの締めとさせてもらいます。
どうか、ほんの少しでも、インターネットを良くしたいって人が増えたらいいな。あなたもそれに参加できるんですよ。
ぜひ、下記の2つだけでも考えてみてください。「知っている店が騙されていたら注意喚起すること」
「自分が関わる業界の検索結果で違反を見つけたら情報の修正・通報を行うこと」
このような問題をしっかりと多くの人が認識することは、悪質な業者の活躍の場を減らす事になりますし、プラットフォーム側での改善への注力度を上げる事にもなると考えます。
私も今後もこの情報の修正と通報を続けるつもりです。
もし皆様もその流れに加わってくれたのでしたら、自分も便利に利用しているエコシステムがより便利になりますので、とても嬉しくおもいます。