「なかなか実行しない」のも「考えるよりも行動が正しいと思う」のも、結局は同じ問題を抱えてるのかもねって話。

「何より、まず行動」とか「考える前に動け」的な考え方ってあるじゃないですか。

ビジネスに関する記事やブログなどで、こんな風な考え方が賛美されているのを見かけます。
どう控えめに言っても「考える前に動いたら失敗しやすい」のは当たり前なのですが、そこをスッ飛ばして「まずは動く」ことが正しいとされるのは不思議なものですね。

ちゃんと考え抜いて、磨きに磨いたものこそ、強固なビジネスモデルや戦略・戦術となるわけです。

とはいえ「こんな会議やってるヒマあったら、とっとと行動しちゃった方がいいよ」ってシチュエーションも沢山あるので、言いたいことは何となくわかります(笑)

また、リーンスタートアップで言うMVPから始めて、学びを増やしていくために実行から入る場合もあるでしょう(勢いで始めるのではなく設計されたスモールスタートなので、ちょっと違うのですけど)

裏付けもなく、勢いだけで「やってみてみないと分からない」とか「まず行動だ」という言葉が出てくるのは、戦略を練りきる思考力や、結果に至る過程についての考えが足りない事を正当化したいからではないでしょうか。

これはいけません。

まあ、それとは逆に、些事であるのに決定までに時間をかけたり、固定観念に囚われて実行可能なことをできないと思いこんだり、スモールスタートを切って検証や経験値を積み重ねるべき状況なのに実行しないことも、これもまた、よろしくないと思います。

「まず行動(という考えを信望する)」と「否定ばかりで実行しない」は、どちらも同じ問題を抱えていて、その物事への注意深さや、考え抜くことが足りていない状況なのに、そこを勢いで無視するための言い訳に使われていることが多いのではないでしょうか。

冷静さや注意深さがあれば「考え抜いてから行動した方が成功率が高い」や「今、行動しないのは損」と理解できるわけですし。

「否定ばかりしている評論家はいらない」的な話しも、よく耳にする話ですが、戦術としての練り込みが甘いが故の否定なのか、行動しないことを目的にして後付け理論での否定なのか、冷静さを持って判断しないといけないので、どちらとも言えない話だと思うわけであります。

と、いうわけで「まず行動」や「とっとと実行」という考えに囚われている時(また、逆に否定的になっている時も)こそ、自分が冷静さや注意深さを欠いていないか、よくよく見つめ直す必要があるのでしょうね。

また、素早く考えをまとめて行動しないとダメ、といった考えを持っている人も多いのですが、素早く考えをまとめないといけない時点で、かなり不利なんですよね。だから「もっともっと早い段階で考え始める」ことは「素早い行動」よりも重要度が高いんじゃないかなあと思う今日このごろです。