自分は何者か。あるいは2021年の終わりに10年を振り返って。

世界がコロナ禍になってからというもの、あまり新しい人との出会いがないのでMeetyという面談サービスで誰かの話し相手になるということをはじめた
(僕のこと知らない人でも誰でもOKです、どうぞお気軽に)

そこでよく出るのは「フジイさんって何者なんですか」という質問。

というか、よくよく考えると一緒に働いている人からすらも「フジイさん何してる人なの」と聞かれたことが今年になってから何回もある。何回もだ。

 

自分が何者かなんて僕が一番知りたいよ

 

いや、しかし確かにブログやTwitter、SNSの投稿を見ているだけだと僕が何をやっている人なのか、まったく分からないかもしれない。インターネットサービスやテクノロジー、マーケティングやら組織論、プロダクト開発とかロジスティクスの話ばかりしているぐるぐる模様。

かなり前から、Twitterのbioやセミナー登壇の自己紹介で「いんたーねっつになりたい」と書くようになってからは「フジイさんのこと聞かれたらインターネットになりたい人ですって説明してます!!!」って言われるようになった。それで相手の人は納得なんですか。それでいいんですか説明。
まあ、第三者に説明しようとするとそうとしか説明できないもんな……なんかお手数おかけしてるみたいですみませんね……

そもそも、自分が何者かなんて僕が一番知りたいことなんだろうけれど、相手は哲学的な回答じゃなくてマーケターだとか占い師だとかエンジニアだとかWEBディレクターだとか、そういう一般的なカテゴリーとして何に当てはまるのかを聞いているのでしょう。

まあ僕の場合は色々とかじってる人なので何のカテゴリーに当てはまるのか分からない。色々なことに詳しいといえばそうかもしれないし、何ひとつプロレベルではない素人といえばそうかもしれない。

 

起業して10年も経っていた。

今日もインターネットは「あと数時間で2021年が終わる」だなどというフェイクニュースが流れており、とても信じたくはないのだけれど、Twitterのタイムラインを眺めていたらもしかしたら本当に2021年が終わるのかもしれないという気がしてきたので、今日は年の瀬らしく振り返りをしてみたい。

よくよく考えると、今年は独立して10年だ。10年前に長く務めた会社を辞めて独立をしたのだけど、このときの退職エントリは10年経っても気に入っている。それとは関係ないがフジイユウジ::ドットネットというこのブログは今月で14周年である。

このブログの読者を長くやっている人はコイツまた同じ話をしているなと思うかもしれないが、そうこうしてる間に服を作ってD2Cの走り的なことをしたり、色々とサービスを作ったり止めたり、その間になんかテレビや新聞に出たり、作ったサービスとチームごと売却してそこの執行役員を少しだけやってみたり、関わったプロダクトが何か凄い賞をもらったり、組織づくりとか目標管理を色々したり、でも自分のサービスをまたやりたかったので辞めてAIを作ってみたり、それで3億くらい調達したかったけど1億弱くらいしか集まらなそうで止めたりして、それから色々な事業に関わったら面白いのかなと思って色々なスタートアップや事業会社の新規事業開発とかに関わったりしてメディアやSNSやAIやSaaSや開発の会社に関わっている。いまリリース準備中のサービスもいくつかある。

まあ、つまり色々あったのであるけれど、こう書いてみてると、ますます自分が何の人だか分からなくなりますね。

 

知識や経験の切り売りを止めて、行動と学びの中で生きていきたい。

とはいえ、2020年の終わりくらいから今年にかけて、もっと面白いサービスや事業にだけ関わるようにしないと自分を活かせないかもしれないなと思い、自分が仕事で関わる範囲をできるだけ変えてみた。

 

2021年になってから「フジイさん、いま何してるの?ウチの事業みてよ!」って声をかけてくれるスタートアップもいたので一緒に仕事をしてみたり、自分が見て上手くいくかどうかも判断できないような変な事業をやっている会社に話を聞きにいってみて少し関わってみたり。

まあ、そんな風に関わる範囲を変えながらも一緒に仕事した人たちのおかげで楽しく働けた1年でした。

 

とはいえ2019年以降、物凄く新しい経験を積んでいるわけでもなく、それまでに経験してきたことのパターン認識だけでできるような仕事をしてきてしまったなあというのが、ここ数年を振り返っての大きな反省ではある。

僕のような人間にとっては新しいインプットがないまま知識や経験の切り売りのようなアウトプットだけしている状態であって、飯が食えていようと、身の回りの人から褒めてもらえようと、良くない状態だなあと思っています。

実務屋としてでもマネジメントとしてでも経営者としてでも良いけれど、もっと行動と学びの中で生きていきたいのですよね。

こう振り返ってみると、ここまでの数年はぬるま湯に浸かりすぎたなあという気持ちと、ぬるま湯で少し休む余裕を作れたのは良かったなあという気持ちが半々です。

 

ここまで書いても自分は何者かまったく説明できた気がしないけれど、僕や僕のやっていることに期待してくれている人たちと一緒にこれからも社会に優しくて強いサービスや事業を生み出していきたいと思います、


いますでに仕事で関わっている方、2022年はじめましてのご挨拶をする方、色々な方とご一緒できればと思っていますので、気軽に声をかけていただけると嬉しいです。

 

来年のいつか、自分自身に驚くように。

何度かこのブログでも書いてるのですけど、作家ニール・ゲイマンが2009年にした年末の挨拶が好きなんで、今年もそれで締めたいと思います。

みなさんの新年が、魔法と夢と、善良なる狂気に満たされますように。

すばらしい本を読み、すばらしいと思う人にキスをして、それから芸術も忘れないでほしい。執筆したり、描いたり、作ったり、歌ったり、または、あなただけにできる生き方をしてください。

そして来年のいつか、あなたが自分自身に驚かれることを期待します。

…あなたにとってすばらしい年になりますように。

過激で突飛な夢を見る年であり、これまではあり得なかった何かを実現させる年であり、あなたが愛され慕われる年であり、その見返りとして、人々に誰かを愛し慕うように促す年であり、そしてないより大切なことは(今の世界には、優しさと知恵が欠如していると感じられるので)、ここぞというときには賢く、そして常に優しくいられる年でありますように。

 

来年のいつか、自分が自分自身に驚くような良い年にしていきましょうね。

ではでは、2022年にお会いしましょう。良いお年を。