新規事業アイディアに価値はない的な話とか、あるいはPMFの前に自分たちがやるべき事業か考えるべきとか、そういう話。

最近、色々なとこで新規事業に関わっているフジイです。
こんにちはこんにちは。

いや、やるべき事業が明確のときはひとつの事業に集中すべきなんですけどね。
いまは発散の時期かなーなんて勝手に思っていまして、色々なところで色々なことをやってみたりしています。

で。
先日、「フジイさんはアイディアどうやって出してるんですか」みたいなことを訊かれてですね「思いつくアイディアだけならそんな価値ないですよね」と答える、よくあるやりとりをしたんですね。

(ちなみに、これがよくあるやりとりではない方は本稿の想定読者ではないかもしれませんw)

その時の相手の人は「またまたまたー、アイディア出せるタイプの人ってすぐそういうこと言いますよねwww」なんて風に笑いながら返してくれたんですけど、今日はこの「事業アイディア」について自分の考えを整理するためにブログを書きたいと思います。

念のために言っておきますが「俺は当たる事業アイディアの出し方を知ってるぜ」っていう話ではありませんので悪しからず(最後まで読んでくれればご理解いただけるかと)。

「アイディアだけなら無価値」なんだっけ

さて。

とても当たり前のことなのですが、事業アイディアと呼ばれているものは「貯めた知識や経験から出てくる閃き」だったり「その知見から得られた閃きを更にヒアリングや調査で磨いたもの」だったりするわけで、インプットや思考の練り込みが少ない人が突然パッと思いつくようなものって[にゃーん]じゃないですか(社会性フィルタにより一部書き換えられました)。

アイディアの出し方を質問してる人は、「なんで閃くのか」という意味ではなく「当たる仮説ってどうやって出してるですか」って訊いてるわけですよね。

それに対して答える方としては「知識や経験をインプットしてはじめて閃くから、突然パッと思いつくようなものに価値はないし、知識や経験のインプットから出てきた閃きですらまだ仮説だから価値はなくて、仮説検証やリーン開発的な磨きこみがあって段々と当たるのでは?という仮説の強度がましていく」という意味で「アイディア自体は無価値」と返してるわけですね。

知識や経験のインプットから出てきた閃きの中から、仮説検証やリーン開発的な磨きこみがあって段々と当たるのでは?という仮説の強度を増していく、のがアイディアの出し方と言えるわけですから雑に答えずに次からそう答えようと思うフジイです。

自分たちがやるべき事業か

「これは事業のアイディアが出た時点で考えなかったから辛い思いしてるんだろうな。計画時点で気がついていれば…」

という"苦しみパターン"をよく見かけますし、僕自身も何度かやってしまっています。
具体的には「新規事業をやらなくてはならない」みたいなときとか「起業することだけ決めている」みたいなときに「ニーズの有無だけを理由に事業化」するようなときです。

ニーズあれば問題ないやろ、とか思うかもしれません。

確かに市場・社会にニーズはあるかもしれないけど、そのニーズをもったお客様・ユーザーが自分たちのサービスを使う理由や、自分たちのサービスが提供できる価値はなんなのか。

それさえあるなら「自分たちがやるべき事業」であり、タテマエじゃないビジョンやミッションが生まれてくる基礎になると思います。

基礎さえ固まれば、他人から「それ需要ないんじゃない」とか「競合どうすんの」とか言われても、「自分たちがやるべき事業である理由」に答えが出せているわけですし、ブレることもないはずです。

- お客様・ユーザーがわざわざこのサービスを使う理由
- 自分たちが目指すべきもの

が、明確化されるのでチームメンバーにとっても事業オーナーにとっても(大抵の場合はお客様・ユーザーにとっても)良いことづくめですよ。
グロースフェーズで何を伸ばせば良いのかわかりやすいし、タテマエじゃないビジョンがあるから苦しいときにチームメンバーが踏ん張る柱にもなるし、資金調達するような資本政策なのであれば他者にどんな価値がある事業かを説明もできるし。

実際に作るプロダクトも「この価値を提供する」という軸で作られれば、何を検証すれば良いのか、何をグロースさせれば良いのかも明確なのですよね。

『「ニーズありそうなあたりでプロダクトマーケットフィットするかみよう」という事業を沢山つくる』という提供価値を実証する方法論もあろうかとは思うのですが、先に提供価値を思想として持ってから進めなかったからキツくなっていくという例を何度か見ているので僕的にはこの順番で進めた方が良いと思っています

あ、ちなみに極端な新規性とか市場に大きなインパクトがある必要はなくて(あった方が面白いけど)、自分たちのサービスがお客様・ユーザーに提供する価値の高ささえあれば良いと思います。
それこそ競合とか見なくてよくなる(ことも多い)。

まあ、何の価値を提供するかがないままに「まあ市場あるやろ。自分たちが提供する価値は特にないけど始めてみよ」で始めてグロースまでやりきっちゃう起業家もいなくはないんだけど、ただでさえ不確実な新規事業を始めるわけですから少しでも前に進むための要素は積み上げていった方がいいと思うんですよね。

「ピンとこない」を「ピンときた」に変える

で。

実際のところ「アイディアどうやって出してるんですか」って人も事業のアイディアが出てきていないわけではなく、実際にやるべきかを判定をする段階になると「どれもピンとこない」んじゃないでしょうか。

スタートアップ支援をやっている友人も(このエントリに書いたような話をしたときに)「アイディアや仮説がいまいちピンとこない状態のときってその起業家(とチーム)がやるべき事業である理由を深掘りして行けば答え出るよね」と言っていて、過去に支援したスタートアップに当てはめても「それチャレンジする価値あるね。ピンとくる」となるときは「やるべき事業である理由」があったと言っておりましたです。

そゆわけで「ピンとこない」を「ピンときた」に変える工程を挟むと良いのかなと思います。

自分の思考をまとめるために書いたけど

ブログとして書いてみると割と当たり前のしか書いてない気がしてきましたが、不確実な新規事業を始めるときこそ少しでも前に進むための要素を積み上げていった方がいいと思うんです、繰り返しになっちゃうけど。

「とりあえずここらへんはニーズあるんじゃないですか」でピンとこないものの中から検証する方法論もあるにはあるのですが、先に書いたように「提供できる価値を明文化できる『自分たちがやるべき事業』かを確認してから検証」のが僕は良いと思っています。

プロダクトマーケットフィットの検証で確認できるのは「そのプロダクトが提供する価値が市場にフィットするかの検証」なので後からの修正が困難だからです。

そんなわけで、最近のフジイは色々やってます。
詳しい近況を知りたい方はお茶かご飯でもお誘いいただければホイホイ出ていきますのでよろしくお願い致します(突然のお誘い)

ここ最近のロジ事情をなんとなく書く

こんばんはこんばんは。

いきなりマニアックな話題を振りまきますが、ECとかロジとかの話が大好きなフジイです。
今日はそこらへんの四方山話をしますので、ここらへんの話が好きな人以外にはまったく意味のない内容ですがご容赦を。

それにしても、ここ一年で大手の倉庫とかEC事業者はヤマトから契約を切られまくってますね。
大手から順に切られている感じすらする。安い単価で出荷量のあるところから切っていく感じ。
小口のところも値上げしてるし、荷量抑制を徹底してる。その割にドライバーさんが楽になっていそうな感じはしないのだけれどね。

佐川も佐川で、以前は新規契約のときは各ドライバーの裁量で見積りしてたのが、よっぽどの大手じゃなきゃ新規契約は定価、みたいな流れ。
10年前なら60サイズ300円契約とかあったけど、よほどの大手でもなければ新規はまったくお話にならない感じで定価契約。

そういう昔の価格のアカウントをもってる中小企業を買収するところがある…なんていう動きも聞くくらいです(まあ、出荷数によっては買収してもペイするもんねえ)。

集荷もどんどん早まっていて 出荷倉庫の場所によっては14:30が当日出荷のラインなんてところもあるらしく、そんなだとEC事業者からの荷物預かれないよね…。運送業者だけじゃなくロジ業者さんも大変だなあ…

運送業者は今までが安くて過剰サービスだったという見方もあるにはあるだろうけど、通販とかで料金請求されたら、みんな買わなくなるよねえ。東京から大阪間で60サイズの荷物を出すのに864円、みかん箱くらいの100サイズで1,469円とかかけて服や生活用品を買ったりしなくなるでしょう。物流インフラを効率化して低価格でも成り立つようにしていかないと厳しい感(そんなことできるのか分からないけどね)

あと、エコ配すごいよね。
前は配達エリアも狭くて質もイマイチだったけど、今やちゃんとしてる。
最終配送はJP(郵便網)を使ってるから、地方でもちゃんと届くし質も良い。

直接JPと契約するより圧倒的に安いし(集荷はエコ配がやるから、そこの使い勝手に問題はあるけど)。

エコ配は健闘してるけど、他にも配送スタートアップとかあっても良さそうだよね。
佐川やヤマトがある以上は難しいとは思うけど(お前がやれ、とは言わないでほしいw)。

EC事業者とかロジ関連の人とだらだらこういう話するイベントしたら楽しそうだよね。

ECに限っていっても、商品管理~ECサイト~ECシステム~WMS~出荷倉庫~配送事業者みたいにチェーンが長いカテゴリだから詳しい人たちで話したら面白いと思うな。
(いや、マニアニック過ぎて聞きたい人いなそうだけどw)

「価値を感じている」なら価格を下げて購入に至る可能性あるけど、そもそも「それに価値を感じていない人」に対して価格を下げても難しいよねえ、というお話。

「あなたの前世を視ます」という看板を街で見かけた。

前世を知るということが実際に可能なのか、そもそも前世というものが本当にあるのか、仮にあるとしてそれ知ったら何があるんだろう…なんてつまらないことが頭をよぎる。

僕はスピリチュアルなことはやや否定気味なスタンスなので、こういうことにあまり興味を持てない。

「こういうのが好きな人がいるんだろうな」と「"見る"じゃなくて"視る"なんだなー」と思う以上の感想は出てこなかったのだけれど、前世を視てもらう費用は2万1千円と書かれていたことが気になった。
税込みか税別かは書かれていなかったのだけれど、恐らく税込みかと思う。

2万1千円。
この値付けはどうやって決めたんだろうか。スピリチュアルなことにはあまり興味を持てないのだけれど、どういう理由でこの値付けがされたのか考えることは大好物だったりするのだよね。

恐らく僕と同じようにスピリチュアルなことにあまり興味を持てない人間にとって、2万1千円は高いと感じる人はそれなりの数になるんじゃないかな、と思った。

前世についてみたいな特殊なものに限らず、一般的な製品やサービスにおいても企業内で値付けについての議論すると、このような話になることがある。
その製品やサービスに価値を感じていない・興味がない人が見ると、大抵が「高い」という印象になりがちだからだ。

例えば、とんでもなく美味しいコース料理が出る、雰囲気の良いお店のコースが一万円くらいだったら「雰囲気の良いお店でコースを食べること」に興味がある人は「安い、コスパが良い」と思うだろうけれど、そんなことに興味がない人にとっては一食で一万円という値付けはとんでもなく高額に感じるだろう。

念のために言っておくと、高いか安いか感じるのは自由だ。
むしろ、そのように人によって何に価値を感じるかどうかは違うのだから、自分勝手な印象を抱くことが自然であるし、それは自由であるべきだと思う。

ただ、値付けをする側はそうもいかない。
値付けをするときに陥りやすい話なのだけれど、製品に価値を感じていない人が「そんな値段で買う人はいませんよ。高すぎる。」と言ってしまうことがある。

製品の販売価格の決め方は、原価から算出する方法など決め方は色々あるのだけれど、売れそうな販売価格にする------つまり「製品に価値を感じた人が妥当と思う値段かどうか」をベースにする方法------をとる場合もある。

恐らくだけれど、冒頭の前世を視るサービスもその方向性で値付けをしたんじゃないかと思う。
その場合はこのサービスに価値を感じた人が、いくらを妥当と思うかどうかが大切なので、コース料理の例を出すまでもなく「それに価値を感じていない人の感覚」はノイズにしかならない。

もちろんこれは僕の想像でしかないし、前世を知るのに2万1千円の価値を見出す人がどのくらいいるのかは分からないので悪しからず。

製品に価値を感じていない人が「そんな値段で買う人はいませんよ。高すぎる。」と会議で言い出す、みたいなことは僕も仕事人生で何度も似た状況に出くわしているし、最近も同じようなことがあった。

うっかり、それを言った人が偉いポジションだったりして、他の誰かが会議で「では、いくらなら妥当なのですか。」なんて質問をしてしまったら目も当てられないことが起きる。
価値を感じている人ならば2万1千円払うものに「1,000円以下にしないと誰も使わない」という「それに価値を感じていない人の感覚」を持ち込むからだ。

価格受容性調査みたいな方法論もあるかとは思うけれど「それに価値を感じていない人」の意見が可視化された調査結果を見て、分析する側がそれがノイズであるという前提に立って見ていないと適切に扱うことができないから意外と難しい。

当然、その製品やサービスの販売戦略として「低価格にすることによって従来はそれに価値を感じていない層にまでリーチする」みたいなものであるならば、そういう価格をつけることはあり得るところだけれど、「それに価値を感じていない人」が2万1千円から1,000円になったら価値を感じるようになる、という態度の変容が起こるかどうかはよく考えないといけない。

というのも「2万1千円は高いですよ。1,000円くらいなら買いますけど」と言っていたとしても、1,000円になったときに「本当にお金を払う」かというと、実際にはお金を払ってその製品やサービスを利用することは少ない。

これビックリするくらい少ないんですよね。
「これ○○円くらいなら使いますよ」って人が実際にその価格になったから使うということは本当に少ない。何かを買ってもらうって大変だな……。

「価値は感じているけれど、その金額は出せない」という人は製品やサービス自体に価値は感じているのだから販売価格を下げれば購入に至る可能性が高いのだけれど、そもそも「それに価値を感じていない人」は価格を下げても態度変容が起きにくいということかと思います(絶対に起きないとは言わないけど、そう簡単には態度変容はしない)

僕みたいにスピリチュアルなことに興味を持てない人は、他の要因があるならともかく低価格になるだけでは時間や利用の手間をかけてまで前世を視てもらうことはない。それが仮に100円でも利用はしない。

他の要因、というのは例えば友人や身の回りの人が興味を示していて、ちょっと試して友人との共通の話題にしたい時とか、そういうことだ。「ずっとこのお店で買い物してみたいと思ってました」とか、そういうこと。
都心のIT系なら「UberEATSを体験しておこう」と思う人が一定数いるとかも「他の要因」の分かりやすい一例かと思う。

そういった「他の要因」を作ることもなく、「それに価値を感じていない人」の感覚での値付けを求められるみたいなことがあると販売価格がどんどん引き下げられたりするよねーと思いながら看板を眺めたのでした。

ちなみにオチは特にない。コーヒー飲んだし、仕事いってきます。今日もがんばるぞい。

最高の上司だと思っていた師匠のマネジメントでもアレなこともあった話

お久しぶりの更新。 今月は週イチでブログ書こうと思っているフジイです。

今日はマネジメント的な何かについて書きます。

このブログを読んでる方はご存じかもしれませんが、僕は自分の会社バンダースナッチの代表をやりつつ、株式会社CAMPFIREでもアパレル製造サービスSTARtedの運営や製品企画部門をしてますです。

んで、渋谷の方の弊社(CAMPFIRE)でマネージャー合宿をやろうということになりまして、先週末に高速バスに十数名で乗って軽井沢合宿に行って参りました。

(あ、全員で移動して何かあったらシン・ゴジラの内閣のアレみたいにアレっちゃうんじゃね…と思ったけど何事もなく全員で渋谷に戻ってこれましたよ)

テーマとしては組織とかチームマネジメントみたいなところで、普段は忙しくしている同僚たちと厚めに話せて僕個人としては非常に良い時間だったなと思っています。 数字計画とか行動計画とかもいいけど、やっぱり基盤はすべて人であり組織ですからね。

で、その中で(自分でもそんな話しするつもりじゃなかったんですが)、同僚数名に僕が20代の若かりし頃に商売の基礎を教えてくれて今でも頭の上がらない師匠の話を少しすることがありまして、今日のブログにはそのことを書こうかなと。

(前置き長くなっちゃった)

僕の師匠のはなし

僕の師匠はプレイヤー・実務者としては凡庸というか、むしろ微妙という感じの人でして、もしかしたら僕と会う前はイケてた時代もあるのかもしれないけど、少なくとも僕が知っている師匠はプレイヤーとしてはイケてない人でした(こんなこと書くと怒られるかなw)

ただ、実績もなく生意気でアホな若造だった僕にどんどん大きな仕事や部下を与えてくれて、結果を出せば褒めてくれ、結果が出ないときは一緒に悩んでくれて、敵がいれば一緒に覇気を上げてくれるという僕にとって最高の上司だったんですよ。
プレイヤーとしてはアレでもマネージャーとしては素晴らしい人だったといわけです。

ぶっちゃけ、一緒に悩んでくれても大したアドバイスはくれないし、自分で答え出さないといけないんだけど、ともかく「お前の判断がそうならそうなんだろう」と自信と機会を与えてくれる人だったんですよね。いま思い出しても感謝しかない。 この人が上司じゃなかったら今の僕は絶対に存在していない。感謝してます。

おっと、そんな師匠への敬愛を書きたいんじゃないんだった今日は。

でもですね。(ここから少しアレなことも書いちゃいます、すんません師匠…)

ある日、別部門を任せされていた同僚から「目標だけぶん投げてきて、何も指示もアドバイスもくれなくて、相談しても頑張れ的なことしか言われなくてキツいわ…」と相談されたんですよ。結構、深刻な感じに。

この同僚の上司もまた僕の師匠だったわけです。僕らは管理職で師匠は役員だったんだけど。

僕、そのときまだ経験が浅かったから凄くビックリしたんですよね。

かなりの裁量をくれる最高の上司!マジ神!と思ってた師匠のマネジメントで苦労していて大きなストレスであるというその同僚の愚痴というか悩み方にビックリした。

部下と機会と目標だけ与えてもらってプロセスは任せてもらってることに喜びしかなかった僕にとって大ショックだったんだけど、その同僚は仕事ができる人ではあったものの与えられたプロセスを着実にこなしていく仕事スタイルの人だったから、彼にとってはストレスでしかないと。

当たり前だけど、みんなに有効なマネジメント方法なんてない

あ、その愚痴を言っていた同僚が仕事ができないってわけではないんです。 方向性とか努力する方法論とかを示されれば僕より的確に素晴らしい仕事する人でしたし。

ま、よくよく考えたら当たり前なんだけど、僕にとっての働きやすくてパフォーマンスの出しやすい環境と、その同僚にとっての働きやすくてパフォーマンスの出しやすい環境が違うのって当たり前なんですよね。

冒頭に書いた合宿の話に戻りますけども、そこでもチームメンバーのモチベーションを上げようとして「少し上がったり、大幅に上がったりするかと思ったら、結果的には上がった人と下がった人がいた」とかって話が出たんですよ。

その話を聞いて師匠の愚痴を言っていた同僚のことを思い出したわけです。

マネジメント手法とか組織のためのフレームワークとかって、全員に画一的に効くわけじゃないよなあと。 ぶかもじょうしもにんげんだもの。

まあ、そう言っても組織力で個人プレイよりもパフォーマンスが上がる環境を用意したいと思うのはマネジメントする人なら誰もが考えるところだとは思います(あえてマネジメントしないスタイルの組織もあるけど、まあそれはまた例外的だと思うのでここでは置いておきます)。

結局のところ、チームや組織に対してはその組織の文化にそったチームマネジメントや組織のためのフレームワークを取り入れつつ、人間個人には個々に向き合っていくしかないよねえという身も蓋もない話になったんですけども。

チームに対しては広範囲に良いと思われる施策を実施して、個々人とは個で1on1コミュニケーションとる。 すげー当たり前の結論だけど、これ実施するの本当に気力のいることよねえ。

部下も10人くらいになってくると1on1だけでめちゃ時間かかるし(という言い訳をしないでやれという話でしかないが)

うん、なんか特に面白みのない話になってしまったけれど、マネジメントする人は勇気をもって踏みとどまって頑張らないといけない局面が多いよねという話でした。

今日もまたオチはない。 あ。直接はこのエントリに関係ないのだけれど、以前に師匠について書いた「こんなんじゃ商売の神様が逃げちまうよ」もよかったらお読みくださいませませ。

ではまた来週。

僕たちがサービスを事業譲渡してCAMPFIREにジョインするまでの軌跡とこれから。

先日、リリースが出て少しネットで話題にしていただきましたが、僕の会社で開発・運営してきたSTARtedというWebサービスクラウドファンディングプラットフォームのCAMPFIREへ事業譲渡することになりました。

[blogcard url=”https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000019299.html”][/blogcard]

事業譲渡といっても、今回のはいわゆるイグジットとかバイアウトという言葉からイメージされるような売却ではなく、あくまでもCAMPFIREと「一緒にやる」ために僕らSTARtedの運営チームごと合流、という形になります。「ジョインする」っていう方が適切ですね。

STARtedを運営開発しているチームメンバーはCAMPFIREの社員になり、僕は2017年からは株式会社CAMPFIREの執行役員を兼任します。

今回は会社ごとではなく事業のみ譲渡ということにしましたので、株式会社バンダースナッチは既存のEC事業と新規事業をやるために存続。
僕や創業メンバーは2社を掛け持ちです。数名いる社員はちゃんと話し合って全員CAMPFIREに移籍してくれることになりました。

いまいるメンバーはみんなSTARtedというサービスの方向性に共鳴して働きたいと言ってくれた人たちなので、これからも一緒に働けるということで嬉しい限り。

こういうブログを書くならリリース出てすぐ出した方が盛り上がるんでしょうけど、ご報告を書ねば……と思っているうちにか年末になってしまいましたね。

年末のこんな時間のブログ公開で、しかも書きなぐりの読みづらくて長い文章になってしまっていますが、年末年始のどこかお時間のある時にでも僕と仲間がやってきたこととこれからについてを読んでいただけましたら幸いです。

※書くだけで疲れちゃったので後日に読みやすくなるように校正したり修正いれるかもです

STARtedをつくるまで

STARtedは約3年前、2013年の暮れに社内の定例ミーティングで構想を話して開発がスタートしました。

その時は会社を作って2年ちょっとしたくらい。

「今は不安定だけど新しいことできる余裕が少しでてきた。今のうちに将来に向けて新しいサービスを作ろう。今の会社はイカダみたいな状態。海には出られるようになったけど大波がきたら木っ端微塵になって死ぬ。海に出られるだけで満足せず、いずれくる大きな波に耐えられる船を作りはじめよう。」ということをミーティングの場で話した気がします。

STARtedは「イラストが服になる」ですとか「(誰でも)つくりたい、がつくれる」がコンセプトのサービスです。
専門知識や大きなお金のない個人でもアパレルブランドを立ち上げできるサービスとしてスタートし、今は個人向けの小規模だけではなく企業向けの大規模な製造まで、あらゆるロットのあらゆるジャンルで服やバッグ・縫製品を作ることができるインターネット上の工場に成長しました。

更にその2年くらい前、つまり今から約4年くらい前に子供服ブランドをアパレルのことも分からずに力技で立ち上げたんですが、その経緯をブログに書いてからというもの、見ず知らずの方から「わたしもブランド立ち上げしてみたいんです。どうしたらできますか。」というご連絡をいただくようになりました。

これが誰でもつくりたいものをつくれるWebサービスであるSTARtedの源流です。

その当時は「お金たくさん必要ですよ」とか「僕らは仕事だから、専門知識を勉強しながら何とかやりきりましたけど、ちょっとやってみたいレベルならそこまでやれませんよね?」なんていう風に止めた方がいいですよ的な返答をしていました。でも、ご相談に来られた方ひとりひとりが個性的なアイディアを持っていたので(売れるかどうかは別として)そういった人たちが活躍できないのって良くないしインターネット的じゃないなと2年近く頭のどこかにひっかかってもいました。

事業資金といえるレベルのお金、専門知識、それから生産背景とのコネクション。
それらを全て、もしくは少なくともそのうち2つくらいはないと不可能というのが当時の常識でしたが、ある日STARtedの生産の仕組みを考えついて、協力してくれる工場やプロの方を探してみたら何とか段取りをつけることができたのがSTARted誕生の瞬間です。
(詳しい仕組みに興味のある方はSTARtedのサイトにもこのブログにも何度か書いているのでそちらを探してみてください)

ローンチ前にワールドビジネスサテライトに出た

今後も笑い話としてネタになりそうなのですが、当時の僕らは積極的な告知はまったくせず、どのくらい社会に必要とされているのかをテストすべくメールアドレスが登録できるだけのティザーサイトを1ページだけ作って放ったらかしにしていました。

そんな状態なのに、2014年4月にテレビ東京から電話が。

「このサービスをワールドビジネスサテライトのとれたまで紹介させていただきたいのですが」

まだローンチすらしていないのに初戦がボス戦みたいな電話がかかってきたわけです。開発を進めたりベータテストをしたりはしていたものの、こちらとしてはティザーサイトの登録が多かったらちゃんとやろ…といったユルい感じでサービス開発していたので青天の霹靂です。

そして、あれよあれよとその電話がかかってきて数日後4月18日にロケがあって、そのまま当日にオンエア。

トレたまキャスターの相内優香さんが書いた絵を具現化するという流れだったのですが、できた服を気に入って「今日、これ着てスタジオ出る!」と大興奮で言ってくださったのが嬉しかったですね(その後暫くは人に会うたびに相内さんかわいかった?しか訊かれなくなりましたwww)。

番組で紹介された反響も大きく、他のメディアからの取材はもちろん、協力してくださる工場やプロの方からのお申し出も増え、ローンチしていないのにいきなり下駄を履かせてもらった感じです。

まあローンチ後というか今でもテレビや新聞などメディアからの取材をいただくことが多く、ありがたい限りです。規模の割にこんなにメディア露出が多いサービスって珍しいんじゃないでしょうか。僕らの中にはPR担当もいないし、何もしていないんですけどね…。

思い返せば、この取材がなかったら今STARtedは存続していなかったかもしれない。運が良かったとしか言いようがないし、STARtedを見つけてくれたディレクターさんには感謝しかありませんです。

インターネットらしさ

もちろんビジネス的な収益構造なども考えてはあるものの、少し上の方で書いたようにSTARtedは起業2年ちょいの僕らが「既存事業とは別の新規事業として"育つかもしれない"サービスを作ろう」という会社のフェーズに合わせた考え方から生まれてきました。

ですので、ビジネス性よりもサービスとしての面白みや伸び代の優先度を高めて設計しています(ビジネス性もないと継続できないので無視しているわけではありませんが)。

ここで突然の個人的な話ですが、僕が初めてインターネットに触れたのは1995年くらいで、自分の個人ホームページを作ったのが1998年くらい。

1999年末からは当時のクソ重いノートPCをバックパックに入れて東南アジアやインドでバックパッカーをしていたのですが、当時はブログもなかったので現地でHTML書いてリアルタイム旅行記を更新するテキストサイトを運営していました。

沢山いる「現実生まれインターネット育ち」のうちの無名のひとりでしかありませんが、日本のインターネットの成長をリアルタイムに体験してきた世代であります。

そんな僕が会社のフェーズに合わせて設計したSTARtedには―――絵や映像・音楽などの各クリエイティブ分野のプラットフォーマーが展開したWebサービスがそうであったように―――できる限り参入障壁を下げて「誰でも活躍できるインターネット的な場」をファッション・アパレルでも、という思想が根幹にあったりします。

少しわかりやすく書くと、学生と主婦とプロが並んで勝負になってしまうような、そんな世界観を実現するために参入障壁をとことん下げて、アイディアやデザインがあれば誰でもプロと同じ製品クオテリィになる製造ツールと発表の場をセットで用意したわけですね。

2014年9月にSTARtedは正式ローンチしました。

継続させていくために考えた

誰でも有名ブランドと同じように製造ができる、恐らく世界で一番お手軽なアパレルSPAが始められるサービスであるSTARtedですが、YouTubeやニコニコ、Pixivといったデジタルコンテンツのプラットフォーマーのように無料で始められます!というようなサービスではありません。

従来と比較して桁違いに参入ハードルが下がったとはいえ、お金がかかりますのでプラットフォーマー的に数万~数十万というようにユーザーを増やせるような構造にはならないわけですね。

ユーザーが支払う金額をできる限り小さくしている上に、ユーザー数の伸びるスピードが遅いわけですから、このままだとサービスの継続性的にはなかなか厳しいものがあります。

そこで僕らは、サービスを始めて1年経過した2015年9月にリニューアルをすることにしました。

協力してくださる工場も増えに増えて、本当に「つくりたいが、つくれる」強力な製造背景を手に入れていたので、それまでの個人のブランド立ち上げだけに限定していたサービスに追加して、事業会社やECショップ、小規模ブランド向けにインターネットの工場として使っていただけるメニューを開放したのです。

BtoCtoCだけだったメニューにBtoBtoBを加えて、自由に使えるようにしたわけです。これは非常に効果的で、使っていただける機会が増えただけではなく、全体の製造量が増えたので従来のC向けブランド立ち上げのメニューの製造量やクオリティも上がるという効果までありました(アパレル商品開発、企業の制服、ノベルティ、コンパニオンの衣装などなど。ご利用をお待ちしております…!)。

また、B向けの場合は売上が立ちやすいので、その売上と利益を使ってC向けブランド立ち上げのメニューに投資を増やすことができたのも良かった点です。

踊り場(というのか分からないけど)をどう抜けるか

しかし、このSTARtedという事業を始めて2年を経過した今年の秋ごろから僕は焦っていました。

ビジネスは後回し。まずは良いサービスを先に作るという考え方で2年もの時間を使ってしまいましたが、これまで得てきた経験からSTARtedの今後を考えると「投資を止めて自分たちの身の丈にあった小さなビジネスに落とし込む」か「資金調達をする」かを迫られていたからです。

2年もサービスに投資を続けてきましたが「投資を止めて自分たちの身の丈にあった小さなビジネスに落とし込む」を選択すれば、「この規模のサービス」と割り切ってバランスをとり、自分たちの身の丈にあった小さなビジネスとして続けていくことになります。規模はあまり大きくありませんが、他に類を見ないユニークなサービスとして生き残っていくことはできるという選択肢です。

また「資金調達をする」という選択肢ですが、これも2年の間に何度もチャレンジはしてみていました。

メディアで紹介されたりイベントに出たりするたびにベンチャーキャピタルの方からお声はかかるので何度もご相談したり、実際にデューデリを進めたりもしていましたが、「面白いけどビジネス的に先の読めないC向けブランド立ち上げサービス」としては僕らが必要としている金額での資金調達は厳しい。そりゃそうだよな、という納得でもあるのですが。

1年前に追加したBtoBtoBのメニューはそれなりに調子が良く、アウトバウンド営業もしないで売上が立っていて伸び代もあります。
「アパレルでも個人が活躍する」というサービス思想を捨てて、toBの製造サービスにピボットしてしまえばエクイティでの調達可能性は高まりますし、調達できなくてもデットでビジネスを回せる良い事業になりそうではあります。

(あ。ピボットとかエクイティとかデットとか分からない人は読み飛ばしても問題ありません。なんでこんなルー語みたいになっちゃうんだろうねw)

小さくまとめてしまうのも、toBの製造サービスにピボットしてしまうのも、正直なところ面白みはないけど、どっちも悪くはない。

しかしそのうち創業メンバーと「これだ!これしかない!」という決断ができないなら、だらだらやらずにサービスをクローズした方が良いのではないかという話すらするようになっていました。

新たな方向性を見出す

折角ここまで育てた世界でも他に類をみないサービスをクローズするのもなあ…、しかしピボットや縮小均衡を選んで良いものかも決断がつかない。

そんなタイミングで、たまたまCAMPFIREの担当者の方がクラウドファンディングのプロジェクトのためにSTARtedを使って製品の製造をしてくれていた。
STARtedは割とゲームやITサービスなどの有名企業からのオーダーも多いのです。

そのプロジェクトに協力する中で、CAMPFIRE取締役の高村さんや担当者の方と何度か打ち合わせをさせていただいたのですけれど、「あ、この人たちとは一緒に働ける感じだわ」と思ったんですね。非常に感覚的な話ですが仕事の仕方とか目指してる方向とかにフィット感があったというか。

そう考えてみると感覚的な部分だけではなく、事業シナジーやサービスの方向性といったところもフィットしていることに気が付きました。

ご存知の方が多いでしょうがCAMPFIREはインターネットを通じてクリエイターや何かをしたい人・組織が不特定多数の人から資金を募るサービスです。
様々なアイディアや企画を実現するために資金と支援者を集めるCAMPFIRE。
対してSTARtedは、こんなものを作りたいという気持ちを現実の製品にするサービスです。

やりたいことを実現させるサービス同士ですから、方向性的にも完全にマッチしています。むしろ、ちょっとシナジーあるどころの話ではありません。クラウドファンディングを使って今までよりも更に金銭的な参入障壁を下げて、STARtedが機能したらすごいことになるのでは…

そこで、思い切って僕らのサービスの状況をお話した上で「CAMPFIREに僕らのサービスごとジョインとか検討できるものですか?」と正直にお話をしてみたんですね。

CAMPFIREに合流できるのであれば、ピボットするのではなく方向性はそのままに成長スピードを上げて、しかも今よりもより良いサービスにしていくことが可能になるだろうと考えたからです。CAMPFIREにとっても僕らの持っている製造力があれば強力な武器になるのではないかと。

CAMPFIREの担当者がSTARtedにオーダーをしていなかったら、こんな話をすることもなかったでしょう。このタイミングだったのは運が味方してくれたのだなとしか言いようがありません。こう書くと、なんか運だけで乗りきってるみたいですねw
もちろん、そんな運だけでやってきたわけですし、何よりユーザー・お客様のおかげですが運もそれなりに良い方みたいですね。

CAMPFIREにジョインすることに

CAMPFIREの社長である家入さんといえば上場企業GMOペパボの創業者で、他にも沢山のサービスを立ち上げたり、有名なサービスの創業に関わっている方。

僕の半径1クリックに家入さんと一緒に働いていた人は沢山いるものの、僕自身は家入さんと直接お話をしたことはなく、この件のご相談でお会いしたのが初めてでした。

家入さんはちょっと可燃性のある感じの方(←僕なりに気を使った表現)なんですけども、僕のお友達や知人で一緒に働いたことのある方からは「家入さんは良い人だよー」と言われていたので、過去に一緒に働いていた方から悪く言われないんだから人に好かれる人なんだろうなーと思っていました。そして、実際にお会いして「あ、本当にそうだわ」と納得。

家入さんの過去の経験とか最近考えていることは「さよならインターネット」という本に書かれているんだけど(PR)、これを読んでみて家入さんの考える「インターネット的なもの」って優しさとか許容のあるものなんだろうなと感じました。

[amazonjs asin="B01KFO1FJK" locale="JP" title="さよならインターネット まもなく消えるその「輪郭」について (中公新書ラクレ)"]

これって、僕がSTARtedを考えたときと近い理念や世界観だと思ったんですね。
家入さんは有名人だし僕なんて足元にも及ばないくらいの経験をされてきた方なので対比するのもアレだけど、同時代のインターネットを経験し続けてきて近い理念や世界観を持ったサービスをやってるという共通点がある。

CAMPFIREはサービスを通じてあらゆることの参入障壁を下げて「誰しもが声をあげられる世の中をつくる」ことを目指しているわけで、まさに完全に一致。

そんな背景から、サービスとチームごとジョインする話もすぐに「これはいける」となったわけです。

いや、普通そんな簡単に「これはいける」とかならないと思うんですけども、割とアッサリと決まりました。雑に意思決定したわけではなくて、お互いの考え方なんかのマッチ度合いを話してみたら短時間で理解しあうえたからですが。

超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてないチームごとの事業譲渡が決定したわけです。この規模では最速レベルで決まったんじゃないかな…。

STARtedとCAMPFIREのこれから

これからのSTARtedとCAMPFIREが一緒になってどう進んでいくのかは改めて冒頭に貼ったリリースを読んでいただくとして、僕がサービス開始当初に妄想していた素人の中高校生が立ち上げたブランドと、ガチのアパレルデザイナーのブランド、絵師が描いたアイテムが、ダダッと並ぶような楽しいカオスを実現できる準備が整いました。

CAMPFIREのクラウドファンディングとSTARtedのクラウドファクトリーを使って、ピュアなファッション分野から、面白い企画物、生地の産地や地方の工場と提携した地方創生事業などなどを総合的に実現する化物的なサービスになるまで育ていきたいなと考えています。

ちょっとギスギスした話が多い2016年のインターネット界隈でしたが、僕はSTARtedとCAMPFIREは「インターネットっぽい面白さと優しさがあるサービス」と思っています。手前味噌ですが。

急に決まった話ですし、まだCAMPFIREの中の人として仕事が始まっているわけではないので未知なことが多いのですが、そういう面白さと優しさを最大限に拡張させられるサービスと会社になるよう、これからも僕は僕にできることを全力で頑張ります。応援してくれたり温かく見守ったりしていただけましたら幸いです。

一緒に何かしたいとか「こんなことできる?」なんてご相談はどんどんくださいね。もちろん「一緒に働きたい」も。お茶しようよ程度のお気軽感で年末年始や曜日を問わず24時間いつでもご連絡くださいませ!

あ、創業メンバーだけの会社になっちゃいますが(社員と一緒に働き続けられるとはいえ、少し寂しいですね)、株式会社バンダースナッチの方でも新しくて面白い新規事業をスタートさせますんで、そちらも温かく見守っていただけましたら幸いですー。

MTGのときペットボトルで飲み物を出して、出された方はペットボトルの残りを持ち帰るのって

今日は打ち合わせだらけの日で、横浜で打ち合わせして渋谷いったり、渋谷から横浜いったり、またまた都内にいって横浜に行ってと移動三昧だったのですが、行く先々でペットボトルの水かお茶が出てくるんで、ふと気になってこんなツイートをしました。

前々から僕は「ソシャゲ・ケータイ系の企業におけるオリジナルラベルのミネラルウォーターが出てくる率は異常」と繰り返しツイートしているのですがリプライは少ないです。でも今日はこんな内容だったからか数人の方から反応をもらえて業種や企業規模関係なくペットボトル出てくる企業増えた印象がある的なことを教えてもらった。

言われてみればそりゃそうか。

しかし、今更ですけど、ペットボトルで出すのがもっと定着したら良いとのになと思います。
荷物になるなーと思うときもあるにはあるし、ペットボトルがゴミになるという問題はあれど、残したりコーヒー一気飲みして帰る文化のが良いとも思えないし。

MTG参加者が自分で用意して配るから、お茶汲みもMTG後の片付けも人をとられることがないし。
来客が少ない会社ならそうでもないけど、それなりに来客あるならお茶汲みとか片付けの無駄がなくなりますやね

勝手な感覚だけど、打ち合わせ相手の会社の偉い人が自分でコーヒーを運んできてくださったりすると「うわああああ、わたくしめのような人間に貴方様のような高貴な方なんてことおおおおおお」って思うじゃないですか。普通思うよね?僕だけ?

かといって、社員さんのお手を煩わせるのが良いのかというとそんなことないですし。
ペットボトルなら会社の偉い人が運んできても違和感ないから印象的にも負担なくて良いなとw

来社したお客様にはちゃんとお茶を淹れてこそだとか、こだわりがあるのも悪いことではないと思うから「お茶汲み文化は氏ねええええ撲滅ッ撲滅うううう」とかマサカリを振り回すのもどうかとは思うけど、とはいえ、ほとんどの会社にはそんなこだわりないわけだからペットボトルでいいよね。(あ、でもBtoCだとお茶でのおもてなしにこだわる場合もあるにはあるな)

提供側からすると寒い時期に温かい飲み物を出したいという気持ちも働きそうだけど、12月にペットボトル出されても僕は違和感ないな。そこらへんの一般的な感覚わからんけども。

あと、僕のツイートにリプライしてくれた中に「昔の日本だと水を出すのが失礼だったのでは」というのがあって、たしかにそういうのありそう!なんて思いました。

しっかし、なんでソシャゲ・ケータイ系の企業におけるオリジナルラベルのミネラルウォーターが出てくる率はあんなに高いんでしょうね。そこらへんの業界に近くない人にはまったくわからない話になっちゃったけど、ホントにそうなんだよ。誰か事情や歴史を知っていたら教えてください。そんな人いないか。

誰かそこらへんの歴史を知っていたら教えてくださいませ。

なお、オチは特にないけど、こういうことです。

Amazon Goはロジスティクスの思想と自動運転車のテクノロジーを使っている

やや出遅れた感じがありますが AmazonGo が話題になりましたね。

レジでの精算なしで買い物ができる食料品店。
1800フィートと説明があるので167㎡。約50坪なのでコンビニサイズかな。

[arve url="https://www.youtube.com/watch?v=NrmMk1Myrxc" align="center"/]

うおおおおおクールだ…。かっこいい。
動画を見てるだけでワクワクします。

この動画を見て思ったのは、日本の小売業がレジスターレスの店舗作ってもこんなに話題にならなそうだなあってこと。見せ方が上手いというか「未来キタ」感がある。
ワクワクしてもらえるような見せ方で伝えられているのかってのは自分の仕事でも気をつけるようにしたいと思います。

なお、この動画を見た直後の僕 ↓

しかし、ほんと何度見ても「ここで買い物したい」とか「自分の家の近くにできて欲しい」って気持ちにさせられますね…。

一般的な食品はもちろん、店内で作ったパンや地元のシェフが作った調理済み食品なんかがあるみたいで、小型のオシャレ食品店といった感じになりそうです。

この「レジのない店舗」AmzonGo、棚から商品を取るだけで自動的にスマホアプリのカートにも商品が入るとのこと。なんの操作もなく、手にとるだけ。棚に戻せばカートから商品が消える。
そして、そのまま店外に出るとAmazonアカウントで決済される。

これ、意味わからんレベルですごいな。魔法かよ。

Amazonは「ウォークアウト・テクノロジー」と呼んでいるみたいだけど、技術的にはどうやって実現してるんだろう。

僕が最初に動画を見たときには「これはRFIDだろう」と思いました(が違いました)。
RFIDは電波を出すタイプの商品タグで、商品の個体識別ができるから今後普及が見込まれている。

動画を見てAmzonの倉庫で使っている技術を転用しているんだろうなと思ったので、そういうロジスティクス(物流)関連といえばRFIDだろう紐付けて考えたわけです。

しかしどうもRFIDではないみたい。

AmazonGoのページにある解説を見ると、こう書いてあります。

How does Amazon Go work?

Our checkout-free shopping experience is made possible by the same types of technologies used in self-driving cars: computer vision, sensor fusion, and deep learning.

Our Just Walk Out Technology automatically detects when products are taken from or returned to the shelves and keeps track of them in a virtual cart. When you’re done shopping, you can just leave the store. Shortly after, we’ll charge your Amazon account and send you a receipt.

https://www.amazon.com/b?ie=UTF8&node=16008589011 より引用

"チェックアウトフリーショッピング体験は、自動運転車に使用されるものと同種類の技術によって可能になります(コンピュータビジョン、センサフュージョン、ディープラーニング)。"

うわー、なるほどな!

自動運転に使われているコンピュータビジョンは、カメラで周囲を判断して何が障害物なのかだとか衝突を防止したりするんだけど、道路や走行状況を判断するための画像認識技術。

それからセンサーフュージョンも同じく自動運転に使われている技術で、複数のカメラや複数のレーダーなんかを組み合わせて状況判断をする技術。
Google Carなんかを例に出すと複数の種類のカメラ、赤外線レーザー、ミリ波レーダー、車速センサーや6軸慣性センサー、GPSなんかを組み合わせて自動運転を実現しているんだけど、それと同じようにAmzon Goも店内中に配置されたカメラなどで「どの商品を」「手にとった」「棚に戻した」とコンピュータビジョンを利用した判断をしてるみたい。RFIDじゃなかった!

それから当然のように人工知能(ディープラーニング)を使っているとのこと。
これは識別精度を上げていくのに使うのかな。

Amazonは以前から良い意味で「小売ではなくロジ(倉庫)屋」といわれているんだけど物流の思想とテクノロジーで既存小売に差をつけているんだよね。
小売出身でロジ大好きな僕としては、かなり胸熱な流れです。

Amazon Goはロジスティクスの思想と自動運転車のテクノロジーを使っているんだな。

で、技術の話だとかカッコイイみたいな話ばかりしてしまったけれど、重要なのは「Amzon Goはどんな価値を生み出しているのか」ってことだと思う。

僕は以前から、こういう「何かの動作を省く」ということにすごく興味があるんだけど、家電とかIoT製品なんかで生活動作を減らしてくれるものが必ずしも良いわけではないという話があります。
センサーで自動で動き出してくれる家電とかは、最初は面白いけど、すぐに飽きるとか。

これは当然にモノによるって話なんだけど、同じようにワンアクション減らすものでも例えば車のキーレスは一度体験したら戻りたくないレベルで快適性が上がる。
たったワンアクションなのにね…。

Amazonは18年くらい前からワンクリックで買い物する技術の特許をもっているわけだけど、これも車のキーレスも「アクションを減らすこと」よりも「何をしたら快適なのか」を中心に考え抜かれたものなんじゃないかと思う。

何かのアクションを減らすだけではなくて「それによって何が快適になるのか」って体験が重要ってことだよね。言葉にすると当たり前すぎることだけど。

執念を燃やしていると言っていいレベルで、そこを考え抜いているAamzon。
僕も凄いなーとか言ってるだけじゃなく見習って執念をサービスに変えるようなことをしなくてはならないですね。
がんばろう。

メルカリ二次創作物の公式流通プラットフォーム構想、「宇宙兄弟」が成功事例になったら凄いこと起きるかも。

今年の6月から始まっていたんですけども、メルカリが「Ingress」の二次創作物をメルカリを通して販売する場合に公式ライセンスを付与して、権利者にライセンス使用料をを支払うというのを始めていました。

で、今日発表されたのが「宇宙兄弟」の二次創作物に公式ライセンスを付与する(そして権利者は二次創作物でもライセンス使用料をがもらえる)仕組み。

[blogcard url="https://koyamachuya.com/campaign/mercari"] [/blogcard]

6月にこの仕組みが始まったばかりでIngressだけだったころは、「すごい」と思いつつもそこまでマークしていませんでしたが、「宇宙兄弟」という人気の漫画作品で実績ができたら、ライセンスビジネス周りとかへの影響が凄いことになるかもしれないなと思っています。

これが6月の時点でメルカリのリリースにあった図。
この時点で既にIngressに限らない「二次創作物の公式流通プラットフォーム」を形成していきたいみたいな発表がされていたわけですね。

メルカリ二次創作物の公式流通プラットフォーム構想

https://www.mercari.com/jp/info/20160613_ingress/より引用

ぶっちゃけ、ウチのサービスでこういうのやれないかなーとか僕も考えてたんで、やられた感はありました。
とはいえライセンスもの作ったり、そこらへんに関わったことある人なら、こんな感じのスキームで自由に公式グッズ作れるようにってみんな一度は考えたことあるような仕組みなので「僕も考えてたわー」ってドヤっているわけではありません。

どこかでチャンスあらばウチでもやれるかもしれないけど、やっぱり力のある著作物もってるコンテンツホルダー・ライセンサーって自由度を高めたいってより保守的なところあるんで、スキームは作れても「確実に多くの人が使うであろう」という確信がもてる形になっていないと権利者が納得しないから機能しないだろうなと。

そこは流石メルカリ、ちゃんとワークしそうな形にまで持っていっていてて凄いなあと思った次第です。すげえなあ。

二次創作・同人グッズ市場はこれからも伸びる

で、二次創作グッズって今すごい増えてるわけですよね。
通販に限って話しますが「公式グッズ通販」という市場の影に「同人グッズ通販」という市場があって、ご存知ない方が流通量を聞いたらビックリするくらい売れているわけですね。

同人関係に疎い方だと(僕もそんなに詳しいわけではないのですが)同人マーケットは「同人誌」しかないものと思っているかもしれませんが、衣類・バッグ・アクセサリー・スマホケース・雑貨などなどなど「同人グッズ」市場は大きいし種類も多いのです。
最近だとアクリルキーホルダーがアツい気がします(何)

まあ、そんな感じでマーケットはそれなりにあるわけですよ。

で、当然これらは「あくまでファン活動の範囲」としてライセンスをとっていない・ライセンス使用料を払わないで販売されている商品です。
ちゃんとライセンスとってる公式グッズより売上規模が大きくても。

それに対してライセンスをとっているグッズを作っている企業は、ライセンサーに頭下げて契約書とりかわして、販売計画や企画書を提出して許諾をとって、無償でサンプルを提出(提出数が多い契約だとサンプル代がバカ高くなるわけです)して、量産したものをリスクとって在庫して、契約にもよりますが売れなくても生産数に応じてライセンス使用料を支払うというようなことをしているわけですね。

「公式流通プラットフォーム」になったら凄いことが起きるかも

ここから先は僕の妄想が入っていますが…「宇宙兄弟」クラスのメジャータイトルで成功事例が作られて、メルカリの「二次創作物の公式流通プラットフォーム」が「プラットフォーム」といえるレベルになるまで参画するライセンサーが増えたら、ライセンスビジネスの歴史に残るような凄いことになるのではないでしょうか。

今回の「宇宙兄弟」は公式素材が配布される(使わないでも良いみたいですが)ようですから、同じように公式素材を配布するコンテンツが増えたら、ほぼほぼグッズ企画会社と二次創作のファンが横並びに近い状態になります。

そして、もしも「公式ライセンスが付与できる作品がこんなに沢山あります」的に公式ライセンスを付与できるコンテンツがカタログみたいに並んでいる状態になったら、ちゃんと契約書を交わしてライセンスビジネスをやってきた企業が作ったかどうかなんて関係なくなるのかもしれませんよ。あくまで僕の妄想なので実際にどうなるのかはわかりませんが。

二次創作の同人グッズが売れても作家やライセンサーにはお金が入ってこなかったわけですが、かといってファン活動はしてもらった方がコンテンツホルダー的には良いから、それらがバカ売れしていても権利を主張はしない。同人活動をするファンとライセンサーはそんな微妙な関係性だったわけですが、「公式流通プラットフォーム構想」が機能したら作家などの権利者は二次創作からもライセンス使用料がもらえるかもしれないと。

これは作家にとって、かなりプラスになるかもしれません

とはいえ、課題もあります。
ライセンス使用料を払わず非公式で売る二次創作・同人グッズの方が数は多いでしょうから、その住み分けというかライセンス使用料を払うメリットをどうするんじゃいと。

「公式流通プラットフォーム」を通してライセンス使用料を払っている人が払い損するようになったら面白くないですもんね。今でもファン活動としての同人グッズ販売はライセンス使用料を払っていないわけで、今後も使用料を払っていない同人グッズに対して権利者が権利主張するってわけにはいかないでしょう。

そこらへんの解決策をどうするか考えてしまうところはあるものの、素晴らしい仕組みには変わりませんね。いや、ほんとメルカリすごいなー。
最初に「Ingress」の許諾を出したナイアンテックやメジャー作品である「宇宙兄弟」でやろうって話にしたコルクも凄いけど。

僕は個人的にワンフェス当日版権システムとか最高にクールだなーと思ってるタイプなので、こういうインターネットっぽい仕組みが世の中に増えていくのは歓迎です。

本当は僕が自分でやりたかったけどねw

ファッションとクラウドファンディングのイベントに行ってきた記録。

12月1日のイベントなんで少し時間たってますが、Bridge of Fashion主催のファッションとクラウドファンディングについてのイベント「"Fashion Crowdfunding Night" ファッション業界でのクラウドファンディングの可能性」っていうイベントに参加してきました。

自分用メモみたいなエントリなので、読んで面白いかどうかはわかりませんが興味あればどうぞ。
(最近はネットに有料セミナーのレポートを詳細に公開するなって話もよく聞くけど、セミナーではなくトークイベントみたいな内容だったんで書いてもいいよね?)

僕の会社のサービスSTARtedでもCAMPFIREさんとコラボ企画やらせていただいたりしてるし、そもそもSTARtedがクラウドファンディングと間違われることも多いくらい近しい領域なので勉強しないといけないと思って参加してみたわけです。

あと余談だけど、「日本から世界的なブランドを創る」がコンセプトのTO NINE Inc.という会社をやっている増田さんという方がいるんですけど、その増田さんがパネルディスカッションで登壇すると聞いたんで、これは増田さんには以前から色々とお世話になっているし、野次を飛ばしに行かねばなるまいと思って参加したというのもあります(結局のところ野次が飛ばせる雰囲気ではなかったので、おとなしくしていましたが)。

mixiのセミナールーム的なところ
会場はmixiセミナールーム的なところシャレオツ感。
何か前にも別のイベントで来たことあるな、そういえば。

このイベントは二部構成のパネルディスカッションになっていて、第一部がクラウドファンディングのCAMPFIRE内の事業としてファッションに特化クラウドファンディングCLOSSの遠峰さんと、パルコのクラウドファンディングBOOSTERの佐藤さんのお二人。

CAMPFIREもBOOSTERも、小さなブランドやクリエイターが活躍できるようにするってことを大切にしているみたいで、そこらへんはSTARtedも意識しているところだし共通した方向性をもっているから参考になる話が沢山あった。

第一部・第二部のパネルと共通して話されていたのは「お金を集めるよりも、クラウドファンディングが成功したことでレピュテーションが高まる」みたいな点。

消費者からブランドが助けてもらうという文脈はブランドイメージを毀損するのではないかと、クラウドファンディングをやりたがらないブランドさんが結構あるらしいんだけど、欧米で無名だったブランドが「ウチはクラウドファンディングで成功して多くの人の支持を集めた」という説明をしたらレピュテーションが爆裂に高まって、プレスからの扱いが変わったりすることもあるみたい。

これに近しいことは日本でもあるし、僕の関わるサービスに取り入れられる部分もあるなあと思ったり。

また、ゆっくりだけど消費者からブランドが助けてもらうことがブランドらしからぬという流れよりも、クラウドファンディングやってるブランドかっけーみたいな流れもきているとの話もあった。そこらへんは一般にどこまで認知されるかにかかってるのかな。

どうでもいいけど、CAMPFIRE × STARted で製作を担当した巫女ルームウェアの話も司会の方からの質問としてチラリと出て、ちょっと嬉しかったり(STARtedの話は出なかったし、関わっていることを司会の方もご存知なかったみたいだけど)。

あと、BOOSTERはクラウドファンディングとしては規模は小さいけれどもパルコがやっていることを有効に活かしたりもしているって話が出てたりして、あーSTARtedもリアルショップとの取り組みをやらねばいかんなあ…と思ったよね。

ファッション×クラウドファンディングの世界観について的な質問には、突拍子もない服が作られるようになるべきっていう話が出たのもよかったなあ。クリエイターさんが売れ筋を意識せずに作りたいものをチャレンジできるのが良いって話が出たりして「あー、やはりSTARtedが目指している方向と似てるなー」とか思ったりしました。

トレンドに同質化した多くの人が欲しくなるものを素早く作るのも世の中に求められていることなんだろうけど、他にない、突拍子もないものが出てことないと面白くないもんねえ。

ここまで第一部。
※ここから先の第二部については内輪ネタを含むどうでもいい話を書きますので、読まなくても大丈夫です。

で。第二部。これ面白くて仕方なかった…。

クラウドファンディングを成功させた人としてTO NINEの増田さん、成遂寺という共同アトリエを作った安藤龍司さん、 これからクラウドファンディングを始めるということでFACTOTUMのデザイナー有働幸司さんがパネルディスカッション。

増田さん自己紹介の時間にブランドがクラウドファンディングを有効活用するにはどうしたらいいかという素晴らしい内容プレゼン資料を流して語ったんだけど、パネルディスカッションなのにページ数多いプレゼン資料で、かなり激しく独演会を展開していた。

パネルディスカッションなのに独演会になってるのは個人的にツボで、(・∀・)ニヤニヤが止まりませんでした。
(わかるかな、このニヤニヤしてしまうの)

まあ茶化すのはそれくらいにして、その内容は第一部で語られたこととも繋がるんだけど「ブランドは数十万・数百万の資金を得るためにやるのではなく、クラウドファンディングを使ったマーケティングをするべきである」みたいな内容で、その具体的な方法論まで掘り下げてた。素晴らしい内容だけど、しかしパネルディスカッションの自己紹介の時間にやるようなもんじゃなかったよね(再度(・∀・)ニヤニヤ)

増田さん、すげー素晴らしい内容だったから、もしこのブログ読んでたら今度その資料つかって別のところでまたイベントやろうよw

まあ、無理やり良い方向にまとめると、増田さんみたいなガチなファッションビジネス勢から、消費者の支援を受けて新しいことをしたいブランドやクリエイター、ちょっとした資金を集めて何かを実現したいという個人まで使えるのがクラウドファンディングの良いところなんじゃないかなーとも思ったりしたかな。

そして特にオチはありませんが、イベント後の懇親会で増田さんをイジっていたら本気で嫌がっていたので、もう次からそういうことはしないようにしようと思いましたまる。

「人は正しさによって動くのではなく納得によって動く」のは当たり前なんだけど、なかなかそう考えるのも大変よねって話。

自分の会社で変なサービス作ってることもあって、ここ2年くらいで新規事業だとかスタートアップのサービスだとかの話を聞くことが増えました。まず自分ところのことをやらないといけないので人様にどうこう言えるような立場じゃないんだけどさ。

SNSブームもひと落ち着きして、toCサービスよりtoBの方がビジネスとして先が読めて設計しやすいよねって話は色々なところで聞くような気がします。僕の身の回りだけかもしれませんけど。

設計のしやすさだけでビジネス決めていいものかどうか僕にはわかりませんが(なんといっても僕がやっているサービスが先の読みにくいタイプのビジネスだしね)、まあtoBならではの設計の見えやすさ・予測の立てやすさってのはあるにはあるかなと思います。

特にスタートアップ的サービスだとビジネスとしての数字の見通しの良さがあると資金調達もしやすいわけですし(資金調達のしやすさでビジネスを選んでいいのかは、僕にはわからんですが、まあナシではないですよね)。

個人的にはその事業やる人に合うかどうかだからtoCtoBかはフィットするならどっちでも良いような気はするけど。

あ、そんな前置きはどうでも良くて、toBサービスの設計をやっているときに「ビジネスなんだから相手は損得で動くだろう」という前提で考えてしまうと上手くいかないことが多いんじゃないかなという話をしたいんだった。

割とtoCだと製品開発でもアプリでも、「どういう感情によってこれを使うようになるのか」という感情に寄り添ったマーケティングの話に必ずなりますし、プロダクトの良さだけじゃ使ってもらえない・売れるようにならないというのは常識のように語られていると思います。

しかし何故かtoBだと「相手もビジネスだし、メリットあるとわかれば使うでしょ」って単純な仮説を持つ人が結構いるような気がするんですね。

それは大抵の場合大外れしてるように思います。

僕はtoBでも「どういう感情によってこれを使うようになるのか」というハードルを超えないとダメだと思っていて、損得だけで自分の仕事を変化させようとはなりにくいと考えています。

「得する」のレベルが凄くて、メリットが感情をガンガン揺さぶるような今すぐ使いたいレベルのものなら、プロダクトの力だけで感情を動かせるんでしょうけど、なかなかそんなものは少ないですよね。ここは僕はC向けとかB向けとかあんまり関係ないと思っていて、toCなら個人、toBなら担当者とか決済者という個人の感情を揺さぶることができるのかって重要度が高いと思うんですよ。

売上あがるっぽいサービスだけど使わない、効率あがるっぽいツールだけど使われないなんてことは普通にあるわけで、「社内に普及させる手間をかけてもこれを導入したい」とか「これを使って売上を上げてみたい」とか、そういう感情の揺さぶりレベルが高いものが強いんでないかと思うわけですね。

ここまで読んでもらったらわかるとは思いますが、プロダクトの良さはtoCだろうがtoBだろうが重要なんで、それがどうでもいいっつー話じゃないですからね。念為。

そういう「優位性あるからプロダクトの存在を知れば使うだろ」的なtoBプロダクトが「思ったより感情を揺さぶってないぞ」みたいな結果になるなんて世の中でよく見かけるわけで、「人は正しさによって動くのではなく納得によって動く」って視点はtoBでも結構大切だと思うんですよね。

読み返してみると、当たり前のことしか書いていない感じで新しい発見はない記事かもしれませんが、この世の誰かのお役に立ったりしませんかね。しないか。