先日、『質の高い課題解決できる人が「こうすべき」を主張すべきだけど、それが苦手な人も多いからチームで解決したら良いのでは』という雑な考えを書いたのですが、僕のブログにしては多くの人に読んでもらえました。
読んでくれた人、ありがとうー
ただ、この記事へのコメントで「質の高い決定ができない上司や社長はダメだろ」みたいな意見もそれなりに多くあって、けっこう驚いたのですよね。
僕が雑に書いたわかりにくい文章だったことが原因で誤解されてしまったのでしょうけれど、今日は補足として「部下がやれることを上司もやれる必用はないですよね」的な話を書きます。
上司が「自分ではできないからお前に頼むわ」と言ってくれたお陰で、"上司のして欲しいこと探し"をしなくて済んだ。
僕が若いころお世話になった上司はよく「自分ではできないからお前に頼むわ」と言っていました。
実際のところ、その上司は実務のことはあまりわかっていない人だったので、僕としても渡された課題をどうすべきかの判断を聞いても仕方ないので自分で決めるしかないし、成果を出して見せるしかない環境にいました。
僕は自由にチャレンジさせてくれる最高の上司だと思っていましたけど、同僚の中には「どうすれば良いか聞いても何も答えくれないし、自分で考えろしか言ってくれなくてつらい」という人もいたので、凄く良いマネージャーだったのかはわかりません。
でも僕にはマッチしていたし、なによりも若いときにハマりがちな「上司も正解わかってないまま、上司のして欲しいこと探しをする」みたいなブルシットジョブを一度もしなくて済んだことに心から感謝しています。
もう、おわかりだと思うのですが、若いころの僕とその上司は、上司よりも僕のほうが「質の高い決定が可能なDriver(推進者)」で「上司はそのサポートと承認をするApprover(上長としての承認責任を持っている)」という役割が自然にできていたのです。
この例以外にも、専門家にプロジェクト推進してもらうときなんかもそうだと思うのですが、マネージャーや社長が「誰よりも実務や課題に詳しくて、質の高い決定ができる状況」なんて、むしろ少ないし、特殊な状況でない限りは上司が部下より実務ができるなんて必要もないと思うのですよね。
あなたの上司は異世界転生してきた能力者ではない。
それでも「そんな無能は上司にするな」って人が一定数います。
たぶん、その人は上司や社長に「これで良いですか」と聞いたら、相手が正しい答えを返してくれるものだと思っているんだと思います。
でも、あなたの上司は神でも無双転生者ではないので正しい答えなんて返してくれないのです。そんな無駄な期待を持つのはやめましょう。
チームや組織で仕事をするなら、上司ができないことを部下がやることもあるし、部下の方が専門性が高いことなんて普通にあるはずですよね。
なのに、部下がやれることを上司はもっと上手くやれるべきと考えてしまう人がそれなりにいるのは、本当に良くないことだと思います。
実際には逆で、部下が高い能力をもってくれているならば上司が同じことをできなくて良いということですよ。上司は、あなたができることをあなたより上手くできる必要はないのです。
上司は部下の上位互換であるべきというのは幼稚な欲望でしかないので、早めに捨てた方が良い。
しかし、それでも「そんな無能は上司にするな」って人が一定数います(繰り返し2回目)。
チームで仕事をする以上、上司は自分にできないことをやってくれる部下がいるチームをつくった方が組織としてできること、打ち手が多くなります。
もちろん職種や会社にもよることもありますが、上司にも部下にも同僚にも、自分にはできないことができる人たちがいる方が、全員のできることを合わせて色々な課題を組織で解決できるのですよね。
上司は部下の上位互換であるべきだとか、自分よりも上司は素晴らしい能力者であるべきというのは幼稚な欲望でしかありませんから、できるだけ若いうちにそういう考え方を捨てられると良いのではないでしょうか。
「上司は部下よりできるもの」と言われると、なんとなくそうなのかもしれないなという気持ちになってしまうかもしれませんが、上司はマネージャーや責任者という役割なだけですし、実際には異世界転生してきた能力者ではないのですから、みんなで協力しあって仕事をすすめた方が良い、と僕は思います。