シャチョーさんとかセンセーについての昔話。

ぼくが若くてまだサラリーマンをやっていたときに衝撃的だったことがあり、たまに思い出すことがあるので、今日はその話を書きます。

とある会社さんと取引をしていたのですが、その取引先の社長が何かトラブル(だいたいがその相手がトラブルを起こして、ぼくが何とかしてくれと言ってるようなこと)があるたびに「社長同士でないと話にならん」と言い出してきたのですよね。

実際のところ、ぼくの所属していた会社も数百人くらいは社員がいたし、そんないちプロジェクトの進め方とかトラブルに社長が出てくるわけないし、出てきたところで現場のことなんて何もわからんから担当者であるぼくに「よろしくやってくれ」と言うくらいしかできないわけですよ。

あまりに何度も「社長同士でないと話にならない。社長と話せばすべてまとまる。」みたいなことを言ってくるので、

「あなたとウチの社長の個人取引なら分かりますけど、これは法人同士の取引なんですよ。私が当社の窓口だと当社で決めていて、私が予算もスケジュールも進め方の権限をすべて持っているのだから、当社の社長が出てきても私と同じ内容を言うだけです。そちらも法人として取引先担当者である私とコミュニケーションしてください。」

と返さざるを得なかったのですが、そのひとはまったく納得をせず「サラリーマンにわからない社会のルールがある」みたいなことを言い出し、ぼくの勤めてた会社の社長に直訴の連絡をしていました。
もちろん「担当者であるフジイとやってくれ」と言われるだけの結果だったんですが…

その会社と契約して発注をしてしまったからには、それで上手くやるか諦めるしかないのですが「世の中には経営者同士でしかわからない感覚があると思っているシャチョーさんがいる」というのを知って、とてもとても驚いたんですよね。

 

それと、これは起業したばかりの時の話なんですが、人から紹介してもらった税理士事務所と契約しようとしたときに税理士事務所側にやたら有利で不平等な契約書だったので、一方的ではなく相互にバランスとれた形にしてくれと赤を入れて返したのですね。

そうしたら「契約書は1文字も変更できないし、すべてのお客さんにそうしてもらっている」と返されたのですね。これも衝撃でした。

契約って相互のものだから、こんな一方的な内容で結ぶもんじゃあないですよねと言ってみるも遠回しに「こっちは士業のセンセーなのだから従うべき」みたいなことを言ってきて、さらに衝撃を受けたわけです。

まあ、そことは取引せずに平等かつこちらに優しい契約をしてくれる税理士に頼んだで別にいいんですけども、「こちとらセンセーのだから契約書に赤を入れるとは失礼である」みたいな態度な税理士に驚いたもんですよ。

 

この話は平成のことですけど、令和の世になってもたまにそういうシャチョーさんやセンセーを見かけることがあるので、世の中はなかなか変わらないものだなと思った次第です。

逆に、この「社長同士でないとわからないだろう」という社長同士の仲間意識を利用して社長がセールスをする会社もありますよね。そういうのは別に良いんですよ、経営者同士の安心感とか親近感でお互いが納得して売買するのは。

でも、その感覚がおかしくなってサラリーマン(取引先の担当者)より自分が偉い存在であると勘違いしてしまう人がいるんですよ。そういう勘違いシャチョーさんも減ってはいるんだと思うんですけど。


なにが言いたいかっていうと、どんな立場や肩書になってもそれに酔っ払わないようにしたいものですよねってことです。

 

以上、昔話でした。