事業の「非効率」という負債をどう積んで成長するか。そしてどう解消するか。

昨日、古い体質の組織における業務(特にオペレーション)の負債解消はどういう姿勢で臨むか、というブログを書きました。

古い体質で非効率"に見える"業務が固定化されているのは、それなりに理由や経緯があるので、正しく"見える"業務をやらせれば非効率の解消できるということはなく、むしろ酷い目に遭ったりします。
ナメてかからず紐解く工程をしっかりやろうねという話でした。fujii-yuji.net

僕は幸い(?)古い体質の企業からスタートアップまで色々な経験をしていると思うので、今日は「スタートアップや新規事業などでゼロから初めるときは、どう業務的な非効率を積みながら成長するのか」という話を書いてみようと思います。

 

成長のため非効率を選び、コントロール下に置く。

ゼロから事業を回すときは、効率より何より求める成果が得られること優先で進めていくことになると思います。なので、ゼロから初めるからキレイな状態を作れるというわけでもないと思います(予算や人員に余裕のあるスタートなら別ですが)。

そのため、成果優先のために非効率なオペレーションをあえて選択したり、人員やコストの都合があるため非効率な方法しか選べないということもあるかと思います。

短期成長が求められるタイプの事業においては、いつまでも雑にしておくわけにはいかなくて「今から半年後には◯◯、1年後には◯◯になっていなくてはならない」というような変化が求められます。

つまり、一旦は非効率でもいいが、成長を阻害するところまで非効率が育たないようにする必要がある。つまり、「コントロール下に置けない非効率」をできるだけ少なくする努力が必要だと僕は考えています。

「必要になったときになってから考えればいいんだ」とコントロールを手放すと、結局は目指している成長の阻害要因に育って遠回りさせられることが多いので、非効率でもいいけどコントロールを手放さないことが大事なんだと思います。僕自身も全部コントロールできているわけではないけど。

 

それが成長の阻害要因にまで育ってしまうのはいつか。

オペレーションやら業務システムが成長の阻害要因にならないなら、雑なままにしておいても良いと思いますが、実際は「事業成長にそこまで影響しない」とか「必要になってから考えても良いこと」なんてことは意外と少ないんですよね。。。
だから油断してるとすぐに成長阻害要因に育ってしまいます。ダメ油断。

事業成長の阻害要因に育つとわかっていることなら、メンバーが少なく、業務やシステムへの影響範囲が小さいうちにキレイに片付けておくと「最初から及第点であるのが当たり前」の組織になって、事業や組織が大きくなってからの成長にレバレッジが効きますしね。

それを軽視して「ともかく売上・ともかく利益」と目の前のリザルト積み上げだけで動くと、めちゃめちゃ成長にブレーキがかかることが起きるので「ともかく"継続"成長」という観点で業務設計を見ているかが大事なんじゃないかなと思います。

 

継続的な成長のためには「なにをするか」も大事だけど「どの手順でやるか」がめちゃめちゃ重要。

スタートアップや新規事業は事業成長のために「いまはまだ手をつけなくて良い」の塊になりがちですよね。

そのぶん成長速度が早いビジネスに引っ張られて、非効率という負債もあっというまに成長の阻害要因に育つという特性もあるように思います。それなので「いつまでにこの非効率を抱えていられるか」や「非効率なまま走ると何が起きるのか」を把握してコントロール下に置く必要があるのですね。

「いまは手をつけなくて良い」けど、どの状態になったら手をつけるのかって手順や時期の決め方が事業成長にめちゃめちゃ影響するのです。阻害要因になってから手をつけて良いやつと、もっともっと早く手をつけないといけないやつがあるので手順が超重要になるんですね。

だから、問題が噴出したら手をつけるみたいな場当たり的な対応をしてしまわないよう、非効率という負債は「手はつけないが、手放さない」でコントロール下に置いておかねばと僕は思うわけです。