DX (デジタルトランスフォーメーション) は、システムではなく経営者や企業が変わるって理解をした方が良さそう

こんにちはこんにちは。フジイです。
やるべきタスクを放置してブログを書いています。

 

「DX(デジタルトランスフォーメーション)ってなんなんですか」

先週、新卒一年目の若者と1on1しているときに、DXについて訊かれた。
DXは、様々な定義がある。

少なくとも「従来の IT化でもなければ業務ツールの導入でもない」 
……と言われているなにか、である。

 

説明が難しいので、とりあえず新卒1年目の若者には「デラックス(笑顔で)」と返しておいた。

 

youtu.be

 

実際のところ考えてみるとこのDX(デラックスの方)という言葉、なかなか趣深いです。

 

冒頭に書いた通り、DX(デジタルトランスフォーメーションの方)は定義が色々なのだけれど、少なくとも業務を楽にするITツールの導入とか一部作業のシステム化ではない。

「言葉を変えただけじゃん」と揶揄もわからなくはないけど、違う概念でなければ社会には何の変化もないですからね。


完璧で正確な定義ではないけれど、抽象的な理解としてはビジネス自体やワークフローのデジタルへの最適化という概念として捉えておくのが良さそう。
業務やビジネスに合わせたシステムの導入とは逆ともいえます。

でも、ツール屋さんやシステムから入るSIer、そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)というよりも業務効率化だけしたい(システムのことよくわからん)クライアントによって業務ツールやシステムだけがDX(デラックス)になる気がする。

 

 

東証の会見に DX のあり方を考えさせられる

リンク先は読んでも読まなくてもいいですが、東証のCIO横山さんが会見で説明したことが(IT界隈に)称賛されています。

技術のことを正確に、丁寧に会見で答えております
(そこまで丁寧に説明してるのに記事になったときに明後日の方向になっているとマスコミへの批判の声も多いようです)

togetter.com

 

もし、日本企業が本当にデラックスなだけではないDX(デジタルトランスフォーメーション)をするのであれば、こういう経営体制が必要なのだと感じさせます。

経営陣に専門的な説明ができる能力をもった経営者がいて、専門分野におけるビジネス・経営の責任をしっかり負っている状態はとても強いです。

 

チープな表現ですが、「現場と偉い人」みたいな分かれ方をしていない。
(実際の現場の人がどう思っているかは分かりませんが、少なくとも組織構造としては一体化されているように見えます)

 

すでにこのブログエントリで書いたように、DXはツールをデラックスにすることではありません。どちらかというと経営やビジネス、業務をデジタルに最適化することがDX(デジタルトランスフォーメーションの方)と考えた方が理解しやすいのではないでしょうか。

 

つまり事業会社が変わらないといけない。
経営陣の誰かが業務システムの詳細なができるのが良いという意味でありません。
ビジネスがデジタルと一体化しているから、経営陣にも専門家が必要という状態にしていくということなんじゃないかと思います。

SIerとかツール屋さんだけがDXを盛り上げようとしているだけだと、いままでと変わらないか、ツールのデラックス化が進むだけなんや。

 (これに関してマジでSIerやツール屋さんが悪いわけではなく、買う方がアレなのでツール系とかベンダーを叩く意図と受け取らないように。悪しからず。)

紙をデジタルに変える前に経営者が、会社が、ビジネスが変われ。というのがDX的であるという風に広まった方が社会にプラスになると思うのです。

 

 

システム部分だけ見れば、SAPとかそこらへんがERPパッケージやってきたのと、そういう意味ではあまり変わらんところもあります。

ただ、これまで(特に日本の)事業会社がビジネスや業務への現状最適化としてIT化してきたのに対して、業務や事業をデジタルに寄せるという概念は日本企業にあまりない考え方であるので、その点は大きく違うのです。

 

「現状の業務から最適化する」を進めると業務システムやツールがデラックスになっていくけど、「業務や事業をデジタルに最適化していく」とデジタルトランスフォーメーションになるかもしれないって話なのであります。

僕はそう理解しています。

 

 

 

識者に言わせると「SAPなどのERPパッケージを導入するとき、日本企業はめっちゃSAP側をカスタマイズして現行業務に近づけようとする、海外企業はほぼそのまま使って業務自体を変更する」っていうのがあるらしいんですね。

昔は「え、カスタマイズいいじゃん。業務に合わせて最適化したシステムでないと効率も悪いし、使いこなせないじゃん……」と思っていた時期があるのですが、業務をデジタル最適化するという考え方を持ってからは考え方が大きく変わりました。

(もちろん、パッケージシステムをそのまま使うのがデジタルトランスフォーメーションという意味ではありませんので誤解されませんように)

 

 

多くの企業に必要なのは、DX支援のコンサルやDXツールではなく、ビジネスや会社組織などをデジタルトランスフォーメーションできる経営者だったり、その考え方のインストールだったりするのではないでしょうか。

 

特にオチはないですが、このブログの読者のみなさんならもうお気付きですね?


ツールやシステムがDX(デラックス)になるって言葉を書きたかっただけです。すみません。やーい御社のツール、デラックスぅ