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こんにちはこんちには。フジイユウジと申します。
知ってる人は知っていると思いますが、色々なWebサービスやメディアを作ったりしている人で、趣味は利用規約を眺めることです。
今日もまた僕のTwitterのタイムラインは Uber Eats の話題が沢山です。
注文していないのに配達員がドアの前に放置していった、配達員が事故を起こした、飲食店の手数料が35%などなどなど、話題は尽きません。
今日は、そんな刺激的なサービスである Uber Eats さんのサービスについてをちょっと分解してみたいと思います。
このブログを前から読んでる方は知ってるでしょうが、僕は色々なサービスの利用規約やらシステムを調査するのが趣味です。
揶揄したり、社会正義のために何かを暴くといったような意図はなく、趣味として調査をしているだけで、この記事を書きながら Uber Eats を注文したくらいには利用者しているひとりでもあります。だからUberさん怒らないでね。
決してUber社を叩く意図などではありませんので、悪しからずお読みください。
(それはそれとして衝撃のラストがあるのでお楽しみに!!)
Uber Eats の利用規約がむちゃくちゃ面白い
これ、僕みたいなビジネスのひとでなく、弁護士ドットコムあたりに話題にしてほしいんですけども、Uber Eatsの利用規約ってむちゃくちゃ面白いのですよ。
届け、この想い☆
日本で Uber Eats に注文をすると、他の Uber のサービスとは違う利用規約が適用されます。日本法人でも米国法人でもなくオランダのUberBV社が契約主体になっている規約で、オランダ法が準拠法になっています。
利用規約上は、Uber社はデリバリー等サービスを提供するものではなく、注文者は独立した第三者が提供するということになっています。
(追記: 本記事で扱っている利用規約は2020/08/23時点のものです。2022/08 01に利用規約を大きく変えているので、そちらについてはまた改めて記事にしたいと思います)
貴殿は、Uberがデリバリー等サービスを提供するものではなく、全ての当該デリバリー等サービスはUber又はその関連会社により雇用されていない独立した第三者の契約者により提供されることを了承することとします。
だから、Uberは第三者--つまりレストランや配達員--が提供する食べ物や配送などのサービスの品質や結果などは保証しないよ、と。
まあ、ここまではわかる。
Uber Eats は、あくまで注文機能だけ提供するプラットフォームだもんね。
わかって使ってますよ。だいじょうぶ。
注文者・Uber社・レストラン・配達員がいて、注文者はUber社・レストラン・配達員「それぞれと」契約するんでしょ?
通販モールで購入すると、モールとは利用契約のみで注文者とお店が売買契約となるように…………って思うじゃないですか
利用規約のこちらを。
本サービスは「現状有姿」かつ「利用可能な状態」で提供されます。
(略)
Uberは本第三者の提供業者の品質、適合性、安全性又は能力について何ら保証しません。貴殿は、本サービスの使用に起因するリスクの一切、及びこれらとの関連において要請されたサービス若しくは物品の一切は、適用法により最大限許容される限りにおいて専ら貴殿が負担することに同意することとします。
えっ。利用規約に同意して注文してる人は、
Uber Eats に関するリスクの一切は、オランダの法律に基づいて最大限まで注文者が負担することに同意してるんだ…。
注文者は配達員とかレストランとかと注文や配送の契約を結ぶとも書かれていないし、注文画面にも利用規約にも配達員やレストランどのような契約になるのかの記載はないのです。
(一部のレストランのみ特商法表示あり)
我々は、配達員やレストランといつどんな契約をしているんだ???
ここまでの内容だと、注文者はレストランや配達員との法的・規約上の関係性はブラックホールに飲み込まれたようにうやむやのままです。
わざとそういう書き方してるんでしょうけど、いくら利用規約でオランダの法律が準拠法だからって日本の消費者契約法や特定商取引法を全部無視できるもんでもないでしょう。
これって「レストランが配送を握ってないから、通信販売ではない」みたいな解釈なんですかね?? (マジでわからん)
配送の責任は誰にあるんだ…。そして誰が配達員との契約主体なんだ…。
あくまでこれは利用規約上の話であり、実務上は商品に問題があればプラットフォームである Uber 側でどうにかしてくれることが多いです。
利用規約上では、なんの保証もない感じになっていますけどね…。
ちなみに、マクドナルドなどの大手は「特商法の基づく表示」を作っていて、Uber Eats のページからリンクしていますが、表示位置などは消費者庁ガイドライン通りでもない苦肉の策であります。
(本日時点では一部の大手チェーンのみしか特商法のページは確認できませんし、ほとんどの場合は表記がありません。大手でも特商法ページがない場合も多いです)
これ、そろそろ消費者庁が 激おこ になりそうな予感もしますけど、食品のデリバリーとかだと何か一般の通販と違うものなのでしょうか。
識者、主に弁護士ドットコム方面からの記事が読みたい。
ただそれだけの個人的な欲望でこの記事を書きました。
届け、この想い☆
規約の日本語訳のときに弁護士にレビューしてもらっていないのかな
ここらへんとか、読んで何を書いてあるのか理解できるものなのでしょうか。
僕にはできませんでした。
貴殿は、「UberEATS」と現在呼ばれるデリバリー等要請ブランドを含む、デリバリー等に関連するUberのブランド又は要請オプションに基づき、本サービスの一部が利用可能なものとされ得ることを了承することとします。また、貴殿は①特定のUberの子会社若しくは関連会社、又は②独立した本第三者の提供業者による、又はこれらに関連して、当該ブランド又は要請オプションに基づき、本サービスが利用可能なものとされ得ることを了承することとします。
ここまでアバウトというか、サービス内容についてはできるだけ煙に巻こうとしているのに責任上限を決めるところだけは雑じゃないあたりが海外サービスだなって感じです。
Uberは、Uberの合理的なコントロールを超えた原因に基づく遅延又は履行不能について何ら責任を負いません。全ての損害、損失又は訴訟原因のための本サービスに関連する貴殿に対するUberの責任全額は、いかなる場合であっても500ユーロを超えません。
規約読むのが好きな人なら大興奮ではありませんか。
めちゃくちゃ面白いだろ、これ…
こういうことか? わからん
- Uber Eats を通じてユーザーはオランダのUber B.V.社との利用規約に同意する
- Uber Eats の利用規約上はレストランや配達員と直接的な取り決めはない
(一部の大手のみ、特商法表記があるが消費者庁などのガイドラインにはそっていない) - Uber社 は、そのレストランや配達員と雇用契約を結んでいるわけでもないし、内容や品質・危険性についてはノータッチであることをユーザーは同意する。
- 注文者はこれらを理解し、オランダ法の許す限りのリスクを負担することに同意する。
たぶん、こういうことなんだな。
注文が届かない場合や、何かのトラブルが起きてもいいようになってるんだろうけど、日本の企業にはできないことをやってのける。憧れないし痺れないが…。
これは仕込んだネタでもなんでもないんですが
このブログ記事を書きながら「 まるで dis ってるみたいに見えるけど、僕は Uber Eats 使っているよってアピールしとくか」と思って、 Uber Eats でハンバーガー注文したんですよ。
ブログを書いてるうちに「配達完了」っぽい表示なったのですが、どこにもない。
え。マジ。よりにもよって、こんなブログ書いてるときに!?!?
タイムリーすぎない???
配達員には連絡つかず。
ドアの前に置き配した場合には置いた場所の写真が掲載されるのですが、どう見てもウチの建物ではないどこか別のマンション?の床が映っていました。
いったいどこなんだ、その写真の場所は……
まあ、「届きませんでした」って通知を送ったらお金は返ってきたんですけど、僕のハンバーガーはどこかの誰かが「家の前にハンバーガー届いとる」ってビックリして廃棄しているんだろうなあ。ああ、不要な食品廃棄……。
お腹すいたよ……(´・ω・`)
ブログ書いてるところだったから、オチを提供してくれたのかな?
いらんことするな。
「あ、そのハンバーガーは多分ウチに届いたよ」というお心当たりの方がいましたら面白いからTwitterにDMください。
追記: 複数の配達員の方から「アプリの住所設定まちがってたんじゃね」と指摘がありましたが、僕は 4、50回くらい注文して慣れており指定の間違いではありません。
ある意味ではこの指摘も正しくて、Uber Eats のアプリは住所が途中で切れたり、メモが消えたりします。
初めて使う方は住所がちゃんと設定されているかご確認を。
ハンバーガーが 届いてない方もこのブログの感想や「このネタを書いて欲しい」などのコメントやTwitterのリプライなどでいただけたら嬉しいです。
今年はできるだけ更新するので応援してね。