スタートアップやテック系企業は効率的なことが好きですよね。
それとは真逆で、ぼくが若いころ働いた会社は古い小売業で「非効率に見える業務」の塊でした。日々、現場では個別最適や属人化が繰り返され、それがオペレーションとして固定化されていき、他の業務と複雑に絡んでしまって変えたくても変えられなくなるということが沢山ありましたし、それが普通の世界でした。
それが積み上がって大きな課題になってしまっても、複雑な個別オペレーションの塊になっていて変えられなくなっている……でも、なんとかこれを変えなくてはならない……。
今日はそんな時の考え方についてを書いていこうと思います。
非効率なやり方を変えるときは「あるべき姿」の押し付けではなく、歴史と経緯の理解が必要。
現代いえば、古い体質を変えるためのDXを推進で起きがちだと思うのですが、非効率に見える業務がこれまで変えられずに固定化されてきた経緯や事情があるのに、それを知らないひとが来て「こう変えれば解決だ」と業務やシステム、ルール等を変更したら業務が回らなくなって、効率的になる予定だったのが状況が悪化したというのを業務改善の現場ではよく見かけます。
これを経験したことがある人もそれなりに多いのではないでしょうか。
「えらいひと」や「そとからきたひと」が、あるべき姿にしようとしたけど、実は非効率に"見える"業務には個別の事情があって、正しく"見える"業務ではその事情が考慮されておらず、問題が爆発したり元より効率が悪くなったり。
それは「非効率に見えるが回っている」という業務が醸成された経緯をナメてるからなんだと思います。
ナメてかかると、業務を上の図みたいに変えられるように見えちゃうんですけど、「非効率に見えるが回っている」業務はそれで回るくらいの複雑性を持っていたりするので、実態は下の図のようになっていたりします。
イメージだから適当でいいかーと思って作図してから気づいたけど、下の分岐いろいろおかしいw
あくまで、把握可能にするイメージ図って雰囲気で受け取ってください。
非効率なことをやっているのはレベルが低いとか経験がないからだとナメてかかると、1枚目の画像みたいな思い込みをしてしまって、改善やDXに高額の投資をしたのに得したのはベンダーやコンサルだけ、みたいなことがあったりします。
(これベンダーやコンサルだけのせいではないんだけど)
そうならないためにも、複雑な業務を「せめて把握可能にする」ために徹底的に紐解くということが必要になったりします。誰も全貌を把握できていないものを紐解くという作業は難易度も高く、正解が見えない不確実性が高い業務ですが、社内や周りからは1枚目の画像みたいに見えてるので誰も正解が見えない不確実性の高い業務だとは思ってくれないという地獄があったりします。
とはいえ、整理がつけば、そこから理想の形にしていくのは最初の紐解きフェーズよりは難しくないでしょう。「いまあるオペレーションをする」ってそういうもんなんだと思うし、そうしないと「あるべき姿」にはできないんじゃないでしょうか。
オペレーションだけではなく、古いシステムの負債解消もそうだし、組織の負債を解消するときも似たような考え方で臨む必要があるんじゃないかなあと思います。
今日は負債が溜まっている状況からの改善の考え方を書きました。
気が向いたら、ゼロから作るときの考え方も書いてみようと思います。
では、また。