またまた読んでよかった「ニンゲンの面倒なところに付き合う」ための本をまとめた

以前、読んで良かった本をまとめたエントリを書いたのだけど、良い本を紹介できたので、自分でも気に入っている記事だ。

fujii-yuji.net

今年も「積読を強制的に消化する会」というDiscordで続けている。
決まった曜日と時間に読む本を宣言するだけなんだけど、他のメンバーがいるというだけで少しは本が読める。というか、この集まりがないと読めない(この時間以外には本を開いてすらいない)。

と、いうわけで今年も読んだ本を書いていこうと思う。

 

熟達論 ―人はいつまでも学び、成長できる―

今年読んだ本でナンバーワンに良かった。

400mハードル日本記録保持者で、オリンピックにも3回出ている陸上競技者の為末 大さんの本。
よく"守破離"という言葉を使うが、守破離は本当に熟達のステップになっているのか?

さらにそれを解像度を上げて「熟達はなぜ起きるのか?システムとして捉えられるのか?」を深掘りしている本だ。

もう前書きから良い。

二人のトップアスリートが矛盾する言葉を残すことがある。
「自分の頭で考えることが大事」
「考えるな。言われた通りやってみろ」
自分で考えた方がいいのか、それとも言われた通りやったらいいのか。今では、 この二つは矛盾しておらず段階が違うだけだということがわかる。

著者の為末さんが様々なスポーツ選手や監督、将棋の羽生善治、iPS細胞の山中教授といったスポーツ・研究・囲碁将棋・ビジネスなどなどあらゆる分野の"熟達者"から話を聞いて、どうやって学んでいるのか、なぜうまくなれたのか、どうして問題に気づけるのかの共通点を紐解いていく。
名前を挙げた人のインタビューが載っているわけではないです。

熟達は成果(パフォーマンスの質)ではない、という話も良い。

熟達の最大の喜びは身体を通じて「わかっていく」 ことにある。ただ頭でわかるの とは違う、「ああそうだったんだ」という深い腹落ち感を伴った理解だ。

私の競技人 生のピークは二十七歳だった。その後三十四歳まで現役を続けたがピーク後の競技人 生はつまらなかったかというと全くそんなことはなかった。
自分をより深く理解し、 成熟させることはむしろ終盤に向けて加速して行った。熟達にはこのような「身体で わかっていく」喜びがある。

成熟と共に探求が続いていくのだ。何より、自分を扱うことには終わりがない。

 

失敗の科学

失敗から学習するということがいかに重要で、かつ難しいかを書いた本。
ニンゲンは本能的に失敗を遠ざけようとするが、失敗から学ぶ組織や人だけが得られるものがある力説している。僕もそう思う。

航空業界は失敗からの学びを積み重ねている、医療業界はそれに比べると失敗からの学ぶことを徹底していない(?)という批判からはじまる。 
批判というか、どうしてそういう構造になるのか、という内容。

この本は失敗を繰り返すことがやるべきだ、というメッセージで締めくくられる。

失敗の科学

失敗の科学

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大本営参謀の情報戦記

リサーチャーやアナリストから評判の良いこの本。
戦争や軍事の話が苦手なひともいると思うんだけども、この本は読んだほうがいいんじゃないかなーと思います。

前書きからこれよ

物語の大部分は、自ら太平洋戦争の戦場が主体であるが、企業でも、政治でも、社会生活の中でも、情報が極めて重要な役割を占めている今日、それぞれの分野や組織で情報に関係する人びとにとって、それなりの示唆を与えるものではないかと思っている。

本文中では再々、戦略・戦術・戦場という昔の軍隊用語が出てくるが、もし企業の方々が読まれる場合には、戦略は企業の経営方針、戦術は職場や営業の活動、戦場は市場、戦場の考察は、市場調査とでも置き換えて読んでくだされば幸甚である。

大本営参謀の情報部で米軍の作戦開始時期を予測しまくり、マッカーサーと同じ思考ができる「マッカーサー参謀」と呼ばれたほどの分析者である堀栄三(中佐)が、情報や分析を軽視されて活躍できなかった話だ。
(あまりに当てるので、戦後に「米軍から機密文書が漏れていて、それを見ていたのではないか」と問い詰められるくらい)

「空母アリゾナ型轟沈!」「エンタープライズ轟沈!」「戦艦二、重巡一轟沈!」

戦果がどんどん報告されて沸き立つ現場に立ち会って、「どうして轟沈とわかったか?アリゾナとわかったというのはどうしてか?艦型は?」とよくよく飛行機乗りにヒアリングしてみると、怪しく曖昧な答えしか得られないというシーンには痺れた。

現場のヒアリングや観察をしてはじめて欲しい情報が得られる。

「この成果は信用できない。いかに多くても二、三隻、それも航空母艦かどうかも疑問」と電報を打つ情報参謀。こういうのは現代の仕事の現場でもあるあるだ。

この本と直接の関係があるわけじゃないが、読んでいてずっと「シン・ゴジラ」のセリフが頭をよぎる。

 

日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち

実は僕はまだこの本を最後まで読みきってないんですけど紹介しちゃいます……すみません。しかも本記事で紹介しているのにニンゲンらしさに直接は関係ない。セットでおすすめしたいんよ。

某社のCTOをしている友人とご飯を食べているときに「大本営参謀の情報戦記」が面白いと言われて、なんたる偶然か僕は「大本営参謀の情報戦記」をカバンに入れていたので取り出して見せたんですが、なんでもってるのーって爆笑されたんですよね。

で、そのときに「じゃあ次にこの本を読んだらいいよ」とオススメされたのがこの「日露戦争、資金調達の戦い」です。

貧乏な新興国である日本が国際金融市場を走り回って日露戦争の戦費を調達する内容だそうで、ベンチャー企業の資金調達がわかる人が読んだら絶対に面白いと。なるほど。

戦況で証券価格が推移する話とか面白そう。
紹介を書いてて早く最後まで読まなくてはという気持ちになってきた(早く読めよ)。

 

失敗の本質

誰もが知ってる名著で説明不要と思いますが、この流れで軍事3冊セットで読むと良い本として紹介しちゃう。
曖昧な指示、忖度してふわふわした関係性、事実より頭のなかで描いた状況を前提に情報を軽視。前例主義。タイトル通り、どう失敗するのかのを研究した本。

初版は1984年(昭和59年)だそうですけど、まだ未読の方は今こそ読むべし的な名著ですよ。

「大本営参謀の情報戦記」と「日露戦争、資金調達の戦い」にあわせて3冊セットで読もう。

 

成長企業が失速するとき、社員に"何"が起きているのか

これは「パラドックス思考」について立教大学の舘野先生にインタビューに行ったときに教えてもらった本。タイトルだけで読みたいと思うでしょ。
(パラドックス思考もめちゃ面白い本なのでインタビュー読んでみてね)

会社の方針に肯定的なだけの社員はエンゲージメントが高いのではなく、エネルギーを使っていない。

この冒頭の話だけで読む意味がある本だなと感じました。
そして、この図よ…

一番イケてて大好きなのは、ここ。

メッセージは従業員にとって現実味のあるものにしなければならない。

単に根性論でたきつけたり、「私たちは偉大になるだろう」といった根拠のないメッセージでは意味が無い。経営層やリーダーは、従業員に対して彼らや会社がおかけている現実をはっきり述べる責任がある。リアルでなくてはならない。それこそ従業員が望むことだ。

問題があると誰もが知っているのに肯定的なイメージしか提示されていないと、経営層やリーダーが従業員達を欺こうとしているかの印象を与えかねない。

あれ?もしかして僕って失敗の本が好きなのかな……

 

対立の炎にとどまる

人種問題や性差別、貧困などのさまざまな対立を扱っている本。
ひとつひとつの話が重い……読んでいて人類が面倒臭すぎると感じるが、タイトル通り簡単に答えを「出さない」ことの大事さを説いている。

民族対立から「殺してやる」と叫んでいる人に「殺すなんてダメだよ」と言ったら、慈しみのある落ち着いたトーンで

「聞きなさい。殺したらどれだけ安心できるようになるか、あなたは分かっていない」

と言われる。「復讐心や殺したいという気持ちを持つべきではない」と言えるのは特権的な立場だと知ることも大切……といった重い話が連発だが、対立の炎にとどまることの大切さが理解できる。

リーダーは主流派の支持を得ようするが、エルダーは全員の味方をするというのも良かった。
他にも様々な学びのある本だった。ニンゲンはむつかしい。

 

エラスティックリーダーシップ

オライリージャパンさん、電書でもいいし部分的にでもいいので再販お願いします!
というのも、これもう売ってなくて、中古市場でも値段がバカ上がりしてる本なんです。そんな本を紹介してごめんね。

発売したばかりのころに1冊買ったんだけど誰かに貸してなくなったのでもう一冊買いました。プレミアム価格で。

「サバイバルモードから学習モードに切り替えられない組織」もあるし「自己組織化モードから次のサバイバルモードに入れない組織」もあるよね。

この図のためだけに読む価値ある。もう買えないけど…

 

 

感想戦がしたい & インプットをちゃんと実践して活かすぞ

前回の記事でも書いたけど、好きな本が僕と被ってる人は声かけてほしいです!
感想戦しよう。

 

さてさて、来年も面白い本をたくさん読んで、インプットをちゃんと実践して活かすぞ~!!!!!

マーケティングの本であって、サポート手法の本にあらず/『Twitterアクティブサポート入門』


先日、smashmediaの河野さんが東京に来ていたので、食事をご一緒させていただいたのですが、その際に河野さんの新刊"Twitterアクティブサポート入門  「愛される会社」時代のソーシャルメディアマーケティング"をご献本いただきました。

折角、書店に並ぶ前にいただいたのに読むのに時間がかかってしまいました(汗)
本もらったからヤラセで絶賛していると思われないように厳しく ・・・真摯に感想を書かせていただきます。


twactivesup.jpg

アクティブサポート」というのは顧客のサポートをしながら顧客を正しく理解するマーケティング手法。

アクティブサポートは顧客へのサポートであると同時に、サポート以上の可能性を秘めていると感じました。これは新しく、そして同時にとても原始的なマーケティング方法です。
マーケティングの第一歩は「消費者を正しく理解すること」からはじまります。アクティブサポートを行い、消費者と直接対話して、本音を伺うことで、これまでよりも正しく理解できるはずです。

具体的には、電話やメールでのサポートのようにお客様から連絡が来るのを待つ(パッシブ・受け身)のではなく、ツイッターなどのソーシャルメディアを使って、自社の製品やサービスについての声(主にツイッターでのつぶやき)を検索し、疑問を解決するためのサポートを行ったり、顧客の不満を見つけてサービスを改善をしたりするというもの。

僕自身も企業アカウントの中の人として、色々と問題解決をしたことがあります。
(販売や接客もするアカウントだったので、本書にあるようなサポート専用アカウントではありませんでしたが)
お客様から店舗の自動ドアの感度が悪いことを教えていただいたり(ちょっと感度悪いくらいで店員を呼ぶお客様はほぼいないのでツイッターでのつぶやき検索ならではの問題の発見でした)、店員のミスが発生した瞬間に発されたツイートを発見して対応したり。


ですが、実は僕のようにツイッターを使ってお客様サポートをするだけではアクティブサポートとはいえない、と本書には書かれています。また、アクティブという言葉から積極的に頑張ってサポートするという意味で捉えてしまうこともあるかもしれませんが、そういう意味でもないとも。

むしろ、本書を読み終わる頃には、能動的に顧客の声を探して問題解決することや、徹底した顧客サポートを行うこと、そういった姿勢を見せることなどは、「アクティブサポート」というマーケティング概念の一部でしかないということがわかるはずです。

この本で書かれていることはツイッターを使った顧客サポート手法ではなく(もちろん、手法もマニュアル形式でかなり詳しく書かれていますが)、製品(サービス)開発から顧客への姿勢、その企業の商売に関わる多くの物事をアクティブサポートという(顧客を正しく理解する)システムのコントロール下に置くという、まさに『新しく、そして同時にとても原始的なマーケティング方法』が書かれているのだと(僕は)感じました。
(顧客の声を製品に反映するのであれば対面接客や電話、メールでのサポートでもできると思うかもしれませんが、ソーシャルメディアによってインビジブルマジョリティ-見たくても見えなかった多数派-の声が可視化されているという点が大きく違うと本書にも書かれています)


ですから、単純に顧客対応チャネルを増やそう、という意味でツイッターでのサポート始めるのであれば、アクティブサポートというよりも、それはツイッターサポートでしかないわけですよ(アクティブサポートに至る過程としては、そこからスタートするので良いのでしょうけれど、部分的に切り取ってしまっては違うものになってしまう、という意味です)



僕が、このアクティブサポート入門で一番好きなのは35ページのこの件。
(強調と空白行の挿入は引用者フジイによるものです)

アクティブサポートには業界による向き不向きや、企業の規模による向き不向きなどがあると思いますか?
結論からいえば、業界や規模は関係ありません。むしろ企業風土や現在のブランドイメージが関係してきます。

たとえばコールセンターに寄せられる問合せをどれもクレームであるかのように考えている企業には向いていないし、顧客からの要望に応える意思や体制が整ってない企業にも向いていません


これはアクティブなサポートでもパッシブなサポートでもそうなんだけれど、ことアクティブサポートに関しては本書に書かれている(そしてこのエントリで解説した)通り、顧客を正しく理解し、その声を無駄にすることなく取り込んでいく体制をもつことが、何よりも重要なんだと思う。それがなれば、声を聞くための窓口なんてものは、ただのポーズになってしまう。

でも、残念なことに『貴重なご意見は今後の参考にさせていただきます』と返答をするだけの企業が多く、顧客の正しい声を取り込むことができる体制・文化を持つ企業はものすごく少ないです。

本書で書かれていることを実践できれば、副題にある「愛される会社」への近道になると思うのだけれど、企業によっては、その道に入る前にそびえ立つ壁はとても大きいですよね。

なんと本書はそういった問題を超えていくための上司・社長の説得方法まで書かれていますのよwww

これにはビックリw
そういう意味でもすごい本だと思いますw


ただのサポート手法ではなく、マーケティングのためのシステムというか概念についての本なので、いろいろな業種の色々な立場の人が読むといいんじゃないかなと思いましたです。



クレーム対応マニュアルw


まあ、結論から言ってクレーム対応マニュアルとか無い方が良いんで、タイトルは釣りみたいなモンですけど。


ぼくは色々な業務をやっているのですが、企業でクレーム対応をしていたりもします。
オペレータじゃなく、自分が最終防衛ラインだったりするので、けっこう色々なことがあります。
ヤクザに脅されたりとか、弁護士に相談に行ったりとか(詳細は書けないけど)

まあ、クレーム対応本とかも何冊か読んだのですが、正直あまり役に立ったことはないです。
それよりも関係法規の解説とかをネットで読み漁った方が、よほど役に立つのです。



先日、社内で管理職を集めての勉強会があったんですけどね。

そこでクレーム対応をどのように行っているのかについて話すことになったんで、改めて「最近のクレーム対応本で何か役に立つの出てないかなあ」って何冊か買ったんですよ。


そんな中に、今まで役に立つ本はないと思っていた僕でも「おっ、これは」と思った本がありましたのでご紹介。

それが、この「プロ法律家のクレーマー対策」です。




この本は、悪質クレーマーに対応する時のポイントを実務にそってしっかりと書かれています。
非常にわかりやすいし、法律家が書いているだけあって、ブレがない。

ですが、僕は社内勉強会の参加者にこの本を薦めませんでした。
クレーマー対応を書いた本としては完璧すぎる内容だったからです。


「完璧すぎるから薦めない」の意味がわかる方は、サービス業のベテランだと思うのですが、わかりました?


僕の経験上、企業の管理職とか店長とかは、その立場上ディフェンシブな考えの方が多いのです。
そんな人が、この本を読んでしまったら、クレーマーではないけれど、ちょっと難しいお客様に対してもクレーマーとして切捨て対応をしてしまうはずです(かなりバランス感覚が良い人か、ホスピタリティ偏重の人なら別ですが)

この本の中でも悪質クレーマーかどうかを見極めるように書かれていますが、僕の経験上、管理職や店長などの立場の人は、こういう「切捨てる知識」を得てしまうと、それに頼りすぎてしまう傾向があると思っています。

そんなわけで、この本をそのまま薦めるってわけにはいかなかったのです。完璧すぎるが故に。



この本にも書かれていますが、クレーム対応にマニュアルを作るのは危険です。
しかし、このエントリで書いたように、この本を読んだ人は、この本をクレーム対応マニュアルに使ってしまう危険性があると思うのです。


クレーム対応は、マニュアル化できるようなものではないのです。
対応がブレないためのガイドライン(Notマニュアル、意味わかるかな?)だけ用意して、タフさと公平さとサービス精神を持った人間が対応しなくてはならないと思うのです。


そんな僕が社内勉強会用に作った資料を公開するかどうか迷い中。
自分で言うのも何だけど、かなり良い資料ができたと思う。

ただ、資料だけ見てわかるもんじゃないんだよね。話聞いてもらわないと。


まあ、もしも資料を見たいとか話を聞きたいって奇特な方がいれば、連絡くださいー。






ハイパフォーマンスチーム完成後の失敗


最近、某社の社長と食事をした時に話したこと。

スタートアップから数年して、なかなかナイスなチームができあがっていたりすると、「俺たちは最高だ」って思っちゃったりするわけですが、それは罠だったりして、もう1年くらいした時に信頼していた部下が退職したりしちゃったりするとガタガタになるよねって話をしたんですが。


何度、チームを作り直しても、良いチームができちゃったりすると凄い高揚感で、同じ罠にハマったりするよねーって話をしました。


ハイパフォーマンスなチームを運営できている時は、チーム全体にコミットしている高揚感みたいなのがあって、この中の誰かが辞めるなんて考えられない・・・とか、いつかは辞めるのかもしれないけどリアルに想像できない・・・って状態になったりするんですよ。

これ、体験したことある人ならわかってもらえると思うんだけど。


んで、対策なんですが。

はじめの一歩を踏み出そうというマイケル・ガーバーの名著が参考になると思うのです。ぼくも最近読んだのですが。

この本自体は起業を考えている人向けという触れ込みだったのですが、タイトルとは裏腹に中身はスモールビジネスを立ち上げて数年しても組織を拡大できずにいる人向けの本なのでした。

原題The E-Myth Revisitedのまま出してくれればよかったのに。


タイトルがタイトルなので、ぼくみたいなサラリーマンのひとが社内に置いておくと「こいつ独立する気か?」って思われちゃうから、ちょっとアレなんですけど、経営者でもサラリーマンでも組織拡大ができずにハマるポイントが上手く書かれているので、"そういう立場の人なら"サラリーマンの人でも読んで面白く、役に立つ本だと思います。

わざわざ、"そういう立場の人なら"って書いたのは、超勉強家の起業家の人が読んでも、その人がゼロベースからの組織作りの経験がない人だったとしたら、実感が湧かずに「ふーん」って思う程度で役に立たずに終わっちゃうんじゃないかと感じたんですよね。

なので、この本のタイトルだけ見て起業を考えている人が買っても「ふーん」って感じなんじゃないかと思うので、起業家の人よりもスタートアップから数年経過したけど規模拡大できずにいる起業家の方が読むと良いです。はい。



それはさておき、冒頭に書いたようにハイパフォーマンスなチームが出来たけど数年後に継続できなくなる・・・って経験をしたことがある人への答えが書いてある一冊。

簡単に言えば、起業家たるもの仕事を回すのではなく仕事を作れ、みたいなことが書いてあるわけですが、当たり前のことのようで、ここまでわかりやすく実務レベルのリアルな内容がまとめられている本は貴重だと思います。
概念的にわかっているだけで、実際にできていない人(いや僕のことですけど)こそ読むべきだと思います。