本をよく積みます。よく読むではなく、ともかく積んでいます。
俺たちの本積むスピードには誰も追いつけない(読んでない本、まだまだあるのにまた本を買ってしまう) pic.twitter.com/RxrHrRl8KX
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2021年12月17日
毎週土曜の朝から積読を強制的に消化する会というのをオンラインでやってまして、「誰か来るだろうから起きて読まなくては……」と強制力が働くことで本を少しずつ読むことができています。参加者のみなさん本当にありがとう。
時期によって人が増えたり減ったりして、ここ最近は数人しかいない状態なので新規参加者を募集しております。誰でも参加できるので参加してみたい方は連絡くださいな。
というわけで、今日は読んでよかった本をまとめて紹介していきたいと思います(今年じゃないのもちょっとあり)。
まとめてみたらニンゲン的な原理や不合理と付き合うための本がほとんどでした。そんなテーマをもって本を買ったり読んだりしてるんじゃないんですけどね……
「この本、自分も読んだよ」とか「面白そうだから買ってみた」なんてコメントや反応もらえたら嬉しいです。
測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
この本は面白いので是非。
計測している指標すべてが重要なわけではないし、むしろ重要なものすべてが計測できるわけではない。至極当たり前のはずのことなのに社会では定量評価が有害になることが多いという事例を描いてる本。
定量的に見たせいで誤る場合もあると指摘した『測りすぎ』は「戦況を見ず敵の死者数で戦果を測ると判断を誤る」みたいなことが書いてある名著。
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2022年7月29日
「測りすぎ」も「測らなすぎ」もニンゲンは評価が下手という話なんだけど、せめて「本当か?」と手を止めて別の視点で考える姿勢くらいは持ってたいよね。 pic.twitter.com/SASRgj9ERl
最後の章でどうしたらおかしなことにならずに定量計測できるのかのチェックリストがあるんで、そこだけでも読んで欲しい。
そこの章の各見出しだけ定期的につぶやくSlack Botを入れるだけで幸せになれるチームもありそうってくらい有益。
で。この「測りすぎ」とセットで読んだら面白いなーというのが「事実はなぜ人の意見を変えられないのか」という本。
ちょっと前に読んだ「事実はなぜ人の意見を変えられないのか」と合わせて読むのとより面白い感じあるな
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2021年8月7日
事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学
この本もめちゃめちゃ面白い。
例えば、「なぜ人は専門家を頼るタイミングを間違えるのか」とか「賢いはずの人がどうして判断を誤るのか」というようなことが書かれています。
一部引用しますが、ここだけでもう面白すぎるんよね。。
それどころか認知能力の優れている人ほど、情報を合理化して都合の良いように解釈する能力も高くなり、ひいては自分の意見に合わせて巧みにデータを歪めてしまう。だとしたら皮肉な話だが、人間はより正確な結論を導き出すためではなく、都合の悪いデータに誤りを見つけるために知性を使っているのではないだろうか。
話し合いの作法 「対話と決断」で成果を生む
企業・組織の人材開発やコミュニケーションなどを研究されている立教大学経営学部教授の中原淳先生の本。ぼく、中原淳先生のファンなんですよ。
冒頭から良い。
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2022年9月2日
テンションがブチ上がる。 pic.twitter.com/zEBHLYLYbv
「話し合いの作法」読了!すごく良かった。色んな人にオススメしたい。
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2022年9月3日
何が良いって、このタイトルの本で対話は万能ではない、対話ロマンティシズムに陥らないで決断・決定・行動を大切にしろって書いてあることだね。
最高。 pic.twitter.com/kKdbS4N9ML
繰り返しで定期的に再読したいくらい良い本なのでおすすめ。
経営学習論
同じく中原淳先生の本。カジュアルに読める「話し合いの作法」と違ってこっちはガチめのやつなんで、こういうのが本当に好きな人向け。
このツイート見て「おっ」と思う人にはオススメできると思います。
中原淳先生の「経営学習論」、時間かかったけどなんとか読了。
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2022年4月2日
"本書は「経営学習論」という学術研究領域を扱う学術書である"という冒頭の通り、職場での学習や能力向上をビジネスの経験則ではなく研究対象として扱った本。
圧倒的な研究内容と情報量のすごい本だった…… pic.twitter.com/LTyU9KDyn3
PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則
サブタイトルの通り「人生と仕事の原則」が書かれていてレイ・ダリオのような凄い人が失敗を繰り返して得た原則が説明されている。
雑に要約すると「ニンゲンは面倒なことや辛いことが嫌いだけど、欲望は強いって原則があるんでそこを上手く刺激する方法があるよ」みたいなことが書かれている。
でもハックとかテクニックって感じじゃなくて、まさに「原則」と言えるような内容。
買ったけどずっと積んでいた本。だって分厚いし、見た目の攻撃力が高くてちょっと気後れするんだもの。
朝の読書おわりー。今日はこれ。
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2022年7月2日
まだ3割くらいしか読んでないけど。 pic.twitter.com/dX8VYxoWmB
飛ばしぎみに読んでるけど、やっと7割くらい。内容はとても良い。
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2022年7月9日
事実を大切にし現実と向き合う。
確からしさをベースに意思決定する。そのためにも隠さないこと。 pic.twitter.com/6sRQ93RdjC
内容的には自伝みたいな感じなんであまり読みやすいとはいえないのだけど、実は赤いページだけとか太字になっているところだけ読むので内容的には理解できます。
定期的にアナグラムの阿部さんが「人生で最も感銘をうけた書籍はレイ・ダリオのPRINCIPLES」ってツイートしていて、そんなに良いのかーと思って買ったのですよね。
It's my bible!
— sem_master (@semlabo) 2022年7月2日
ですよね。何度かツイートで紹介されてたのを見かけて買ったのですが、読まずに積んでいましたw
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2022年7月2日
やっと重い腰を上げて読んでます…
もっと早く読んでおきたかったなーという内容ではあるので、オススメです。
ちなみに分厚いですけど、最初は飛ばし読みのがラクで良いかもしれません。
太字のところだけ読むだけで良い本だと思います。親切設計w
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2022年7月17日
(ちなみに横から見て赤いページだけ読むのが更にラクに理解できます) pic.twitter.com/ka5jZAhvOQ
THE FORMAT
キャスター取締役、石倉秀明さんの本。
この本では様々な状況、例えば人に依頼するときや忙しい上司から承認をとるときなどに合わせて「これだけ書いておけば伝わる、逆にこれくらいは埋めないと伝わらない」フォーマットを紹介してくれている本。
「THE FORMAT」読了ォォォ。
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2022年11月19日
仕事テクニック本っぽい仕立てだけど、中身は現代におけるコミュニケーションの本。僕もいくつか自分のフォーマットを持ってるから凄く良い本だと思った。
若手に読んでほしいなー(年代問わず"変われない"人は読んでも実践しなそうではあるけど……) pic.twitter.com/jIq7knJT3I
このツイートの通り、このフォーマットで伝えなさいと仕立ての本なんだけど、むしろ「なぜこのフォーマットなのか」を説明していて、仕事ができる人のコミュニケーションはどうなっているのか分解した本といえるかと。
ついつい必要な情報すらも端折って伝えてしまう自分たちが持つニンゲン的原理・ニンゲン的な不合理と上手く付き合うための方法論としての「フォーマット」。
チームトポロジー 価値あるソフトウェアをすばやく届ける適応型組織設計
2022年の元旦から読んだのが「チームトポロジー」
元旦から読書したから年末までほぼ休まずに土曜日の積読消化会をやれたのかなw
毎週土曜の朝8時からオンラインで積んでる本を少しでも読む会やってて、さすがに元旦が土曜日だと僕以外だれも来ないだろうと思ってたんだけど、今日も参加してくれる人いたw
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2022年1月1日
今日も「チームトポロジー」読んだけど、難しすぎて理解できてないんだよな。。詳しい人に教えてもらいながら読みたい…… pic.twitter.com/tQN8TWyto2
チームトポロジーは、ソフトウェア開発で高速なデリバリーを実現することを目的とした、組織アーキテクチャをと実践方法が書かれた本です。
タイミーやRettyあたりがガチに取り入れていて、最近だとLayerXとかUbieも実践を始めているという感じかと思います(ネットの記事で読んだ程度の情報ですが)。
「トポロジー」というだけあって、人間の集まった開発組織をパフォーマンス出やすい組織にする要素や相関を抽象化したダイアグラム、モデルが書かれています。もう少し説明すると(どうしても複雑なものだから分かりやすくならないけど)、組織・ビジネスに必要な機能をモジュラー化して各モジュール(≒チーム)のAPIつまりコミュニケーションの振る舞いをモデル化するという組織アーキテクチャです。
自分で書いていて説明になっていない気もするけど、そういう本なんです。ぜんぜん簡単じゃないし、開発組織系でもかなり上級者向けの本だと思います。
読んで良かった本のではあるけど、ぼくも理解できてる感じではないので詳しい人の解説を聞きながら勉強したい本って感じです。
ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?
今朝はこれを読む。。。
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2022年10月7日
帯のダサさに脳が読むことを拒否してくるんだが…… pic.twitter.com/L8wMNXa497
ノーベル経済学賞のダニエル・カーネマン代表作。
素早く自動ともいえる判断や意思決定ができる「ファストな思考(システム1)」と、論理的な判断をする「スローな思考(システム2)」がどのように働いているかを実例や実験結果を交えて説明している。想像以上の不合理な結果に「そんなことある⁉」と思わせられながらも、錯覚や思い込みの影響がどのようにあるかについて納得の説明をしてくれる。
どうせ「直感的なシステム1は不合理で、論理的・理性的なシステム2を上手く使うべし」という本だろうと思って読み始めると、実際は「あなたが思っている以上にシステム1は凄い能力をもっている。ただしコントロールできない。」というような真実を突きつけられる。
この記事で紹介している多くの本がそうであるように、ぼくは「ニンゲンが自然にする不合理をいかに受け入れ、それを良い方向性に使うか」ということに凄く興味がある。
そういう人間の原理的なところを説明したものなので発売から数年経っても色あせません。というか、むしろ2020年台に読んで面白いかもしれませんね。
未読の方には是非とおすすめできる本です。
NOISE 組織はなぜ判断を誤るのか?
ちなみに今まさに読んでるところなのですが、
次は「NOISE 組織はなぜ判断を誤るのか」を読むー。
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2022年12月10日
ダニエル・カーネマン本として「ファスト&スロー」は個人、「NOISE」は組織の話と聞いたので読むの楽しみ。年内に読み終わるかな…… pic.twitter.com/x6lvpEyM2T
同じダニエル・カーネマン本でこちらも良いよとオススメされたNOISEも面白いです。まだ途中までしか読んでないけど。
数理モデル思考で紐解く RULE DESIGN -組織と人の行動を科学する-
ルールはときに面倒なだけだったり、みんなが守れないルールが作られたりします。この本は、ルールが上手く機能しないのはどんなときかというアプローチから、どのようにルールをデザインすれば良いのかという核心に近づいていくという面白い本です。
読了ォォォォ
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2022年12月10日
前半というか、7割くらいはこの帯にあるように「なぜ、人は想定通りに動かないのか」について事例やデータをベースに書かれていてファスト・アンド・スローとかみたいな心理学とか行動経済学系の本に似てる。 pic.twitter.com/lRIYfjArNK
人間の不合理な部分をルールでカバーすることもできるし、逆に不合理さによってルールが破壊されることもあります。そこを解説してくれている良書。
RULE DESIGNの続きを読む。
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2022年12月2日
もしかしたら、これは今年のベスト5くらいに入る良書かもしれないな……
なにかのルールデザインをするときにはこの本を読み返したいなと思っています。
これから読む人には、まず7章(最終章)を読んで、それから1章から順に読んで、最後に7章を読み直すみたいなのをオススメしたいかも。
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2022年12月10日
……
数理モデル思考で紐解く RULE DESIGN -組織と人の行動を科学する- https://t.co/F3J3Wfa6Vq
LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる
「話を聞くこと」についての本。
いや、邦題ではこの副題にしなくても良かったんじゃないか?w
今日はこれ。
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2022年9月9日
知性豊かで想像力がある人になれるらしいので読みます。 pic.twitter.com/Zss3kA0Lc5
うなずいたり、アイコンタクトしたり
— フジイユウジ (@fujii_yuji) 2022年9月9日
相手の言葉を言い換えて確認したりする「良いとされてる傾聴の姿勢」みたいなものをど派手に否定してるのが面白い。そんなものは偽物だ、という感じ。
この本の広告とか、Amazonでの説明なんかだと「聞く技術」の本っぽい感じのことが書かれているのだけど、実際の本の内容は違う。
よくある「傾聴のテクニック」はすべて偽物であり、そんな嘘のテクニックなど使わずにちゃんと相手に向き合え、というようなことが書かれている。なんかスカッとしますねw
会話のためのテクニック的な質問ではなく、本当に相手への興味を持った問い掛けができるかということが問われる感じ。
かなり分厚い本だけど、なるほどと思わされることも多い良い本だと思います。
感想戦したい & 2023年もインプットを増やしてがんばるぞ
他にも読んだ本を紹介したかったけど、今日はこれくらいにしておきます。
「この本は自分もすごく好き」って人と感想戦やるの大好きなんで、ぼくが紹介した本好きな本が被ってる人は声かけてほしいです!
さてさて、来年も良い本に出会えるといいな。