いま話題のGoogle Mapsスパム(MEO)業者からDMが来た話。

こんにちはこんにちは。

今年になって初めてブログを書きますフジイです。あけおめ令和。

昨日ですね、日本語インターネットを良くするを標榜する(そして実際にご自身の専門領域でインターネットをより良くする活動をされている)辻正浩さんがこんなブログ記事を公開されました。

【注意喚起】Google Maps最適化(MEO)業者への依頼は登録削除のリスクがあります - 株式会社JADE

下記に辻さんの記事から一部を引用しますが、端的にいうと
Google Maps 上の店舗情報に過剰な最適化を施すとそれはスパムである。スパム業者に依頼することでスパムと知らなくても簡単に Google Maps 上から抹消される。
また、Wikipediaがユーザーの集合知で作られているように各ユーザーが Google Maps 上の情報に編集提案することで良質な店舗へのアクセスがスパマーに奪われるのを防ぐことができる
という記事です。

非常に多くのGoogle 検索結果にGoogle Mapsが差し込まれるようになりました。

Androidであれば趣味趣向に合わせてGoogleがおすすめの店を知らせてくるような機能も追加されています。

多くの人がスマホを活用するようになり、Google Mapsの地図情報が行動に与える影響が強くなってきています。

それを背景に、スパムを行う人がどんどん増えていったのです。

僕は辻さんのMEOスパムへの警鐘、インターネット上の情報汚染をインターネットユーザーで抑えようとする活動を強く支持します。

単にスパム良くないという話をするだけではなく、インターネット上の情報エコシステムを消費するだけではなくインターネットユーザー各自で守ろうという考え方自体がインターネット的で、僕個人も微力ながら何かできることをしようと胸が熱くなるブログ記事でした。

僕の観測範囲でも、「情報編集、今日だけで20件した」とか「これユーザーが編集できるのか!!やってみよう」なんて声が上がっています。
インターネット上の情報エコシステムをインターネットユーザー各自で作り、守っていこうという動きに繋がっていて、本当に素晴らしいなと。

そんなことを思った当日、僕にMEOスパム業者からDMが届いた

そんな風に胸が熱くなる思いをした当日。

当日にですよ。

Googleローカルガイドでインフルエンサーになれることをご存知ですか? 突然のオファーで驚かせてしまい、申し訳ありません。 私は株式会社■■■■■■と申します。弊社は港区■■■■にオフィスを構えております。(移転したばかりですが・・)

現在、高レベルローカルガイドの方々に限定して、モニターを募集しております。 内容は■■■■■■■■でサービス体験とそのクチコミのみになります。サービス料金はもちろん、交通費まで弊社でご負担致します。さらに高レベルのローカルガイドの方には最大で5万円の謝礼をご用意しております。

クチコミでインフルエンサーになれる事をご存知でしたでしょうか? グーグルマップが日々進化しており、日増しにローカルガイドの影響力も強くなっています。弊社では高レベルローカルガイドの皆さまとインフルエンサービジネスをしたいと考えております。ご興味がございましたら、ご連絡ください。

■■■■ 社長室 ■■■■(ローカルガイド レベル7)

※■は筆者による修正

辻さんの記事がTwitterはてなブックマークで話題になって業界人はみんな読んでるよってときに 2019年にもなってペイパーポストの依頼って…

ペイパーポストというのは、お金をもらってクチコミを捏造する仕組みであることが多く、いまはステルスマーケティングステマなんて呼ばれることが多いですね。

言うまでもありませんがローカルガイドは評価を操作する目的でコンテンツを投稿することは禁止されています。

この依頼をしてきた人物のTwitterアカウントを見てみるとMEOの責任者なのだそうで、「今日もローカルガイドのレベル○の方とレベル○の方ににクチコミを書いてもらいました!!」みたいなツイートをしています(無邪気だな…)。
インターネット上の情報汚染を進める側の人間ということですね。

辻さんの素晴らしい警鐘エントリが話題になった当日にこんなのを送ってくるとは良い度胸だ。お前も蝋人形にしてやろうか。

と、いっても個別にこの会社がクソですって話をしても仕方ない

このクソDMのTwitterアカウントや会社を晒して、個別に炎上していただくことは本意ではありません(ので社名とかは伏せました)

僕の思いは(下に引用した辻さんのブログ記事にもあるように)インターネットのエコシステムを構成する利用者の協力が広がることで、2019年にもなってステマを頑張る雑魚が炎上することではありません。雑魚め。

インターネットのエコシステムを構成するのはプラットフォーマーだけではなく、その利用者も含まれます。有益なエコシステムを成り立たせるには、企業だけではなく利用者の協力も必要です。

そして現在、この中にはエコシステムに寄生する悪質な業者も含まれてしまっています。飲食店経営者などインターネットに詳しくない人を騙してリスクを負わせて利益を上げようという悪質なGoogle Maps最適化業者はその一つです。

いまのままだれも警戒しなければ、今後更に被害者は増えていくことでしょう。

僕はインターネットの情報エコシステムを愛する個人として、良いお店の情報が得られるはずのアクセスをスパマーに奪われるような不健全なインターネットは少しでも改善されて欲しいと願っていますし、善良だけれど無知なお店の人がスパマーにお金を貢ぐこともできるだけ減らしたいと思っています。

辻さんのようなスペシャリストに比べれば僕にできることなど微力極まりないのですが、それでも今回DMを送ってきたようなスパム事業者が「身近に」存在することを少しでも広められたら(悪質な業者が悪質な行為をするのを止めるようなことがなくても)、悪質な行為を許容する人や騙される人が減るのではないかと考えています。

こんなことしても無駄、という悲観的な見方もあるかもしれません。
でも僕らインターネットに生息している人たちは、インターネットを利用する個々ユーザーの行動がエコシステムを作り・守ってきた事例を知っています。

少しずつだけでもインターネットの情報をより良くする動きをする人たちを増やせたら良いなと思い、このブログエントリーを書きました。

そのためには僕の言葉よりも業界では半分冗談、半分は本気の敬意をこめて「神」と呼ばれているスペシャリストである辻さんの言葉の方が刺さると思うので引用して、このブログエントリの締めとさせてもらいます。

どうか、ほんの少しでも、インターネットを良くしたいって人が増えたらいいな。あなたもそれに参加できるんですよ。

ぜひ、下記の2つだけでも考えてみてください。

「知っている店が騙されていたら注意喚起すること」

「自分が関わる業界の検索結果で違反を見つけたら情報の修正・通報を行うこと」

このような問題をしっかりと多くの人が認識することは、悪質な業者の活躍の場を減らす事になりますし、プラットフォーム側での改善への注力度を上げる事にもなると考えます。

私も今後もこの情報の修正と通報を続けるつもりです。

もし皆様もその流れに加わってくれたのでしたら、自分も便利に利用しているエコシステムがより便利になりますので、とても嬉しくおもいます。

今日からGDPR施行だけど実は何もしてなかったぜというWEB担当者のために書いた

こんにちはこんにちは。5月25日ですね。

今日からGDPR施行じゃないですか。 ヤバくない? 何もしてなくない? やっべえな、というWEBサイト担当者/アプリ開発者のためにブログをしたためます。 内容的には「GDPR、何をしたらいいかも何もわからん」という人向けです。これでバッチリ適法、というレベルになるわけではないことは理解して読んでね。

できる限り適切に書いているけれど、この通りにしたら酷い目に遭ったぞなどのクレームは受け付けません(免責)。

あと、プライバシー保護ガチ勢の人はユルい内容に怒らないで欲しい。間違いへのツッコミかあれば歓迎ですが優しくお願います。

長いからこれだけ読んでおくと大丈夫

① 欧州圏からアクセスできるとかユーザー1人いるとGDPR対象事業者になる、わけじゃない ② プライバシーポリシー更新してるだけで対応済みとしている企業も多い

セキュリティコンサル的な会社が専門用語と巨額の制裁金で煽って「対応するの無理。やばそう。でも制裁金こわい」みたいな雰囲気にしている流れがありますが、完璧対応しないならコワクナイヨー。はじめの一歩を踏み出そう。

「一人でも欧州ユーザーがいたら駄目」みたいな微妙に間違った知識が出回っていて、発作的にEUからのアクセスをブロックしてしまうWEB担やアプリ管理者もでてきているようです。

まあ、おちつけ。

最低限の対応くらいは小さい企業でもできます。

もちろん、最低限で大丈夫ってわけではないですが、とりあえず実務的に対応できそうなレベルからやるってことで何もしないより良いじゃない。

あ、でもセンシティブデータ(人種とか健康に関するデータ・性的指向に関するデータ)を扱っていなくて、大企業や大規模サービスではなく、欧州向けにサービス提供してないし、完全に日本向けだよという人に向けてこれを書いています。

大規模サービスやセンシティブデータを扱ってる人は、僕の書くようなユルい対応ではなくガチ対応してくださいね。

欧州圏からアクセスできるだけでGDPR対象事業者になるぞ!巨額の制裁金ガーとかいう煽り記事に乗せらせないように

欧州圏からアクセスできるとか。欧州からアカウント作成できるだけでGDPR対象事業者になるぞ!巨額の制裁金ガーーーという煽り記事を沢山見ます。

まあ、おちつけ(2回目)。

欧州域「外」でサービス提供をしていても、域内にいる人(国籍などを問わず物理的に域内にいる人)の個人データを扱う場合が対象になることがあります。

個人データにはメールアドレス、IP、Cookieなども含まれますので日本でよく言う「個人が特定できる情報」より範囲は広いと思ってください。(GDPR第3条2)

これは個人運営であろうと、無償サービスであろうと対象です…………って、すべてのWebサイトが対象じゃねーか!?!?!と考えてしまいますが、実は違います。落ち着け。

 

GDPRには「管理者または処理者が欧州連合内役務を提供しようとする意思が明確かどうかを確認しなければならない。」とあります。

またGDPR前文23によると、域外でサービス提供をしていても「1つ以上のEU加盟国に所在するデータ主体(人)に対し、サービス提供をする意思があることが明白である場合」には、GDPR適用されるとされています。

つまり、実態として欧州連合に向けてサービス提供していなければ「アクセスできるだけ」では対象事業者とはならないというわけです。

「サービス提供の意思が明白か」の判断として、域内の国で一般的に使用される言語や通貨が使えるか、サービス説明やサポート文言などに欧州域内ユーザーについて書いてあるか、などがあるとのことで個別かつ総合的な判断になります。

日本語サイトでも域内ユーザーが利用するなら対象になるということでもあるので、あくまでも総合的かつ個別に判断されるのでルールはありませんが、

  • - 客観的に見ても明らかに日本国内向けのサービス
  • - 日本語のみでサービス提供している
  • - 決済手段が日本向け(日本円のみなど)であることがわかる
  • - 欧州へのサービスの提供について特段の記載がない
  • - 実態としても欧州ユーザーがほぼいない(例外レベルの数はいるとしても)

といった条件を全て満たすなど、99.9%日本向けサービスだけど「何か間違って欧州にいるユーザーが混ざる可能性が微粒子レベルで存在する」くらいなら対象外 と考えても良さそうということです。

 

「日本人向けサービスであはあるが、第三者から見てもまあ欧州ユーザーも少しはいる」くらいになると、数は少ないが状態的に欧州ユーザーへサービス提供していることになりGDPRの対象となるんでしょうね。

例えば、オンライン宿泊予約サービスがあったとして、利用者のほとんどは日本人だけど欧州からの利用もイレギュラーでないことを認識できたら、それはGDPR対象ということらしいんですね。日本語サービスだったとしても。

 

 

ちなみに、英語版もあるサービスは判断が難しくなります。 英語は欧州でも広く用いられていますが、米国や豪州など欧州域外の国でも広く用いられているので英語サイトだと一義的にGDPRの適用の有無が決定されるものではないようです。

その場合はより総合的な個別の判断となるので、かなりグレーです。グレー。 欧州ユーザーが実態としてどのくらいいるかとか見られそうだなと思います。

 

 

ちなみにGDPR対応したくないあまりに「欧州ユーザーは個人情報を書くな」とか記載してしまうと、欧州ユーザーにサービス提供していると見なされてGDPR対象となる可能性が高まりますのでご注意を。

簡易なGDPR対応は難しくはない。

今日、いますぐ対応しないといけないわけではないとしても、GDPRがインターネットにおける個人データ保護のスタンダードになる流れではありますので、無視し続けるわけにはいきませんね。

個人データの保護は「ここまでやったら大丈夫」というものがありません。

なので、大企業でも簡易な対応をしているところもあれば、アカウントを作っていないユーザーに対してもオプトインしてからでないと画面を表示しないようなところまで様々です。

ここでは、フジイ個人が感覚的に「何もしないよりマシかな」と思うレベル感で書いておきます(なのでこれが正解というわけではないですからね)。

 

 

以下、長くて分かりにくいのでスーパー最低限の「プライバシーポリシーにGDPRの権利を実行するときの窓口を書く、できるだけ使ってるサードパーティーサービスを書く」という2点からスタートすればOKくらいに思ってください。

GDPRに書かれている権利とか義務の確認

※ここの項は長いので読み飛ばしてプライバシーポリシーの項目だけ読むだけでも良いよ。

 

情報権(第 13条、第 14条) 管理者はデータ主体から個人データを収集する場合、データ主体に一定の情報を提供しなければならない。つまりオプトインによる確認やプライバシーポリシーでの明記が必要です。

説明責任(第 5 条(2)) プライバシーポリシーやGDPRステートメントへの記載。管理者は適切な個人データ保護指針の採択、およびその実行を含め、処理行為が適法な個人データ処理の要件をはじめとする GDPR の要件を確実に遵守し、かつそれを実証できなければならない。

アクセス権(第15条) 管理者はデータ主体から処理が行われている個人データへのアクセスの請求があればそのコピーを提供しなければならない。 全ての個人データ、DB内のデータやS3などにあるメディアファイル、サーバーログのIP等も含む格納状況の請求とエクスポートができる必要があるが実際は一部しか提供できないことが多い。実務的には「ログインしてマイページにアクセスすると見られます」で対応しているところが多いように思いますが、Slackはアクセス権を提供できる範囲を明確化していてわかりやすいです。 https://slack.com/intl/ja-jp/gdpr

削除権(第 17条(1)) データ主体は自分に関する個人データの削除を遅滞なく管理者から得る権利を有する。全ての個人データ、DB内のデータやメディアファイル、サーバーログのIP等も含む削除ができる必要がある。IPアドレスなどのログも含むし、Google Analyticsやサーバー管理ツールのログなども含む。ただ実務的にそこまでするべきかは分からないです。 一部しか削除できないのは権利を阻害しているとも言えますが、やはりこれもSlackが削除権を提供できる範囲を明確化していてわかりやすいです(ベストというわけではないですが実務的なやり方として参考になります) https://slack.com/intl/ja-jp/gdpr

訂正の権利 (第16条) 不正確な自己の個人データに関する訂正を管理者に求める権利を有する。個別対応かとは思いますので窓口の明記で対応することになるかと。

データポータビリティの権利(第 20条) 個人データのエクスポート要求があれば機械で読み取り可能なデータを提供しなければならない。全ての個人データ、DB内のデータやメディアファイル、サーバーログのIP等も含むエクスポートができる必要がある。これもSlackが参考になる。 https://slack.com/intl/ja-jp/gdpr

遵守実証の対策の実施(第24-30; 37-39条) 管理者および処理者は、個人データの処理行為の内部記録を保持しなければならない。これどこまでやるかは状況によるのかなと思いますが。

Data Protection Officer(DPO:データ保護責任者)の選任。 日本の私企業の場合は、大規模に個人を定常的かつ機械的に取り扱ったり、大規模にセンシティブ情報を取り扱ったりする事業者だと選任義務が課されます。まあ、小さい企業はいらないと思います。

制限権(第 18条) データ主体は管理者に対して一定の場合に個人データ処理を制限する権利を有する。一部のデータを管理者に秘匿する機能を提供する場合もあるが、大手サービスでの実装は少ないように思います。

異議権(第 21条) データ主体は管理者または第三者によって追求される適法な利益の目的のための処理の必要性に基づく自己の個人データの処理に異議を唱える権利を有する。窓口を明確して対応。

自動化された個人の判断に関する権利(第 22条) データ主体は、自分に対する法的影響を生じ得るような、プロファイリングを含む自動処理のみに基づいた判断の対象にならない権利を有する(例、人が介入しないオンライン上での借入申込やインターネットでの採用活動–前文第 71項)。 個人データの自動処理でセンシティブな用途に使うなどしない、またはパーソナライズ機能がある場合には明確に記載する。

Cookie どの欧州企業のWebサイトを訪問してもありますが、ファーストアクセス時にCookieを発行することについての注意とプライバシーポリシーをフロート表示するなどが一般的です。 また、プライバシーポリシーに用途やサードパーティ利用について詳細に記載する必要があります。ちなみにアプリにおけるIDFAやAAIDも同様です。

(例)アウディ https://www.audi.com/en.html (例)クリテオ https://www.criteo.com

あと、清水誠さんのブログがちょっと厳しめに書かれていますがCookieコントロールについて詳しいです。 https://makoto-shimizu.com/news/gdpr-for-analysts/

GDPRステートメント

グローバル企業はプライバシーポリシーの他にGDPRステートメントを用意していることが多いようです。日本企業はプライバシーポリシーに但し書きつけてる程度のところが多いですが、どうせ対応するならGDPRステートメント公開もやった方が良いですね。 参考) https://track.siftery.com/gdpr-checker

プライバシーポリシーに何を書くべきかと同意取得

とりあえず、プライバシーポリシーの更新だけでもGDPR対応できる場合が多いのはお分かりいただいたでしょうか。じゃあ、何をしたらいいのか。

GDPR では 「自由な意思に基づき、特定のものであり、情報に基づき、かつ不明確でない (freely given, specific, informed and unambiguous)」 同意が必要とされています。

つまり重要なのが明確なオプトインです。 「登録は規約の同意とみなします」はNGっぽいので欧州企業はかなり厳しめに運用していますが、日本企業は各社様子を見ている感じのように思います(ヌルい書き方ですみません)。。。

 

具体的にはプライバシーポリシーには「何を何のためにどうやって収集して、どんなふうに管理するのか」を書けるだけ書きます。

pixivのプライバシーポリシーあたりは、どんなサードパーティサービス使っているか書かれていて好感がもてますね。参考に見てみると良いかと思います。

https://www.pixiv.net/terms/?page=privacy

Google Analytics、AWS、広告関係はもちろん、メールマガジン配信システムやマーケティングツールなどなどデータの保存や処理するために使っているサービスをすべて書き出します。

決済がある場合に決済事業者を公開していない日本企業が多いのですがGDPR的には記載すべきなんですよね……。 どこの決済システム使っているか公開すると悪用されそうだったりする悪寒もあるのでここは迷いますが情報公開としてクレカ番号などがどう扱われているか公開すべきではあるのでしょう…。

また、pixivのプライバシーポリシー利用目的の(12)は最近GDPR対応のために更新されたのですが、同様にパーソナライゼーションやリターゲティング等で個人データを機械的な判断に用いているならそれを明記しないといけません。

日本のWEBサービス大手のプライバシーポリシーを見てみると、データの削除・ポータビリティ等のGDPRに規定された権利を行使するときは問い合わせ窓口へどうぞ、みたいに書いて対応としていることが多いようです。

これを書くだけで対応済みとしている企業もあるくらい。

EU加盟国各国に居住しGDPRの適用対象である方が、GDPR上の権利を行使する際は■■■お問い合わせください。また、適切に処理がなされなかった場合は、監督当局に対して不服を申し立てることができます。

例としては上記のような感じの一文を入れることで対応できそうですね。

ね?これくらいなら何とかなりそうでしょう?

余談ですが

GDPRには個人データ保護の先進性がありつつ、米国巨大企業に欧州の人たちのデータを利用されることに一定の牽制をかけようという政治的な殴り合いの面もあります。

インターネットにおける著作権のスタンダードはDMCA、個人情報保護はGDPRって流れなのでしょうかね。

漫画村などのリーチサイトを潰したい人が山ほどいるのに、潰れないのはなぜか。

これは「漫画村などのリーチサイトを潰したい人が山ほどいるのに、潰れないのはなぜか」や「政府主導のブロッキングがなぜ問題になっているか」を解説する記事です。

漫画村などのリーチサイトについて

漫画村が有名ですが「リーチサイト」は、ネット上の著作権侵害コンテンツ(漫画、雑誌、テレビ番組、映画)をまとめたサイトです。

他人がアップロードしてようと、リーチサイト自身がアップロードしていようと違法性は問えるのですが、最近話題の漫画村などの一部のリーチサイトは「日本の法律が及ばない海外で運営している」と言い張って、"違法ではないから安心して利用できる"として海賊版コンテンツを提供してユーザーを集め、多額の広告費を得ています。

漫画村をなぜ潰せないか

日本の法律が及ばないとは考えにくく、実際のところは違法性が問えるだろうという法律家の見解もよく見かけますし、僕個人もそう思っています。

っていうか、単に捜査されないように何重にも防護してるから現状は違法性を問われていないるだけで違法行為ではあるでしょうよ…。

よくまあ、「違法ではない」なんて言えたもんだな、と個人的には思っています。

捜査して逮捕できないのか

漫画村などのリーチサイトが自分たちは違法ではないと言い張っていても、捜査して犯罪の証拠をつかめば逮捕することは可能しょう。
ただ、それは簡単ではありません。

警察力での解決は

こちらの図をご覧いただければお分かりかと思いますが、海外の犯罪組織を支える防弾ホスティングやCloudflareを使った隠蔽を行っています。

これで捜査の手が伸びないようになっています。
日本の広告を表示しているので、広告経由で捜査することは不可能ではないように見えますが、ここまで周到にやっているわけですから、広告から簡単に足がつくようなヌルさでやっているとは考えにくいところです。

(※防弾ホスティングは犯罪の温床ですが、CDNの方は普通の企業もよく使う一般的なものですので別物です)

漫画村などのリーチサイトへのDMCAテイクダウン、著作権を使った対応

企業の悪評隠蔽やTwiterアカウント凍結などの様々な悪用をされていることで有名になってしまったDMCAですが、テイクダウン申請をすることで著作権侵害への有用な対策ができるものとして機能しており、現場では日々活用されています。

DMCAはデジタルミレニアム著作権法のことで、米国の著作権法なのですが、米国企業が主流であるインターネットではデジタルコンテンツに関する著作権として事実上の世界基準となってきています。

「いまこそ、DMCA使って漫画村を陥落しろ」的なツイートを日々見かけるのですが、それも簡単ではありません。

漫画村、DMCAテイクダウン

DMCAの情報公開をしているLumenを見ると集英社や講談社、多くの権利者・代理人が漫画村に対してDMCAテイクダウン申請をしています。ちゃんと活用されていますし、DMCAがなかったら野放しになっていたものへも対応されています。

ただ、権利者が個別の作品ごとに載ったページを1つずつ丁寧に申請していけば、「そのページ」をGoogleの検索結果から外すことはできるものの、申請が通っても検索に表示されなくなるだけでリーチサイトから消えるわけではありませんし、サイト全体を吹き飛ばすことは難しいのが現状です。

そのページを検索できなくしても、リーチサイトが更新され次々とアップロードされると、またどんどん申請をしないといけません。
著作権侵害をする側が有利すぎて権利者が疲弊するだけの一方的な「DMCAもぐらたたき地獄」です。

「漫画村にDMCA申請しろよ」というツッコミを見かけることがありますが、上記のように申請はどんどんされています。
DMCAは非常に素晴らしい仕組みで今後もリーチサイトのテイクダウン申請をしていく必要はありますが、本件のような悪質なリーチサイトに対しては権利者の負担が大きい割に、リーチサイトに与えるダメージは軽微なものでしかなく、クリティカルな解決策とはなりにくいのです。

サイトブロッキングの問題点

そこで議論されてきたのがサイトブロッキングです。
以下は2018年4月6日の毎日新聞、"海賊版サイト:遮断要請へ 政府、著作保護に「緊急避難」"という記事からの引用です。

政府は国内に拠点を置くインターネット接続業者(プロバイダー)に対し、ネット上で漫画や雑誌を無料で読めるようにしている海賊版サイトへの接続を遮断する措置(サイトブロッキング)を実施するよう要請する調整に入った。月内にも犯罪対策閣僚会議を開催し、正式決定する見通し。

三つの海賊版サイトの具体名を挙げ、接続業者に要請する予定。うち2サイトは中国など他国で行政指導や捜査当局の摘発を受けたにもかかわらず、日本国内からアクセスすると閲覧できる状況が続いている。

また、以下の資料は首相官邸のWebサイトにあったサイトブロッキングの資料です。
(本記事の一番最後に資料へのリンクがあります)

知的財産戦略本部 検証・評価・企画委員会(第3回) (参考)サイトブロッキングの概要 から引用

知的財産戦略本部 検証・評価・企画委員会(第3回) (参考)サイトブロッキングの概要 から引用

つまり、刑事としても民事としても引きずり出すのが面倒な漫画村などのリーチサイトに対して一般ユーザーがアクセスできないようにしてしまおう、という力技です。

漫画村などのリーチサイト・海賊版サイトが問題であるという認識は多くの人が持っているので「政府が動いた」と歓迎する向きもあるものの、憲法や通信業の基礎たる「通信の秘密」を法改正などの議論なく「緊急避難」として「政府の要請」を行うのは大きな問題を残してしまうという専門家から批判の声があがっています。

専門家ではない一般の方が「悪いやつがのさばってるんだから、とっとと対策しようとする政府が正しいだろう」と思うのも理解できるのですが、実は今後のインターネットや国としての情報の取り扱い方に影響を与える乱暴な方法であり、ブロッキングを著作権侵害に適用するにしても法改正や手続きのあり方を再度議論する必要が強く望まれています。

ここは難しい話なので「どうも問題がある諸刃の剣らしい」程度の理解で良いかと思いますが、詳しく知りたい方はこの記事の一番下にあるリンクやツイートをご覧ください。

サイトブロッキングはデメリットが大きい割に効果があまりなさそう

そのように手続きや運用に大きく問題のあるサイトブロッキング。
「それでもリーチサイトに大きなダメージを与えられるのであれば肉を切らせて骨を断つのだ」……というお気持ちは理解できるものの、多くのテクロノジー界隈の識者が「ブロッキングは思っているほど有効な効果が出ない」と考えているようです。

基本的にブロッキングは、ドメインに対して行うことになります。

ドメインなんてひとつ潰したところで何の意味もありません。
同じサイトに多数のドメインからアクセスできるようにするのはウィキリークス(様々な機密情報の告発サイト)の例を見るまでもなく誰でも思いつきます。

例えば、多数あるウィキリークスのドメインをひとつずつ遮断することを諦めた中国政府は"WikiLeaks"をURLに含んでいる全てのサイトを遮断しようとしているそうですが、規制された語の入らない別名ドメインを多数用意されてしまい、結局はサイトブロッキングを回避されているようです。

コストも規模も世界最大のブロッキング(金盾)を持つ中国ですらこれですから、日本政府が「緊急避難として」指定ドメインをいくつか各プロバイダにブロッキングの要請を数回する程度ではドメイン変更や別サイトとしてリニューアルして抜けられてしまいますし、ブロッキング回避ツールでも対策できてしまいます。

一時的に漫画村などの有名リーチサイトを検索から追い出して、カジュアルな一般ユーザーのアクセスを減らすことはできるでしょうけど、本当に一時的でしかないでしょう。効果は非常に限定的といえます。

サイトブロッキングで戦うならば、法整備をして継続運用できる制度を作って徹底的に戦う必要があり、「緊急避難として」今回だけ政府が指定ドメインをプロバイダに通達しても焼け石に水だということです。

対策案① 広告の制限

インターネット関連技術に詳しい人たちが提案している対応策がいくつかありますが、やはり儲かるから悪事を働いてるわけです。ここの資金源を断つことが一番ではないでしょうか。

防弾ホスティングなどの圧力をかけることが難しい相手は突破できなくても、広告システムを提供している事業者を押さえることは可能そうに見えます。

恐らくですが、配信されている広告はアドネットワークから機械的に配信されてきているもので、広告主が自らの意図で漫画村に配信していないでしょう。広告主ではなく、広告システム自体を提供している企業を捜査して押さえる必要があると思われます。

恐らく足がつかないようにしてはいるでしょうから簡単ではないかもしれませんが、警察力なり総務省・経産省パワーなりでリーチサイトの資金源である広告収入をブロッキングすることは現実的に可能そうに見えます。

政府が立法もせずにサイトブロッキングを緊急避難として使用するくらいの緊迫している現状なら、警察や省庁をガンガン動かせるのではないでしょうか。

対策案② CDNの遮断

ところで、CloudflareがこんなEVILな事業者だとは知りませんでしたね…。
日本で使われているCDNシェア一位との話もあるような企業なんですけど、もう使うの止めたいな…。

Cloudflare対策についてははてな匿名ダイアリーの記事が詳しく分かりやすいです。

Cloudflareはアメリカの大手CDN業者である。某画村はここを利用している。今まで、Cloudflareは自分たちはただのキャッシュであると主張し法的責任から逃げていた。が、この前Sci-Hubという海賊版サービスの訴訟で逃げ切れなくなり、Sci-Hubのファイル配信を停止した。

いくらCloudflareが強硬な態度とはいえ、名のある米国企業ですから一定以上の無茶はできないはずですし、そこまで漫画村などのリーチサイト運営者にに義理立てする必要もないはずですから、外交圧力かけるだとか大手雑誌社のパワーで民間訴訟するなど総動員でCDNを止めにいくのは良策だと思います。

また、Cloudflareはこの4月1日からDNSサービス「1.1.1.1」の提供を開始しました。Cloudflare側の発表によればアクセスプロバイダがDNSを利用してWEB閲覧履歴を取得できることを1.1.1.1で避けられるとのことですが、これは多くの海賊版リーチサイトを幇助している彼らがサイトブロッキングされることを回避しようとサービス提供しているのではないかとも疑問の声があがっています。

多くなまっとうな日本企業がリーチサイトを幇助するCloudflareを使っている状況です。
様々な圧力をかけてでもCloudflareのリーチサイトを幇助を止めることはメリットがあると思います。

CDNが止まればリーチサイト運営者は海賊版の配信コストを払うのが苦しくなるでしょうし、元ホスティングサーバーが丸見えになって身元も割れやすくなるわけですから。

対策案③ 司法で裁く(難しいのは分かるけど)

これは対策というよりも願望ですが、やはり逮捕して司法で裁いてほしいというのはあります。
漫画のリーチサイトで稼げなくなったら、他のダークサイドなことやるだろうし。

広告システム経由か、外交筋を通じての情報提供でも何でもいいから本気で捜査をして尻尾を掴んでほしいですね。

政府の規制よりも自浄作用の働くインターネットでありますように

僕はこの件について専門家ではありませんし、仕事でもここら界隈には関わりがゼロに近いほど少ないのですが、インターネット原住民のひとりとして技術に詳しくない政府の作った規制がかかるインターネットよりも自浄作用の働くインターネットであり続けられることを願っています。

もちろん、法律や犯罪に関することですから自浄作用だけでどうにかなるようなものではありませんが、インターネットに関わる人たちから、あるべき姿が提示されていって、それが制度に取り込まれていくようなものだと良いな、といんたーねっつ原住民の僕は思います。

仕事の作業あるのにブログ書いたのも、いんたねっつ愛ゆえです。仕事が嫌でサボったわけじゃないぞ!

(追記: 漫画村はリーチサイトではなくドストレートに海賊版サイトではという指摘を沢山いただきました。確かにそういう表現の方が良かったなと思っていますが、どちらの表現でも本稿の意図する内容に大きな影響はなく別サイトに画像ホストしているのでこのように記載しています。)

以下は参考にしたツイートと記事リンクです

海賊版サイト「ブロッキング要請は法的に無理筋」東大・宍戸教授、立法を議論すべきと批判|弁護士ドットコムニュース
https://www.bengo4.com/internet/n_7683/

知的財産戦略本部 検証・評価・企画委員会(第3回) P6(参考)サイトブロッキングの概要
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kensho_hyoka_kikaku/2018/contents/dai3/siryou1.pdf

日本国内の設備から海賊版サイトを配信する米CloudFlareブロッキングを無効化する新サービス開始(楠正憲) - Y!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/kusunokimasanori/20180408-00083736/

某画村のブロッキングに意味はない
https://anond.hatelabo.jp/20180406153029

PWA「……来ちゃった/// (iOSに) 」

じ、じつはこれが2018年最初のブログだったりしますフジイです。
お久しぶりです…。4月になろうという時に何ですが、あけましておめでとうございます(笑)

去年の8月3日に"「Service Workers が in development」とWebKitが言ったから八月三日はPWA記念日"というブログエントリを書きました。

このブログにしては多く読まれた記事なのですが、内容は iOS でも PWA (App Store経由でなくても配布できるWebブラウザ技術を使ったスマホアプリ)が動くようになるかもしれない……というものです。

日本だと日経新聞あたりがPWAをしっかり対応していますね。僕のAndroid日経新聞アプリもPWAを使っています。

さて。その「かもしれない」が、ついに実現する日が来ました。というか実現されちゃいました。

そう。昨日あたりに降ってきたiOS11.3のSafari11.1からService Workerがサポートされています。

つまりiPhoneでもPWAが動くようになっています!!!!!

すごい!!!!キタ!

残念ながらPush通知は未対応とのことですが、ネイティブアプリと同じようにホーム画面にアプリとして置いておくことが可能です(Web App Manifest)。

ここ最近では「PWAって来るの? 来ないの?」と一部の界隈で騒がれていたりしているPWAですが、App Storeを通さなくても流通させられる(逆にいえばPWAはApp Store/playストアからは流通させられない)という特徴がありますね。 検索流入からのアプリ導入が有り得るのも違いのひとつです。

これはネイティブアプリに対しての優位性があるのではなく「違い」がある、というようなものなのでサービス/アプリの特徴や流通、ユーザー層などによって変わって来るのかなと思います。

なので(今のところは)ネイティブアプリがPWAになっていくみたいな話ではありません。
内容によって、PWAを選ぶこともあるというような話だと思いますが、それでも今までになかった違う流れができてよりスマホ向けのサービス開発が面白くなっていくところではないでしょうか。

まだ日本国内のPWAでiOSの動作確認しっかりしてるところはなさそうですけれど、iOS対応となると今後は色々なサービスが本格的にPWA対応を進めるか検討することになると思います。どんな風になっていくか楽しみですね。

支払いだとか操作の「たかが数秒とか1分くらいくらいの違いでしょ?」についてのお話。

できるだけコンビニやファーストフードなどの支払いは現金ではなく電子決済系にしています。

小売の出身で、特にEC関連の仕組みのことを考えるのが大好きなので決済についても考えるのが大好きなのですが、とはいえ日本においては現金って便利だよなとも思うので急進的キャッシュレス派ってわけでもないんですけどね。

Twitterとか眺めてると、たまに現金使ってるやつ馬鹿なのアホなの死ぬの的なことを言っている人を見かけますけど、日本においては現金払いの便利さがあるわけですし、そこまでキャッシュレス至上主義的にならなくてもいいのになーと個人的には思う、ゆるふわキャッシュレス派です。

僕は、横浜にある自分の会社での仕事と、渋谷の会社での仕事がそれぞれあるので横浜~渋谷を行き来することが多いのですが、都内のタクシーって交通系ICが使えるの普通なんですよね。
横浜だと、まだ一部のタクシー会社しか使えなくて、現金以外だとクレジットカードしか駄目だったりすることも多いです。

急いでる時は特にですが、クレジットカードでタクシーを支払うと現金より明らかに遅い。

運転手さんが決済用端末を出して、運転手さんがカードを通して、通信を待って、印字を待って、サインをしてレシートを受け取って………20秒で終わるはずの支払いが下手すると3分くらいかかったりします。

その点、交通系ICの決済は、タッチしてレシートもらうだけ。現金より早い。
こういう体験を積み重ねているうちにタクシーだとクレジットカードってイマイチだなーと思うようになってしまいました。レストランだとそうは思わないから支払い体験の感覚に違いがあるんだなあ。

あくまでも僕の視点ではありますが、タクシーの体験から振り返ってみると電子決済系の良いところって、キャッシュレスなのが良いというよりも支払いアクションを減らすことにあるわけですよね。

ここらへんは異論はないと思うのですが、交通系ICで改札を通ると、いちいち切符を買うのが異常に面倒な行為だと感じるようになりますし、自動車でETCを使うと料金所のおじさんにお金渡す手間が煩わしくなります。
(料金所のおじさんとのハートフルなやりとり体験が好きって人もいるとは思いますが、それはまた別の話かと)

「たかが数秒とか1分くらいくらいの違いでしょ?」って思ってしまう人がいるのも分かるのですが、決済ではないアクションで例を出すとテレビのリモコンがなくて本体を操作しないといけなくなったら数秒の違いでもストレスですよね。だから数秒だから関係ないとかそういうことじゃないと思います。

自動車の鍵のキーレスとかもそう。
「こんなワンアクション減らしたところで…」と思っていた人がキーレスの日常に慣れると元に戻れなくなるw

少し話はズレるけど、友人から「そんなに使ってるの」と言われるくらいスマホ(Android)の音声操作を多用しています。

「ここから自宅まで 終電」とか「明日の11時に○○さんとミーティングって予定入れて」とかめちゃくちゃ便利。「朝7時に起こして」とかも便利すぎて死ねる。他の人に聞こえないくらいの声で動くから街中で歩きながら音声操作したりしちゃう。

もう慣れるとポチポチ画面をタップして操作する気が起きない。
もちろん画面を見ながらの手入力の方が便利なこともあるから、音声の方が楽なことを見つけては使い分けて操作するようにしています。

Amazon echoは招待メールが来ないのでお預け食らってますが、Google Home(mini)は購入して便利に使っていますし(機能がまだまだの点が多いですけどね……Googleがんばってくれ…)。

あ、それから一年くらい前にニュースになったコンピュータービジョンやディープラーニングを使ってレジをなくした(商品を手にとって店外に出るだけで自動決済される)スマート食料品店 Amazon Goも、レジある店に戻れなくなるくらいのインパクトがありそう。

オープン準備も進んでるって報道もあるみたいだし楽しみですね。

決済の話から少し離れてしまいましたが、使っていない人が「こんなワンアクション減らしたところで…」って思ってしまうのは仕方ないことと思いつつも、テレビのリモコンがなくてワンアクション増えることが不便なように慣れてしまえば手放せなくなるようなワンタッチ操作って、ここ数年で増えたし、これからの5年くらいの間に爆発的に増えそうだよねと思っていたりします。
(Amazon Goの場合はワンアクションどころじゃなくレジに並ぶところから支払いまで全てがなくなるわけだけど)

なお、ここまで読んでもらって何ですが本記事に特にオチはありません(何)
それにしても、単に何でも行為を減らせば快適感があるってわけじゃないし、「このアクションが減った体験をしたら元に戻れなくなる」に気がついて機能や製品に落とし込んでる人ってほんとすごいよねえ。

 

激安で無茶振りしてくるブラック依頼者だらけのジャングルでサバイブしてきたクラウドワーカーたちはどう進化したか

みなさんクラウドソーシング嫌いですか好きですか使ってますか。

クラウドソーシングって聞くだけでアレルギー的に嫌う方もいるのでしょうが、僕は「使い方次第では便利だな」と思っているのでたまーにですが発注側として使わせてもらってます。ホントたまにだけどね。
クラウドソーシング大っ嫌いってアレルギーの方もどうかと思うところもありつつ、お気持ちはお察し致します)

んで、最近ですね、久々にクラウドソーシング使ったんですけど。
あ、ちょっと以前と違うなーと思った点があったので、それについて書くます。

もしかしたら、結構前からそうなのかもしれないけど僕が気がついたのはここ最近の話なので、人によっては前からこうだよってツッコミもあるかもしれませんが、ゆるっとお読みくださいませ。

クラウドソーシングって何か知らないって人は僕のブログ読者にはあまりいなさそうだけど、仕事を依頼したい側がその内容を掲載すると、多数の人(主にフリーランス)が依頼内容を見て「この仕事を請けたいでーす」と手を上げてくれる感じのサイトが多いですね。

インターネットを通じて多数の提案が集まるので、その中から予算やスキル、仕事の方向性が合う発注先を選べるという感じのものです。

いまだに激安で無茶振りしてくるブラック依頼者だらけのジャングルではあるけれど、少し様子が違ってきているところもある

冒頭にも書いたけど、クラウドソーシングに対する批判も多いですよねえ。

その批判のひとつにクラウドソーシングの仕組み上、仕事の報酬相場が著しく低くなりやすいというものがあります。
(スパム行為の助長やゴミ記事の量産などについてが一番問題なんでしょうが、他で沢山指摘されているし、本エントリとは別の話なのでここでは触れません)

未だにブラック企業もビックリの激安の仕事依頼ばかりとイメージを持っている人も多いのかなと思いますが(そしてクラウドソーシングの仕組み上この問題はなくなりようがないのですが)、クラウドワーカー側の生存戦略的として激安の仕事を仕方なく請けるだけではなくなっているようです。

そこでサバイブしてきたクラウドワーカーたちはどう進化したか

この記事内でも書いたように仕事を依頼したい側がその内容を掲載すると、多数の方が依頼内容を見て「この仕事やりたーい」と提案が届きます。

なんか2年くらい前と比較すると、やたらと沢山の提案がくる気がするんですよね…。

僕が発注慣れしてるから、内容が分かりやすい良い発注者だと評価されたのかなと思っていたのですが、よくよくクラウドワーカーからの提案内容を見るとまったくそうではないということがわかります。

と、いうのも「明らかに依頼の詳細を読まずに提案をしている」からです。

以前なら「この内容なら○○円でお請けできます」とか「僕なら更にこんなこともできますよ」みたいな『提案』的なものが来ていたと思うのですが、最近は妙に安い提案金額とともに「詳細は相談」みたいなのが大量に届くのです。
これ、新規依頼に片っ端から同じ提案を投げまくってるでしょ…

詳細な作業内容を書いても、その通りの内容ではない提案(例えば、バナー5種類×10サイズなのにバナー1点の価格だけ送られてくるとか、WFつけてデザイン+コーディングって書いておいてもコーディングだけの費用がくるとかね)これどう見ても依頼内容を見ないで、定型文なげてるなーという感じです。
よく分かってない依頼者は提案金額で依頼を請けてくれると思ってしまうでしょうが、提案金額で請けるわけじゃなく詳細を聞いてから見積りするってことを遠回しに伝えて、とりあえず案件を確保しようっていう営業手法ですね。

これ、昔ながらの営業さんの仕事の仕方ですよね。
ファーストタッチとって話が進んだら、依頼者も他と比較や振り直しはしづらいし、予定していた予算や依頼したい内容と違うけど発注確定しちゃう…みたいな流れは昔からよくあるように思います。

激安で無茶振りしてくるブラック依頼者だらけのジャングルではなくなり、そこでサバイブしてきた強いクラウドワーカーが増えたんだろうなという印象です。
これが良いことか悪いことかは知らんです。殺伐としてるなとは思うけど(笑)

なんだかんだで発注の仕方次第なんだけどもね

とはいえ、クラウドソーシングで良い思いをしたことも沢山ありますし、やっぱり使い方次第かなと思います。

手作業でまとめたら10日くらいかかりそうな大量データをEXCELに整えてくれる人を探していたら、手持ちのスクリプトで5分でできますよって提案くれたクラウドワーカーさんがいたり。

ただ、こういう良い提案をもらうためには「良い依頼」とディレクションをする必要があるんですよね。

僕は経歴的に外部への作業依頼に割と慣れている方だからそんなに困ることはないのですが、よりクラウドソーシングを上手く使うのって(多分、あんまり使ったことない人が想像する何倍も)凄く凄く難しくなっているなあという印象です。

発注慣れしてる人なんてこの世の中にほとんどいないので「上手く発注しないといけない」ってのも無理だろうし、まあ構造上として仕方ないのかな…。

クラウドソーシングじゃなくても誰かに何かを依頼するのって、すごく手間かかるし、それができる人が少ないことに根源的な問題があるのでクラウドソーシングだけの問題じゃないんだけど、激安で無茶振りしてくるブラック依頼者だらけのジャングルがより殺伐としてきてるなあと思ってしまった次第です。

(あ、このエントリはクラウドソーシング=悪いもの、みたいな批判的な意味ではありませんので悪しからず)

「Service Workers が in development」とWebKitが言ったから八月三日はPWA記念日

先程、Twitterでここらへんの情報を見て、興奮しすぎて電車を1駅早く降りてしまったのですが、次の電車に乗ったら今度は降りる駅を乗り過ごしたくらい動揺しているフジイです。こんばんは。

今日の夜はインターネットの偉い人がザワついておるなあ…と思っていたら、こういうことでした。

iOSのサファリでService Workersが動くようになるかもしれない…。 と、書いてもなんのことか分かんないですよね。

超簡単に説明すると、スマホアプリみたいなことをブラウザできるようになる方向へ一歩進んだ(かもしれない)のです。

この記事に書くことは僕の勇み足の可能性もあるけど、もしこのまま進んだらWebの世界が一歩進化するかもしれない凄いことなので勢いで書いております(ので、読む方もそのつもりでね)。

スマホアプリみたいにブラウザが動くPWAとService Workersについて

PWAは「プログレッシブ ウェブアプリ」の略で、ネイティブアプリ的な動きをするモバイルサイトです(正確な説明ではない気もしますが、ここでは分かりやすさを優先します)。 ネイティブアプリってのは、App Store や プレイSrore からダウンロード・インストールする、いわゆる「アプリ」です。

もっともみんなに身近なPWAの例はTwitter liteとかでしょうか。 これ僕のスマホの画面なんですけど、ネイティブアプリのTwitterとPWAアプリのTwitter liteを両方使っていたりします。 (あ、あと下段のマストドン2つもPWA。マストドンのクライアントアプリPawooはネイティブアプリ)

Twitter liteとか

PWAは、Service Workersという仕組みで動いてまして、これのおかげでAndroidだとネイティブアプリみたいにモバイルサイトを扱えます。 サーバーからのプッシュ通知やバックグラウンド同期などが使えて、将来的にはジオフェンシングなど使える機能を増やしていく計画になっているようです。

AndroidChromeなら、PWA対応しているサイトを「ホームに追加」すると上記の画像のようになり、PWAを起動できるようになります。

現在は iOS はService Workersに対応していないんですが、今回の動きでPWAが動くようになかも…と話題になったわけです(実際にすぐにService Workersが動くようになるわけじゃないんでしょうけど)。

AppleはPWAどーすんだよ、とみんなが思っていた

開かれた世界であるPWAは素晴らしいんですけども、iOSでは未対応だったわけです。 「おいおいApple対応してくれえええ」ってなりますよね。

Appleは2015年から「そのうち対応する」と言ってはいたものの「Appleは、自社を通さずに課金できるのは防ぎたいだろうし、厳しい審査を受けないiOSアプリが出回るのを良しとは思わないだろうなあ」と思ってたわけです。

ほんとに世界中のいんたーねっつに関わる人がそう思っていたんじゃないかレベルでみんなそう思っていたはず。

App Storeを通さないとアプリが使えない…つまり流通させるかどうかの審査と課金をガッチリ掴んでる状態なんだから、わざわざその権益と秩序を崩してまでオープンな世界へ進む必要はないんですよね、Appleからしたら。

そんな風にみんな「これ、どうなるんだろう…」って思っていたところにWebKitのService Workers が in development になった(これまでは検討中だったのが開発中になった)と聞いて世界中のいんたーねっつな人たちがザワザワしているのですよ。 ホントに対応してくれたら世界変わっちゃうかもよ。

※とはいえ、あくまでパッチが投げられたまでなのでちゃんと実装されるのかは、まだまだ分かりませんですけどね。

PWAはネイティブアプリの世界を破壊しないと思う

ここから先は僕の個人的な見解でして、数年後に読んだら「盛大にはずしてるm9(^Д^)プギャー」ってなる可能性も高いのですが、あえて書きますw

App Storeが権益を握る中央集権的なネイティブアプリの世界に対し、PWAはオープンなWebの世界を広げる取り組みです。

かつて、PCでのWebの世界も中央集権的なappマーケットはなかったもののネイティブアプリからWebブラウザに移行していった歴史があるわけで、その流れを知る人たちは「いずれまたスマートフォンもオープンなウェブに寄る世界になっていくはずなんじゃ…」と未来を信じている一派があったりします。 僕にもそういう時代がありました(謎の上から目線)

そもそもPWAは「脱」中央集権をとかそういうものではなく、両立しえるものだと思うんですよね。

ネイティブアプリからブラウザ(PWA)へ移行するんじゃなくて、共存するんじゃないかなーと思ってます。

App StoreとかPlayストアって素晴らしいやん

非ITな友人と話してみると、ブラウザでも使えるサービスを試す時も「アプリをとる」と言ってダウンロード・インストールをするんですよね。

それを見て考え方を変えたわけですけど、スマートフォンで何かをしたいときに検索するのはWeb全体から探すのではなく、App StoreやPlayストアなわけで、ここに「スマートフォンでできること」が集約されていてダウンロードできることはユーザーからしたら高い価値あるよなあと思ったわけです。

最初からその視点を持ってる人からしたら当たり前じゃんってなるかもしれないけど、ネイティブアプリからオープンな世界観のブラウザ(PWA)へ「移行」を願っていた派閥だった僕からすると、わざわざストアからインストールするみたいな感覚だったのが「その方が楽だし、簡単」だったと気付かされたわけですね。

いくらPWAがネイティブアプリと見分けつかないような動きができると言っても、やはり仕組み上ネイティブアプリの方がサクサク動きますしね。

それらを含めてアプリの流通が中央集権化されていることによってもたらされるUXってあるなあと思ったわけです。 価値高い。

なので、もしOS関係なくPWAが使えるようになっても、移行するんじゃなくて使い分けされるんじゃないかなーと思っている今日このごろです。

まだまだ分からないから祈るばかりだけど

なんか僕の勝手な妄想が先走って勢いで書いたので意味不明な記事になりつつありますが、わかる人に伝われば嬉しいですw

iOSSafariがService Workersに対応してくれたら、ほんとWebの世界が広がりますよね。

いつ実装されるかわかりませんし、Appleがやる気になったのかどうかも分かりませんから祈るばかりですけども「in development」になったのは本当に喜ばしい。これからが楽しみですね。

人工知能はフルカラーの夢を見るか? または非エンジニアの僕が如何にしてニューラルネットのお気持ちを考えるようになったか

人工知能、AI、ディープラーニング、ニューラルネットワーク……ここらへんの単語を聞かない日はないくらいAIブームきていますね。

人工知能やディープラーニングなんかのことをよく知らないが故にSFなどフィクションの世界にありがちな万能な人工知能を想像しがちだと思います。「原理はよくわからないが人間にはできない判断ができる」みたいなね。

しかし―――少なくとも2017年時点で我々が触れることのできる―――人工知能って、そういうものじゃないと思うんですよね。もちろんトップレベルのものまで含めれば人工知能も色々ではありますが、僕ら一般人が触れられる普及しつつある人工知能がどのように動いているのか知る機会があってもいいと思います

今回のエントリは、人工知能が何を感じ取って答えを出しているのか人間が「人工知能のお気持ち」を知るべく歩み寄ってみよう(笑)という実験です。

ほら、人間同士でも相手のことを理解する努力してこそ分かり合えるわけじゃなですか。

(僕は今のところ仕事ではAI扱っていないのでこれは趣味です。もし間違いなどありましたらすぐに修正しますので詳しい方はご指摘くださいませ)

イラストに自動着色する人工知能 PaintsChainer

とはいえ、エンジニアでもない素人がいきなりディープラーニング環境を用意したり、動かしたりするのは難いですよね。

そこで、無料で公開されていて誰でも触れる、手軽に人工知能のお気持ちを理解できそうな人工知能を使ってイラストに自動着色するPaintsChainer(ペインツチェイナー)を使わせていただきます。

PaintsChainerについては、BuzzFeed Japanのこの記事がわかりやすいかと思います。

www.buzzfeed.com

(非エンジニアでもわかるやすいようにBuzzFeed Japanの記事を紹介しましたが、このエントリの末尾に作者の taizan さんが書いた記事へもリンクしておきます)

pixivのお絵描きコミュニケーションアプリ「pixiv Sketch」にも着色機能を提供していたりと「人工知能を使えば自動でここまでできるのか」と話題になっているサービスなのです。

この記事は作者さんや運営会社のPreferred Networksさんの許可を得ていないので怒られたら修正するか消すかします(引用の範囲で、利用規約にはたぶん違反していないはず…)

実際に人工知能に塗ってもらいます

さて。PaintsChainerを使うにあたりイラストを用意する必要があったのでマンガやイラストの仕事をお願いしているいしださんにお願いして線画を提供してもらいました(ご協力感謝)。

これをPaintsChainerに塗ってもらうことにします。

それがこんな感じ。

線画をアップロードして待つこと0.5秒くらいでパッと着色されたものが表示されます。

うおおおおお、すごい魔法みたい!!

いきなり当初の目的ガン無視、人工知能のお気持ちを無視した発言しちゃうけど画像アップロードした瞬間に自動で着色されるのは「原理よくわからない凄い機械」としか思ってしまいますねw

(後半まで読んでいただければ人工知能のお気持ちが少しわかるようになると思います

PaintsChainerにはモデルが2種類用意されていまして、それぞれ「たんぽぼ」と「さつき」という名前がついています。

この2つのモデルは色塗りのクセが違うんですね。
人間みたいにモデルによってアウトプットが違うのが面白いところ。

これが「さつき」が塗ったもの。

「たんぽぽ」の方がフンワリした塗りをして、「さつき」は割とカッチリした塗り方をしてくる特徴があるみたいです。
人間みたいに個体差があるんですなあ。

んでは、一気に色々と塗ってみます。

PaintsChainerすごい……しかし、なんとなく特徴というか塗りの癖があるのを見つけられませんか?

たぶん、髪の色は色々あるのでとりあえず金髪か茶髪にしておくと怒られない(ってのも変だけど)と思っていそう。

「たんぽぽ」はオッドアイ気味にしたり碧眼っぽくするのが良いと思ってる節がある。ちょっと偏って学習してるのかな?というのが見受けられます。

「たんぽぽ」と「さつき」の2モデルを比較しただけでも特徴のある色の塗り方をするから性格というか仕事の癖とか特徴みたいなものが見えてきて面白いですね。

あと、たぶんだけど洋服と違って着物は苦手そうな感じもする…。塗れてるけど、ちょっと迷いを感じませんか(笑)

ここから、もう少し人工知能のお気持ちを知るための実験をしていってみます。

ちょっと意地悪してみる

次にこれを塗ってもらいましょう。

結果はこれ。

さすがPaintsChainer。上手く塗れている……けど猫……猫が…

あああああ、もしかしてお前ら女の子のイラストばっかり塗ってるから、人型じゃない対象を何色にしていいのか知らないんか…!?

だいぶ人工知能のお気持ちが分かるような気がしてきましたね。
PaintsChainerのような素晴らしい人工知能でも、学習していない(あるいは学習量が足りない)ことはそうなるのかーと。

人類にはできない判断をしてくれるAIのイメージが崩れて、現実的に動いているAIのお気持ちが少しわかるような気がしてきます。

猫を何色にしていいか分からない(というか猫だと認識していないと思われる)のなら、じゃあ「画像の向きが横になったら」どんな反応するんだろうか試してみます。

えいやっアップロードぉぉぉ

「たんぽぽ」は、まだ正しい向きの時に近いけど「さつき」はゾンビみたいな色にしてきましたね。たぶん眼とか輪郭の特徴をつかんで顔を認識していたんだろうけど横にしたことで顔だと認識できなくなったのかな。

ここらへんまで見ていくと「人工知能って勝手に考えて答えを出してくれる万能なやつ」って考えをもっていた人も「コイツらも苦労して学習してるんやなあ…」って優しい気持ちになってくるはず。
(え、優しい気持ちにならない?おかしいな…)

髪を金髪や茶髪にしがちなのも、そりゃそうだなーという気持ちになりますね。
服の色とか正解ないのによく判別してるなあ。君たち頑張ってるよ…すげえよ…

人間(人型)じゃない対象物はどうなる

推測ですが、恐らく女の子のイラストばっかり塗っていて、人型じゃない対象を何色にしていいのか経験値がないのであろう人工知能たち。

色々と試させていただきます(怒られないか不安になってきたけど…)

君たちは猫が何色か分からないフレンズなんだね…ってことで、これならどうだろ。
サーバルちゃん。

おお、意外にサーバルキャットも塗れてるーたーのしー。
スカートもそれっぽーい!!!! PaintsChainer すっごーい!!

ならば、これはどうでしょう。
サーバルキャット単体のイラスト。

んー、やっぱり見たことないものを塗るのは苦手だよね(そりゃそうか)

推測でしかないけど「たんぽぽ」は何色にしていいか分からないものを今まで学習してきた肌の色に近くして、「さつき」は、何色にしていいか分からないときに暗い色(線の近似色?)にする癖があるような気がする…。

黒い林檎…。芸術的な薔薇…。

林檎的な形をしたものが何色なのか、わからないんですね。

ごめんな…あんまり見たことないもの塗らせて…僕が悪かった……

お気持ちが分かるにつれ、つい謝りたくなってきますよね(僕だけ?)

「たんぽぽ」も「さつき」も、できるだけ自分の経験の中から答えを出そうと必死に塗っているんだと思います。薔薇やひまわりは経験値の中から見たことある色に塗ったりしてるっぽい気がします。
どうしてこの色にしたのかとか想いを馳せると面白くありませんか?(あれ、やっぱり面白いと思うの僕が変なの?)

これからのAIビジネス・AIサービスを考えるにあたり

PaintsChainerのようにユーザーと対話するように新しい体験を提供しているサービスは本当に素晴らしいですね。

人工知能ってビジネス向けの業務改善とかの方向性で語られることが多いけど、個人向けのエンターテイメントととして成り立ってるもんなあ。

人工知能(AI)であろうと天然知能(人間)であろうと、経験則や向き合っている課題に問題があったら良いアウトプットにならないのは同じなんですが、PaintsChainerが対話的な自動着色を提供してくれたお陰でニューラルネット・機械学習を使った人工知能は経験則で動いているという当たり前のことを体感として理解することができました。

「原理は分からないが人間には出せない答えを出す魔術」…ってわけではなく、苦労して学習して答え出してるのだなあと理解すると、人工知能(あくまでも僕ら一般人が触れることのある機械学習型のAIに限った話ですが)の使いみちがなんとなくですが見えてきますよね。

僕は今のところ仕事ではAIに関わってはいないのですが、実際に触れてみるって大事だなーと思った次第です。

いやホントおもしれーな人工知能!(興奮)

ここらへんも読むと良いよ

fujii-yuji.net

qiita.com

qiita.com

www.slideshare.net

Masto.Hostを使えば誰でもすぐにマストドンのインスタンスを作れるドン

最近流行りのマストドン。
もうSNSでは新しいものが出てこないんじゃないか的な雰囲気すらあったインターネットに小さくも新しい流れが生まれた感じがしますね。

pixivのPawooをはじめとしてドワンゴ(ニコニコ)のfriends.nicoなどが立ち上がって、Twitterから自社コミュニティにユーザーを集めたりしているわけで、なかなか面白い動きになっていますね。
(マストドン業界随一の黄色さを誇るキヌガサっていうのもある)

マストドンの本質的な価値は自由であるとか、人類に過度な自由はまだ早いとか、そういう濃いめの話も楽しいのですが、本日はそういう話は置いておいて「Masto.Hostってのを使えば誰でも簡単にインスタンスを立てられるんだぜ」って話を書きますです。

ほら、やっぱ僕みたいに1文字たりともコードを書かない非エンジニアのインターネッツ大好きマンとしては

「エンジニアとかサーバーセットアップできる人ばっかり楽しそうでズルい!!僕もインスタンスしたいドン!!管理画面とか見たいドン!!」

って思うわけじゃないですか。

たぶん、僕と同じようにぐぬぬってる人って日本に1万人くらいいると思うんですよね。

管理下に置けないと自由じゃないから分散型SNSの意味ないじゃんとか、そういう思想的な面倒なやつは置いといてMasto.Hostというホスティングサービスを使えば、誰でも即日インスタンスのオーナーになれるドン。

リモートフォローとかインスタンス間の連合の仕組みなんかも書きまする。
使うにあたっての注意点もあるから最後まで読むドンよ。

Masto.Hostで誰でもすぐにインスタンス作れるドン

というわけで、これがMasto.Host

Masto.Host

ポルトガルのHugo Gameiroさんっていうナイスガイが始めたマストドンのホスティングサービス。マストドンの載った安いレンタルサーバーだと考えるとわかりやすいっす。

・コーディングやコマンドを打つことなく、管理者としてログインするだけ。

・全てのインスタンスは最新のMastodonとOS/システムのリリースに併せ、アップデートされます。

これは素晴らしいのでは…

Masto.Host価格表
Masto.Host価格表2

容量制限なし、100ユーザーまでの小規模インスタンスで€5/月。
ちなみにPayPalで支払って、今日は€5.00=636円でした。安い!!

Masto.Hostの使い方としては、まず上記の中からプランを選んだあとドメインを設定する。
ちなみに自分でもっているドメインを設定する場合にはDNSくらいは触れないといけないのでした(Mast.HostのサブドメインならDNS設定不要どす)。

Masto.Hostの開始画面

僕はこのブログのドメイン(fujii-yuji.net)にサブドメインを設定して mstdn.fujii-yuji.net にしてみました。

入力しながら「あれ…このホスティングサービスはサブドメインってOKなのかな…」という不安がよぎりましたが無事に動いているので、とりあえずサブドメインでもOKみたいっす。

ヒューゴが30分でやってくれました。

PayPalで支払いを済ませると、メールがすぐに送られてきました。
"DNSのAレコードとAAAAレコードを変えてね、変更後にインストールを開始するよ"とのこと。

すぐにメール来たんで「自動化されてるんだなあ」と思ったら、よく見るとメールの末尾にHugoさんの署名が入っとるw

え、これもしかして手動でメールしてるのかな…と思ったので「DNS設定したよ!よろしくね!」と書いて返信してみたところ、すぐに

OK! I am start the install.
Will let you know when it is finished.

って返信が…これは完全に手で打ってるやつですわ。
サイトの見た雰囲気的には自動化されてそうな感じなのにHugoめっちゃ頑張ってるじゃんw

そして、それから10分くらいしたら「Your instance is ready(準備できたよ)」ってメールが届く。
Hugo仕事早い。

「立ち上がったインスタンスでユーザー登録したら、そのID教えてくれ。管理者にするからさ」

とのこと。そこ手動なんだねw
こういうサービスのスタートは嫌いじゃないぜw

早速、fujii_yuji@mstdn.fujii-yuji.net を作って、このIDだよーってHugoにメールしたら、5分も経たずに返信がきた。

Done! User fujii_yuji is now admin. Click Preferences and you will find an Administration link.
Any problems or questions, just let me know.
Hope you have fun with your instance :)

ユーザーのfujii_yujiを管理者にしました。
Preferencesをクリックすると、管理者のリンクがあるよ。
何か問題や質問があったらお知らせください。
楽しんでね!

あら、もうインスタンス立ち上がっちゃったよ。
ヒューゴが30分でやってくれました。

メールのやりとりは英語だけど、このブログに書いた流れ+Google翻訳でいける。
実際、こっちから返信するのって「DNS設定おわったよ」と「管理者にしたいIDはこれだよ」だけだからね。

マストドンの管理画面はこうなっているよ

歯車アイコン(ユーザー設定)からユーザー設定画面に入ると、サイドバーに一般ユーザーにはない「管理」ってのが出てきます。
ちなみにSSL証明書はLet's Encryptですた。

以下は管理画面の各項目の説明

レポート
なんかがレポートされるらしい。まだ何も出てないからよく分からない。
なんか出たら追記するわ…

アカウント
アカウント一覧が出る。このインスタンスのユーザーだけじゃなくて、リモートフォローしたりBoostしたりすることでこのインスタンスが捕捉したアカウントが一覧されてくっぽい。
なるほど、こういう風にアカウントを捕捉してくのか・・・
連合タイムラインに表示されるのは、ここで捕捉しているアカウントなので連合している先が全て表示されたり、全世界のマストドンが表示されるわけではないのです(そう思ってる人は多そう)

アカウント一覧

最初は自分しかいないのですがリモートフォローしていくことで下の画像のような感じに。
管理者は自分のインスタンスでの表示をユーザーごとに設定することができて、フォローしていない人には見えなくする「サイレンス」や完全な非表示である「停止」などを設定できます。

リモートのユーザーがスパム投稿してるのって止められないのかなーと思ってましたけど、ちゃんと自分のインスタンス内は管理できるようになってるんですね。

アカウント一覧のリモートフォロー増えきたところ

既知のインスタンス
連合を組むのって管理者が他のインスタンス管理者に連合を申請したりするのかと思ってたら違うのね!!!!
上記のアカウントページにある通り、ユーザー間が関係を持つことで自動的に連合関係になってくみたい。
こういうことだったのか…!!

既知のインスタンス

pubsubhubbub
ぱぶさぶはばぶ、と読みます。他のインスタンスとの通信に使っているとのこと。
こんな感じで通信状態がわかるっぽいです。コールバックURLは一応消しときます。

pubsubhubbub

ドメインブロック
他のインスタンスとの連合についての設定ができるようです。
これもフォローしていない人には見えなくするサイレンスや完全に自インスタンスでの表示を停止させることなどが選んで設定できます。

「国交断絶」はここで設定できるんですね。

ドメインブロック

Sidekiq
Rubyの非同期処理ダッシュボード。
僕が見ても意味は分からないから見ないstyleでいくぜ。

PgHero
スロークエリチェックやインデックス状態などの管理ができるPostgreSQLダッシュボードらしいけど、これまたエンジニアじゃないから見ません。
そもそも見てもホスティングサービスだから自分でどうにかできるわけじゃないしね。

PgHero

あと現時点では、aboutページの下の方の説明テキストとか、about/moreページのテキストが少し設定できるだけなのでメイン画像の変更とかはできないみたいですが、まあそれは追々できるようになるのではないでしょうか(Hugoさんにご相談してもいいかもね)。

HugoさんにMasto.Hostのことを詳しく聞いてみた

Masto.Hostはポルトガル発のサービスなんだけど、日本人の有志によってサイトが日本語化された jp.masto.hostがあったりする。

これが日本語化された経緯はyagitch@pawoo.netさんのトゥートに詳しい。

MASTOHOST日本語化が爆速で進んだ経緯

4/24 12:21 Hugo Gameiro氏(@hugo)がMASTOHOSTのサービスを発表 https://masto.pt/users/hugo/updates/618
4/25 02:10 yagitchが日本語で紹介
4/25 13:14 フェネックス氏(@Fennecus)がHugoに日本語対応を依頼。助けてくれる人がいたらやるとの回答
4/25 13:31 yagitch、日本語対応できる人募集のToot
4/25 13:34 こうた氏(@k0ta0uchi)がHugo氏に助けを名乗り出る
4/25 22:12 こうた氏がフェネックス氏と協力しつつ翻訳作業開始
4/27 12:25 こうた氏、MASTOHOST日本語版公開をToot
現在もものすごい速さでフィードバックが集まり中

何このスピード感。

引用元トゥート: https://pawoo.net/@yagitch/5011383

わーインターネット的な動きですねー。熱い。日本語化してくれた皆さんありがとう。
なんか楽しくなっちゃうなあ。。。

さて、そのMasto.Hostのサービス運営しているHugoさん。

せっかく本人と直接メールのやりとりができているので「Masto.Hostのことをブログに書きたいから、もし良かったら質問に答えてもらえないですか?」と打診してみたところ、とても優しい方ですぐに返信をくださいました。

以下、そのQAですが、これはGoogle翻訳を駆使した僕の超意訳なのは許してくださいませ。 (もちろん、Hugoさんの文意を崩さないように気はつけたつもりです)

Hugoさん一人でMasto.Host運営してるの?会社を作ったりしないの?

はい。Masto.Hostには何人かの技術顧問がいますが、主に私ひとりだけで運営しています。 また、私は既にポルトガル市場のためのホスティング企業を経営しています( https://nuvens.pt/ )

これからMasto.Hostが500の以上のインスタンスを持つように成長したら、私の会社でこのサービスを運営するかもしれませんが、現在は個人プロジェクトとしてやっています。

私はマストドンが達成しようとしていることを信じており、私はそのプロセスを加速するのを助けたいと思っています。こういうのは楽しいしね。

「私はマストドンが達成しようとしていることを信じており」にシビれた…

Masto.Hostにあるインスタンスってどのくらいあるの?

今日時点で27インスタンスだよ。

思ったより少ないなー。日本の皆で使い倒したらいいと思うのw

もし、Masto.Hostのサービス停止になる場合、別のサーバーにインスタンスのデータをコピーしたりできるのかな?

たしかにサービス停止する可能性はあるけど、私はちゃんと運営を続けるつもり。

データはインスタンス所有者のものだから、(もしサービス停止になるとしたら)私はバックアップを作成して彼らにそれを送信するよ。

個人運営サービスとはいえ、サーバーホスティングの会社の人だからしっかりしてる感じはある。感覚だけど。

サイトには解約について書いてなかったけど、解約したい場合はどうしたらいいの?

任意の日時を解約することができるよ。
インスタンスの所有者は1ヶ月分のホスティング費用を前払いしてるから。

次月分の支払いを止めたり、アカウント停止を申請されたらサービスを停止します。
ご不明な点は連絡してね。

これなら1ヶ月だけ運用したいとかも可能なので、使い勝手良いですなー

ブログに書いていい?

ブログの投稿を公開したら、URL送ってね :)

日本語ですけどねw

Masto.Hostでインスタンス立てまくっちゃえばいいんじゃないの

おっと、追記しとくけどMasto.Hostはベータだし、規約などはよく読んでね。

https://jp.masto.host/

大企業が公式インスタンスとしてMasto.Hostを利用することを選択するのは難しいかもしれないけど、サービス停止する場合もHugoさんが対応するって言ってるし、企業の公式でテスト的に開始するぶんには現時点のマストドン界隈のノリなら意外とアリなのではないでしょうか(あんまりカスタマイズできないけど)。

あと、期間限定のイベント参加者用インスタンス、テレビやネット番組用インスタンスなんかにも良いかも。

地元民やマンション内コミュニティとか、インディーズのアーティストやアイドルのインスタンス、自分専用のお一人様インスタンスなどなど使い道は色々ありそうですね。

現時点で27インスタンスしかないらしいので、もっとみんなでガンガン使ってあげたらいいと思いますし。

さくらやAWSでインスタンス立ち上げできる人はそっちのが自由度は高いかもしれませんけど、Masto.Hostの手軽さは色々と使い道ありそうだと思いますよー。

あ、もし僕のマストドンをフォローしていただけるようでしたら、

今回つくった自前ドメインのアカウントをぜひ。fujii_yuji@mstdn.fujii-yuji.net 宜しくお願いします。

今までメインで使っていたJPアカウントもあるので、こちらもfujii_yuji@mstdn.jpどうぞ。

Webサイトの比較ツールについてとかとか

昨年12月は毎日更新したんだから、今年に入ってからも月イチくらいはブログ更新できるだろうと思っていた私だよ。 もう2月末なのに今年初ブログ。あけましておめでとう。今年もよろしく(ぉぃ)

今までとは比較にならないくらい忙しいんですけど、今日は心を落ち着けるために溜まったタスクを横目にブログを書いております(お待たせしている方、すみません。心を落ち着けるために必要なんです)

それはそれとして。

昨日くらいにWEBメディアの比較をした記事が、SimilarWebの数字を元に書いていたために実際の数値に大きな解離があったとツッコミを受けて修正されたのを見かけました。

その記事の内容は非常に素晴らしくて良記事だったんですが、SimilarWebの数字の扱い方を誤っていたことでつまらぬツッコミを受けてしまいましたなあ、もったいない……と傍から見てもにょもにょしていたんですよね。

SimilarWebは自分で管理していない他者サイトの状況がわかるという、競合調査なんかに使われることもあるイスラエル発のツールですが、使うこと自体はダメじゃないものの「かなりフワッと推定値を出してくるので、その前提で傾向をつかむためのツール」なんですね。

そのはずなんですが、実数とかなりズレがあるものだという前提なく使用されていることも多いようです。

まだまだ知らない方も多いようなので、誰かの役に立てばいいなあと思い、どの程度のフワッと感なのかをGoogleアナリティクスと比較しつつ書いていってみたいと思います。

比較してみる

これは2つとも僕の会社(横浜の方)で関わってる外に数字を出して問題ないWebサイトの数値で、今回は比較だけして元数値が分からなくしております。

SimilarWebは推定値なんだから、Googleアナリティクスと比較してブレるの当たり前だろと言われるとは思いますが、どの程度のブレがあるのかを知ることでツールとして「どこで使うべきか」の使い道が考えられるのではないかなと思います。

とりあえずGoogleアナリティクス(GA)と比較して近い数字だったら100%に近づくような表にしておきましたが、GAのユーザー数ともセッション数とも大きく離れております。

■サイトA

期間 9月 10月 11月 12月
GAユーザー数に対してSW訪問者数を対比 258% 305% 293% 243%
GAセッション数に対してSW訪問者数を対比 174% 207% 196% 164%
GA PVに対し(SW訪問者数×訪問あたりPV)を対比 184% 212% 196% 164%

■サイトB

期間 9月 10月 11月 12月
GAユーザー数に対してSW訪問者数を対比 320% 59% 80% 381%
GAセッション数に対してSW訪問者数を対比 217% 42% 59% 288%
GA PVに対し(SW訪問者数×訪問あたりPV)を対比 60% 13% 18% 89%

SimilarWebの"Visits"の定義はセッションっぽいのですが、よくPVと勘違いして書かれている記事を見かけますね。まずは、そこらへんの基礎的な誤解はなくしていきたい…。
GAのセッションやユーザー数と比較して、どの指標に近いか念の為に確認。やはり近いのはセッションなんですけども、近いといっても割とズレた数字が出てしまうのは推定値だから仕方ないですかね…

なお、いらないかなと思いつつ、上記の表ではSimilarWebの 推定訪問者数 × 訪問あたりPV で推定PVも出して比較してみております。

ちなみにサイトBの推定PVが大幅にブレているのは、GAの「ページ/セッション」が6ページくらいあるサイトなのにsimilarweb訪問あたりのページ数の推定値が1.5くらいだからです。

サイトAのように乖離が(GAのセッションで見た場合)164%~207%くらいの幅の中でブレている感じなら、まあ大まかな本当に大まかな傾向を見ることはできるかもしれません。
ただ、これくらいの計測ブレが大きいと定点観測として「あのサイトは3ヶ月前に比べて○○だな」という傾向をとる用途には向かないな、と個人的には思うところであります。

サイトBを見ていただくと、サイトAとの比較をしたくてもサイトごとの平均ブレ幅が違うためサイトAとサイトBの比較を観測するのにも、精度を求める比較なら向かないように思います。比較が正しくなくてもいいくらいのアバウトさなら良いんでしょうけども。

また、サイトBの月別を見てお分かりかと思いますが、同じサイトの定点観測でもブレがある場合があります。
サイトAのように一定の幅の中でブレている場合の方が多いようなので、サイトBのような現象が観測されることは少ないように個人的には思いますが、なくはないということです。

定点観測するにしても比較するにしても、こういったツールとしての前提をまず知っておかないとマズいかな、という感じです。

冒頭にも書きました通り、SimilarWebを使うことはダメじゃないと思います。
ですが、あくまでも辛いか甘いかを調べる程度のアバウトな方向性を知るために使うものであって、どっちがより辛いか比較したりするような用途には厳しいかな?と個人的には思うところです。あ、これは個人的な意見ですからね。

お手軽に競合調査ができる点などは素晴らしいと思うのですが、あくまで推定値ですし、ちゃんとした調査や記事に使用してしまうと本筋ではないツッコミが入る場合があるわけで、どんなツールなのか知って使った方がいいだろうなと思う今日このごろなのでした。

さて、息抜き終了。真面目に仕事しよ…