数日前の記事だけれども。
プレジデントからYahooに配信されている記事で、マクドナルドの原田社長が仕事時間だとか効率について語ったものについて僕なりの視点でエントリを書きますです。
「ON、OFFのけじめが、クレージーな発想を生む」
午後6時以降の残業禁止は私が決めました。仕事が人生のすべてのような考え方は健全ではないからです。
だいたい、社員が長時間労働に耐えることで製品のコスト競争力を上げるというのは、戦後の復興期の政策です。これからの日本企業はインテレクチュアル・プ ロパティー(知的財産)やクリエーティビティーで差別化を図っていかなければなりません。労働時間を延ばすというのは明らかに時代に逆行しています。
そうはいっても反発はありました。それまで毎月100時間も残業してようやくこなしていた量を、6時までに終わらせられるはずがないというわけです。
しかし、アップルコンピュータ・ジャパン時代に残業ゼロを実現していた私には、それが可能だということや、そのために徹底的に無駄を排除し、スピードを上げ、密度を濃くすれば、延々と残業をしていたときよりむしろ、仕事の質は上がるということもわかっていました。
長々と引用してしまってすみません><
この記事のはてなブックマークのコメントを見ると、「ただし店舗は除く、かよ」というツッコミ派と「効率化の見本、これはすごい」みたいな絶賛派がいる模様。
この記事を引用した個人ブログの記事を見てまわっても、僕が見た範囲では、同様の反応が多い。
店舗や店長の仕事についてのツッコミを除くと、基本的な考え方や無駄を排除する手法としては絶賛されているように見えるけれど、本当に皆が思っているような良いものなんでしょうか?
僕は疑問です。
「ON、OFFのけじめが、クレージーな発想を生む」
それに、ファストフード・ビジネスというのは、わずか0・5秒で食べるか食べないかを決めるお客さんを相手にしているのですか ら、時速300キロメートルのF1マシンを運転するスピード感がなければ、し烈な競争に勝ち続けることはできません。それを社員に教えなければならないと いう思いもあったのです。
だから、絶対に無理だとは言わせませんでした。サービス残業でいいと言っても認めません。こっちは仕事の質とスピードを要求しているのですから。
なにそれ、こわい (←って言ってみたかっただけですけどねw)
この記事を読んで「ウチの会社もこういう風に」って思った経営者がいないか不安だ。
僕も業務効率化プロジェクトとかやっていたのでわかるけど、このスピード感でやるのは(嫌いじゃないけど)社員の負荷が高いんだよ。
これは明らかに社員に負荷をかける手法だけれど、この記事を見て絶賛している人たちは気づいているだろうか。
普通の会社でやったら、業務効率が落ちる or 社員が疲弊する のどちらかなんじゃないかなー。
これは、「スプリントのペースでマラソンの距離を走れ」って手法なんだよ。
原田社長が言う「時速300キロメートルのF1マシンを運転するスピード感」という言葉が全てをあらわしているけれど、誰にでもF1マシンを運転できるはずはない。
スプリントのペースでマラソンを走りきることができる人は多くない。
だから、これは優秀な社員がいること(または経営者が変態)が前提の強者の戦略なんだと思う。
普通の会社の、普通の経営者はマネしちゃダメだー
普通に考えて、残業100時間からヒトケタになって、社員は楽になっているはずがないじゃん。
社員が早く帰れるってだけで絶賛してる人なんなの><
売上げや成果物の数字・クオリティを落とさずに、仕事時間半分にしろって言われて「カンタンでーす」って言う人は少ないでしょ?
この記事を絶賛している人は、残業しないよう効率上げる考え方に共感したんだろうけど『今より少しアクセルを踏む』程度の効率アップではなく
『300km/hのF1マシンをコントロールする』ことを求められるほど徹底しているっていうことには気づいていないんじゃないかなあ・・・。
僕個人としては、この記事で紹介された手法は嫌いじゃあないんだけど、自分の組織で真似しようとは思わないかなあ。