「プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本」は序盤から『交渉』について書いてるところが良いと思った

「プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本」を買ったら、注文ミスして2冊頼んでしまったんだけど、結果的にはむしろ2冊買ってよかった、という話を書きます。

制作/開発をするメンバーはいるけどプロジェクトマネジメントは得意ではなくて雑になってしまっているという制作/開発会社も多いと思うのですが、僕もそういう会社からどうしたらいいのか相談されたり、PMの育成の話をすることがあります。
(肩書としてPMだったことはないんだけど、僕も20年くらいPdM的な仕事をやってるんで相談されることがそれなりにあるのです)

要件定義と納品日を決めることをPMって呼んでるレベルの会社もあるので、マジでみんながこの本を読めば社会が良くなるんじゃないかと思えるくらいの良い本だと思いますねえ。

 

序盤から「交渉」について書かれている

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この本は序章も入れて13章のテーマを扱ってて第1章は「プロジェクトとはなにか」という定番の説明なんですけが、なんとその次の章、つまり具体的な話の初手が「交渉」なんですよね。

基本的にすべての業務には「交渉」が関わると思います。何かを頼む、頼まれる、できるかどうかを相談する、期日を守る、制作物や業務の品質を思ったレベルにする……これらにはすべて調整が必要ですが、交渉だとは考えていない人も多いです。

ちゃんと序盤からPMのための「交渉」を扱うこの本はマジで信頼できますね。

もちろん「要件定義のやり方」とか「納期に間に合わせるにはどうしたらいいか」も書かれている

もちろん、ちゃんと他の章では初学者~中級に差し掛かっている人たちの知りたいであろう「要件定義のやり方」とか「納期に間に合わせるためにすること」とか「デザインのPMってどうすればいいの」「テストの工数ってどうやってとればいいの」というような内容はしっかりページ数を割いて解説されています。

この本は『タスク管理とか要件定義に必要なドキュメントとか、手法だけを知ったところでプロジェクトマネジメントにならんのよ』と言わんばかりにPMが管理すべき、知るべきことがちゃんと書かれています。実務わかってるなあ。しびれるぜ。

こういう本は、難しすぎる概念や理想すぎて実践できない方法論の説明になりがちですが、本書は「PMに本当に必要だったもの」とばかりに実務で使える考え方と実務のための方法論が書かれていて、ちゃんとバランス良く説明されているなあと感心してしまいました。

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「プロジェクト」に関ってるプロジェクトをマネジメントをしない人たちにも是非読んでいただきたい本です。特に受託の開発・制作に関わる人ならPMしない人も読んでおいて損ないと思います。
(もちろん自社開発の人にもおすすめだけど、受託関連なら入社時の研修とかで全員に読んでもらった方が良いんじゃないかなと思うような感じです)

 

うっかり2冊買ってしまいましたが、むしろ読んでもらいたい人に配る用としてちょうど良かったなーと思った次第です。

 

追記: 著者からのコメント

かっこいい。