本は思想や未来に影響を与える。お前もブックサンタにならないか?

12月ですね。しわーっす!(挨拶)

年末になると募金だとか寄付、助け合いの話題が盛り上がりますね。

以前にも、インターネットに恩返しして、人類の発展に貢献しちゃおうという記事やら、Be My Eyes について書いたりしたのですが、ちょっとした自分の時間や少しのお金でなんかした気分になれる軽率な社会貢献も悪くはないんじゃないかなと思っています。
(自分にはなかなか頑張れないので、ちゃんとした支援活動されている方を心から尊敬しています。。。)

 

と、いうわけでですね、今年はですね。本屋さんに行ってブックサンタをしてきました。

ブックサンタというのは、さまざまな困難を抱える子どもたちに本を贈れるという取り組みだ。ブックサンタに対応している本屋さんに行って「これブックサンタで」と言って金を払うだけで、僕の買った本が子どもたちに届く。

あっあっ、ブックサンタが何かわかったからってこの記事を読むのやめてブラウザ閉じようとしないで。まってくれ。言葉だけ聞くと、ほっこり優しいイメージがあるだろうけど、実際にやってみるとこれがめちゃくちゃ面白い体験なんすよ。
もうちょっと先までこの記事を読んで欲しい。

 

ブックサンタ公式サイトより引用

 

どうせならクソデカ本屋で選びたいよな、と対応している書店を探してみると意外と少ないんだよね。青山ブックセンターならやってるだろと思ったらやってないし、GINZA SIXの蔦屋書店も対応してなかった (GINZA SIXがダメなだけで、他の蔦屋書店からは贈れるっぽい) 。

で、スマホでブックサンタ参加書店の一覧を見つつ、散歩がてら丸善 日本橋店へ。

やっぱデカい本屋は良い。Amazonで買うのとは違う楽しさがある。
普段は980割くらいAmazonで買ってるけどな。

そして、本屋さんをウロウロしていると、自分が読みたい本を選ぶのとは違う視点になっている自分に気づく。自分の読む本ではなく、どこかにいる見しらぬ子どもたちが読む本を選ぶワクワクがあるのだ。めっっちゃ楽しい。

幼児向けから低年齢の児童向けに名作の絵本や児童文学を贈っている人が多いらしい。そのぶん、小学校高学年とか中学生あたりの本が手薄だとか。

よーし、おじさんそこらへんのガキ…お子さん向けの本を選ぶぞ。

俺が贈った本が多感な小学校高学年の子どもたちの思想に影響を与えるのかと思うと、邪悪な笑みが浮かんでしまうじゃないか。

と、冗談めかして書きましたが、もちろん子どもたちのことを考えて本を選ぶべきでして、ブックサンタ事務局が迷惑と思うような本の選び方はやめましょうね。ちなみに事務局が本によって合った送る先をマッチングしてくれる。

児童文学のコーナーをウロウロして「ああ、この名作を読んで育つ子どもが増えたらいいなあ」と考えたり、最近の図鑑って子どもが興味を持てるようにキラキラ表紙で「最強の昆虫」みたいなのがあって、こういうのも良いな~なんて考えながら手にとったりするのが楽しい。

手塚治虫の火の鳥とか贈ったらヤベー思想と性癖を持った人類を増やせそうだなあと思ったりもしたのだけれど、ブックサンタはマンガNGだそうです (学習マンガは可)。

悪い影響を与えるような本は当然に贈るべきではないけれど、贈るサンタたちそれぞれの「これ読んだら読書の楽しさに気づくかなあ」とか「この本を読んで育ったらどんな大人になるかな」と想像しながら選ぶわけじゃないですか。

めっっっっっっちゃ楽しいだろ、これは。
無限に本を買ってしまいそうだ。

 

と、いいつつ3冊くらいにしておくか……と、選んだのは、

数学ガールの秘密ノートシリーズ2冊と、小学生向けのマインクラフトのプログラミング本の写真

結城浩さんが書いている数学を題材にした小説『数学ガールの秘密ノート』シリーズから2冊。

著者による解説を読んで選んだ。

mm.hyuki.net

フジイは数学ができなくてAIを開発しているときにMLエンジニアとデーサイエンティストから「微分わからないのにAIを作ろうとしている」と笑われたことがあるのだが、数学が得意なやつが増えれば、ぼくが勉強しなくても代わりに得意なやつがやってくれるようになるので僕は得をするはずだ。

俺の金で買った本が数学に興味をもってしまう子どもを増やすかもしれないし、自分で数学をがんばらなくても、そこに面白みがあると気づくかもしれない。
ふははははは俺の金で数学の面白みに気づくがいい!!
(いや、実際のところ本一冊くらいで子どもは簡単に興味を持ったりしないんだろうけどねw)

 

そして、もう一冊。
小学生向けのマインクラフトのプログラミング本を送った。イマドキの小中学生ってマイクラサーバーを自分で建立したりするらしいじゃないですか。そういうやつが増えれば、将来ぼくが得をするのだ。

こうしてツヨツヨ数学とプログラミングできるニンゲンを増やして、ぼくのような凡人がラクをできる世界をつくりあげたい。そういう野心と欲望でこの3冊を選んだ。

数学やプログラミングじゃなくても良いんだけど、こういったものがただの勉強やスキルじゃなく、自分の見えている世界を広げる「楽しい!」と感じられる体験だって気付けると良いと思うのよね。それが未来の社会の可能性を広げるものになるし。

もちろん、これを受け取った子どもが「数学とかプログラミングなんて興味ない!」と思うかもしれないし、マイクラも全然ピンと来ないかもしれない。
でも、それでいいんだよね。

僕も子どものころ家にあった本や児童館みたいなところにあった本とか、ぜんぜん理解できてないし、直接的にその専門分野に興味持ったわけじゃないけど何回も何回も繰り返し読んだ。ただ読書したってだけでも、その体験がいまの自分を作ってるなって実感がある。

 

お前もブックサンタにならないか?

で、これ本を贈ったら、ブックサンタになった人だけが教えてもらえる秘密のURLをもらえるんですけど、本が届いた支援先のご家庭の方からのメッセージが載ってるんです。

ブックサンタしたけどアクセスしていないって人もいるんじゃないですか?
お前は損をしている今すぐ読め

内容は秘匿するように書かれているので、あまりここには書けないのですが、本が届くことが子どもだけではなく支援先のご家庭にとってどれだけ素晴らしい体験になっているのか、図書館などで借りるのではなくプレゼントされた本を読み、所有できるという体験が何を生み出しているのか、メッセージから伝わってくる。

いいから読んでみな、泣くぜ?
(支援したサンタだけが読める情報というだけではなく、事務局の方が支援先の情報を出すことにとても慎重になっている心遣いを感じます。素晴らしい)

 

と、いうわけで今年は12月25日までらしいので、本屋に行こう。
オンラインでもサンタれるらしいけど、これはデカい本屋で楽しく選ぶのが最高だ。

booksanta.charity-santa.com